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平成七年の彌縫録  作者: オヒョウ
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東日本大震災から7年目に思う事

 絶対に忘れてはいけないから、書いておこうと思いましたので。

 あれから○○年。

 ○○年が経ちました。


 上記に「もう」を付ける人も居れば、「まだ」を付ける人も居ます。

 未だに自宅に戻る事も出来ず、仮設住宅生活を強いられている人が多く居られます。

 1万人を超える人が亡くなられ、未だに行方不明の方も多く居られます。

 今月になり、ニュースや情報番組でコーナーを設けて7年前の事、此の7年間にあった事を伝えてました。

 本日は大震災が発生した時間の前後に、多数のテレビ局が特番を組み、放送していました。

 

 今月になり、今日になり、津波の恐ろしさ、原発災害の恐ろしさを、7年が経った今も改めて思い知らされました。


 遡れば敗戦間際の1945年。

 3月は大空襲を受け、10日に東京が、12日に名古屋が、13日に大阪が、多くの死者・行方不明者・負傷者を出しております。

 今でも其の時の痕跡は至る所に残っております。

 大東亜戦争から今年で73年になります。

 戦災、空襲の体験者の多くが高齢者であり、物故者も多くなりました。


 戦後、日本の各地で災害が数え切れぬほどに発生し、多くの方が被災者となっております。

 震災以外でも、台風、豪雨、火山噴火などなど、毎年多くの方が被災者となっています。


 貴方は被災者ですか?

 家族・親族・友人・知人・交友関係に被災者の方はおられませんか?


 私は被災した経験はありませんが、被災者の友人がいます。

 親からは戦災の記憶を受け取りました。

 檀家参りの際にも実に多くの方々から、災害と戦争の事を教えて戴きました。


 7年前、近所の石材屋さんから教えて戴いたのですが。

 ある石材屋さんが70歳を超えたので息子さんに家業を譲り、隠居所として家を新築し、孫と遊ぶ日々をおくっておられたのですが、東日本大震災の津波に息子一家も家業も新居も全て奪われてしまったのだそうです。

 被災地では無数にある悲劇の一例なのやもしれませんが、自分の身に起こったらと思った瞬間、「絶望」してしまいました。

 私なら、絶対に耐えられない、と。


 私は僧侶として実に多くの方の死に接してまいりました。

 ですが死んだ方がマシだと思える状況になった経験はありません。

 其の立場におかれた方を前にした時、私は語る言葉を未だ持っておりません。


 災害について檀家さんに語る時に私は、「死んだらどうしよう」ではなく「助かったらどうしよう」と考えて緊急避難袋を用意して下さい、と伝えております。


 貴方は助かった時、どうしますか?

 此れは私が自分自身に常に問いかけている言葉でもあります。


 皆さんは「いざ」という時の準備をなされていますか?

 「死」はいつかは私達に訪れますが、其れはいつでも私達に訪れます。

 自分自身だけではなく、身近な人に突然訪れるかもしれません。


 今日くらいは、「死」について考えてみるのも良いかと存じます。

 来月の14日には熊本を震源地とする大地震から2年目の日を迎えます。

 災害も死も、あるいは事故も事件も、「非日常」の事態はいつかは我が身に起こります。

 常に其の事ばかり考えていましたら、生きるのが辛く苦しいものになります。

 其のような事を全く考えずに、他人事だと思って生きていければ幸せです。

 ですが。

 自分にとって身近だと思える「災厄の日」くらいは、普段は考えたくもない事を考える日にして戴ければと存じます。


 いざ其の時、貴方はどうしますか?

 全てを諦めますか? 諦められると言い切れますか?


 私は諦めきれる、とは言えません。

 ですから、いつも考えています。

 どうすれば良いのだろうか、と。

 前回までと同じように感想を頂戴致しましても、申し訳ございませんが返信は致しませんので何卒御了承下さいませ(平身低頭)。

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