【18】 熱気あふれる予想屋「六さん」お立ち台
3人は、入場料百円を払いスタンドに入った。
5階建てのスタンドで雨風をしのぐことも出来る。
目的の予想屋「六さん」は1階にあった。
金塚「あった、あった。あそこだ」
予想屋「六さん」の前に
大勢のファンが集まっていた。
美南「あのおじさん、2~3人とか言ってたけれど、2~3人なんてもんじゃないですね」
金塚「あのおじさん、ずいぶん控えめに言ったもんだなぁ」
千歳「大勢のお客様から、ずいぶん好かれているんですね」
何軒もの予想屋が、ある程度の距離を置いて並んでいた。
予想屋を囲む客が多い所もあれば、少ない所もある。
一軒の予想屋は、畳一畳ほどのお立ち台を持ち、
そのお立ち台には、簡単なテーブル板が付いている。
また、予想屋の立つ背中側には、
小さな掲示板とホワイトボードが設置されており、
集まったファンに対し、予想屋はそこに立ち、
これから行われるレースの展開を説明する。
美南「初めて見ましたが、面白い光景ですね」
千歳「こんな商売もあるのねぇ」
金塚「初めて見ました。立っているのが予想屋さんで、横に居るのが助手の方みたいですね」
美南「そうか、お客さんから百円をもらって、予想を書いた小さな紙きれをお客さんに渡すのね」
金塚「そうなんだ」
千歳「それにしても、すごい人気ね」
美南「予想の紙切れが、どんどん売れるわ」
金塚「すごいですね。手際が良いですね」
美南「あのおじさん、余命宣告を受けているとは思えないほど頑張ってるわ」
千歳「それに、しゃべりっぱなしね」
金塚「見ていたら、六さんの言う通り、『六さんの予想を待っている人』があんなに、たくさん居るんですね。いやぁー、驚きました」
千歳「確かに、あれでは入院していられないわ」
金塚「あのお立ち台で死ねたら本望なんでしょうね」




