5話目本編
ついに5話まで来てしまった(;´∀`)
つ、次書いたとしたら、合体させて、読みやすくまとめちゃいます(フラグ)
というフラグを建ててましたので、エピソード5に集合させて合体作業行いました。
今まで見難くて申し訳ありませんでしたーm(_ _)m
先日シュポーンとなってプチ家出をしかけた自称大根、他称マンドラゴラのわたくしです!
その際、どうしてそうなったかは不明でございますが、大きめなヤモリな『ミラージュゲッコー』を使い魔としてゲットいたしましたわ!
ずっと『ヤモリくん』と呼んでいましたが、さすがにどうかと思うので名前を付けようと思います!
本日もテンション高めに脳内ナレーションを入れた私が向かい合うのは、未だに名前が決まっていない『ヤモリくん』だ。
飼い主はお出かけ済みなので、部屋にいるのは私とこの『ヤモリくん』のみ。
「ぴ」
それより、お聞きになりましたか、奥さん!(どちらさま)
なんとこの『ヤモリくん』鳴きます!
しかも可愛い寄りの声で。
見た目は綺麗系寄りの格好良い感じなのに可愛い声とは……ギャップ萌え狙いかな君は!
いつもみたいに声に出さず脳内で逆ギレしてるのは、この『ヤモリくん』には私の声が聞こえてしまうから。
最初は聞こえてなかったみたいだし、これは使い魔になったから得た能力なんだと思う。
「(さぁ、君の名前を考えないとね)」
「ぴ」
ダウナー系というのかテンション低めながら前足を持ち上げて応えてくれる付き合いのいい『ヤモリくん』。
彼のためにいい名前を考えてあげたいものだ。
このままだと『ヤモリくん』で固定されちゃいそうだから。
今のところ、鑑定結果では『ヤモリくん(仮)』になってるけど、いつ(仮)が取れちゃうかわからないからね。
「(と言っても、私にネーミングセンスはないからなぁ)」
ヤモリ相手だと犬や猫のように定番の名前もないし、有名なキャラの名前をもらうのも難しい。
もしかしたら私が知らないだけでヤモリモチーフの有名キャラいたとしても、結局私が知らなければ意味がない。
あと名前を決めるのに重要かもなのは、この『ヤモリくん』が男の子だって事だよね。
可愛いのが似合わない訳じゃないとはいえ、やはり少しは気になる。
今の世の中あんまり男らしく女らしく言うのも口うるさい人が……って、ここ異世界じゃん。さすがにこっちまで言ってこない…………よね?
何処かのコメンテーターとか、異世界転移してきてないよね?
なんて、色々悩み過ぎて思考がとんでもない方向へ飛んじゃった。
「(今は君の名前だ。……ラジュくんってどうかな?)」
悩みに悩んで、結局『ミラージュゲッコー』っていう格好良い名前からちょっともらいましたが何か?
誰かに何か言われた訳ではないが、何となく逆ギレてみた。
「ぴ」(気に入った)
私の内心の逆ギレはともかく、付けた名前は無事に『ヤモリくん』──ラジュくんに気に入ってもらえた。
一安心して葉を揺らし、喉が渇いたと訴えてきたラジュくんに水を与えて──ふとラジュくんの言葉が理解出来た事に気付いてしまった。
「(……ラジュくん、ご飯はどうする?)」
「ぴ?」(あるじに近寄って来る虫食べる?)
「(私、そこまで虫に集られないよ?)」
「ぴ。ぴ」(じゃあ、虫はたまにちょっと出かけて食べるから大丈夫。あるじからもらう水、魔力多いから)
みたいな感じで普通に会話出来ちゃってるんですけどー!
可愛い鳴き声と同時に、抑揚のあまりないクール系な雰囲気の少年の声で翻訳されたラジュくんの言葉が脳内に響くという、ハイテク(?)な仕様だ。
とりあえず話が通じるなら、これはお願いしたいと思っていた事が私にはあった。
「(私が虫とかに襲われたら助けてね)」
こちとらつやつやピカピカな葉とまるっとボディが自慢の自称大根。
今一番怖いのは芋虫やバッタかも。
前世では特に虫苦手じゃなかったから芋虫を普通に掴んでぷにぷにしたりしてたのにと内心首を捻ったが、今の私のサイズからすると普通の芋虫やバッタが大型犬と同じ大きさだから仕方ないかとすぐ納得してしまう。
大型犬に体を齧られるなんて、どこのB級ホラーだ。
齧られるのを想像してしまいプルプルしていたら、ラジュくんが任せとけとばかりに尻尾を揺らめかせて目を細めて笑顔のような表情になる。
こうして見るとヤモリって表情豊かだね。
そうそう、改めて鑑定したら、ちゃんと名前が『ラジュ』になってましたー!
あと、なんか名付けた瞬間ラジュくんがピカッとなって、繋がってる感じが強くなった気がします!
名付けってヤバいようです!
少し不安を覚えたけれど鑑定されなきゃわからないだろうから大丈夫だろうと開き直る事にした。
●
──先日、飼い主、私にも名前つけてくれないかなぁと思っちゃったわたくし、自認大根、他称マンドラゴラです!
今日も元気に窓辺で日光浴をしております!
ラジュくんも私の葉の上で同じく日光浴です!
「ぴ」(ぴ)
今のはイビキというか鼻息か吐息みたいなやつだったらしく、翻訳されても『ぴ』だった。
ラジュくん、今現在爆睡してるから仕方ないね。
しかし、爆睡してても擬態が解けないのはさすがだ。
本日は飼い主はお休みらしく、朝から何度かこの部屋に出入りしているがラジュくんが見つかる様子はない。
まぁ、ラジュくんの方も他の人間が近寄って来たら…………訂正、人間が近寄って来たら隠れてるから見つからないのもある。
この体(大根ボディ)になってからそこそこ経つのに、まだ時々人間だった時の感覚で自分を人間カウントしちゃう。
別に『戻りたい!』とかは無いのに……人間生活の方が長かったから染み付いてるんだろうか。
「(ん? なんか騒がしいな)」
物思いに耽っていた私だったが、何やら聞こえた気がして葉を揺らめかせ外の物音へ耳をすませる。
それと同時に目を覚ましたラジュくんがゆっくりと私の葉の中へ姿を隠し、完全に葉の中へと潜り込んで見えなくなる。
ちなみにちょっとだけくすぐったい。
ラジュくんがこうやって隠れたという事は、この部屋へ誰かが近づいて来ているんだろう。
飼い主はついさっき来たばかりだし、イケオジかなと扉を見つめる。
それにしては何だか騒々しい気もするなぁと葉を揺らしていると、
「どうせここにいるんだろ! フォスフォラス!」
と個性的なノック音を口で響かせた人物が扉を開けてドカドカと部屋へ入って来る。
「……こちらの部屋には入らないようにとお伝えしたはずですが?」
それを追いかける形で入ってきたのはイケオジだ。
一応お客様ではあるらしいが、頭には『招かれざる』と付く感じのお客様らしい。
「ちっ! 御大層に入室拒否なんぞするからには金目の物でもあるのかと思ったら、カビクセェ本ばっかりじゃねぇか!」
別に喋り方で人間性がわかるとは言わないが、このお客様に関してはなんか『底が見えた』気がする。
私がため息を吐く代わりに葉を揺らすと、イケオジから必死な感じの目配せをもらった。
部屋を見渡すお客様に見えない位置から、必死に私へ目配せをするイケオジ。
これは私に『この不届き者を追い出せ』という合図では?
ふんすと気合を入れて、ちょっとバリエーションが増えた魔法を炸裂させようとしたところで、ラジュくんが身動ぎした事により鑑定魔法の存在を思い出す。
敵を知り己を知ればなんとやらっていう有難いお言葉もある事だし、遠慮なく初対人鑑定いってみよー!
「(鑑定!)」
相変わらず掛け声は適当だ。
飼い主みたいなイケボなら、気合入れてみるのもありだけどね。
「(さーて、初対人鑑定の結果はと……)」
ふむふむ?
二十代男性ですって、見た目通りだったね!
名前は、えぇと、ウザイ? え? 自己紹介してくれてる? あ、違った、ウーザイだ。ほぼ誤差の範囲な名前だね、ウザイと呼ばせてもらおう。
家名みたいなのが続いてるのは、貴族って事で合ってるのかな。
服で上手く隠してるけど、ちょいポチャでお腹がぷよぷよしてる、と。
ステータスもあるけど、よくわからないなぁ。……ラジュくんの数値より全体的に低いぐらいしか。
今度、比較対象として飼い主をコソッと見させてもらおうかな?
「ぴ」(他には?)
どうせラジュくんしか聞こえないから声に出して鑑定結果を読んでいたので、ラジュくんから小声でそんなツッコミが入る。
でも、他にはと言われても、性格が腐ってるとか、フォスフォラスの異母弟とかぐらいしか備考にはない。
何となく備考って、特別なスキルとか『何とかの加護』とか、すげーやべーみたいになる事が書かれてるのかと思ってたのに。
ちなみに比較対象として、ラジュくんの鑑定結果の備考欄には現在、
『完全隠形』
『マンドラゴラ(?)の使い魔』
『特殊進化個体(予定)』
という感じの事が書かれてるので、たぶん鑑定されたら、ラジュくんヤバイなー。(棒読み)
ラジュくんでこれなら、私ってどう書かれてるのか、怖くて未だに自分自身へは鑑定をかけられていない。
「おい! この部屋で一番価値のある物はなんだ!」
おぉっと、忘れかけてたよ、ウザイさん。
怒鳴ってアピールしてくれて、やっと存在を思い出したよ。
文脈からすると、たぶん『フォスフォラス』っていう舌噛みそうな名前の持ち主が、私の飼い主だろう。
これで違っていたら、逆にウザイさんへ向けて大笑いだ。
何のためにわざわざその名前を叫びながら部屋に入ってきたんだと、指差して笑ってやろう。
「……それを聞いて、どうなさるおつもりで?」
「もちろん、この俺が貰ってやるんだよ!」
「(それは、何に対しての『もちろん』だよ!?)」
聞こえないのはわかっていても、思わずツッコんじゃったよ。
「はぁ」
イケオジがあからさまに『何言ってんだよてめぇ』みたいな顔で相槌を打ってるのに、ウザイさんは気付く様子も無く品の無い笑い声を上げている。
異母弟って事は、私の飼い主と少しは血が繋がってるはずなのに、今のところ残念な部分しか見えない。
この残念な性格はもちろん、見た目も含めて。
髪色や瞳の色が違うのもあるけど、飼い主はとんでもない美形だ。何時間でも見ていられるし、見飽きる事もない。
でも、今目の前にいる異母弟殿は、なんだか色々残念なのだ。
微妙に整った顔をしている気もしないでもないが、それを鼻にかけている感がプンプンしてて残念さを醸し出している。
飼い主(本物)を知っている私からしたら、劣化版(ものまね芸人)がカッコつけてるようにしか見えていない。
「(ふんっ)」
葉を揺らして鼻で笑ってやったら、ウザイさんが初めてこちらを見る。
「……なんだ、あの気持ち悪い鉢植えは」
顔を歪めたウザイさんが私の美しさ(笑)に興味を惹かれてしまったのかこちらへ近寄って来る。
お前に言われたくねぇよと言い返そうとしていた私だったが、その視界は突然現れた人影の背中によって埋まる。
「ウーザイ。ここへ入る事は許可していないはずだ」
背中越しに聞こえてきたのは、耳心地の良いイケボ。
部屋へ駆け込んで来て、私とウザイさんの間に割って入ってくれたらしい。
「(飼い主、そいつウザイー!)」
もっさもさと葉を揺らしてアピールしていたら、ちらりとこちらを振り返った飼い主が苦笑いを浮かべ、唇に人差し指を宛てるジェスチャーをする。
私の声が聞こえちゃったのかと一瞬驚いたが、今のジェスチャーは『私に任せておとなしくしてなさい』って言いたかったんだよね。
飼い主ったら頼れるイケメン!
私は話がわかるいい子な大根だから、ちゃんとおとなしくしてますよ?
おとなしくしていた結果。
私の飼い主は、口喧嘩でも強かった模様。
最終的にウザイさんは、何か地団駄を踏んで、
「こんな古ぼけた屋敷、言われなくても出て行ってやるよ! お前がどう足掻こうが、父上の後継者は俺なんだからな!」
という捨て台詞を吐いて去って行ってしまった。
「(飼い主! 塩撒いて、塩!)」
その最後までムカつく態度に、ふんすふんすと怒りながら葉を振り回していたら、飼い主からなだめるようにポンッと葉を撫でられる。
「お前がいてくれたから、初めて言い返せたよ。ありがとう」
そう言って少し照れたように微笑んだ飼い主の麗しさに、先ほどまでの苛つきはあっという間に吹き飛んでしまい、私は控えめに葉を揺らして照れながら、何故か咲いた頭の花を飼い主へそっと差し出しておいた。
という感じで、飼い主登場によって平和に終わったウザイさん襲来だったが、一人残って部屋の片付けをするイケオジの独り言を聞いて、私はウザイさんへの怒りを再燃させる事になるのだった。
いつもありがとうございますm(_ _)m
相変わらず前の話の感想欄が面白いです(*´ェ`*)ポッ
どうしよう、感想欄の方が面白いデス(*ノェノ)キャー




