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太陽の戦士  作者: Vleuingu
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異宇宙からの侵略

私は『仮面ライダーカブト』が大好きです。あの作品から受けた強い印象が、この物語を創作する大きなきっかけとなりました。とはいえ、これは完全に独立した物語であり、登場人物も内容もすべてオリジナルです。

第1章:偽者

血の生臭い匂いと、夜の雨がもたらす錆びた臭いが、暗い部屋の中に凍りついたように立ち込めていた。

捜査官ソウイチは床に崩れ落ち、引き裂かれた胸を片手で押さえ、血が指の隙間から絶え間なく溢れ出していた。もう一方の手は震えながら前方に伸びる。息は重く、途切れ途切れだ。目には衝撃と激しい痛みが満ちていた。

その顔、その髪、あの馴染みのある笑顔……間違いなくユイだ。彼が誰よりも大切にし、信頼していた妹のはずだった。

「なぜ……ユイ……?」

弱々しい声が静まり返った空間に響く。

しかし、その詰まった問いかけに返ってきたのは後悔や恐怖ではなく、歪んで無機質な、凍りつくような笑顔だった。

ソウイチの視界が失血で徐々にぼやけ始めたまさにその瞬間、「ユイ」の顔に奇妙な変貌が現れた。完璧な偽装が徐々に解け、灰色でぬめぬめした肌と、異形の醜悪な輪郭が露わになる。

残酷な真実がついに姿を現した。

彼に致命傷を与えた者は、決してユイではなかった。

それはただ、少女の姿を借りて近づき、血塗られた粛清を実行した宇宙生物に過ぎなかった。

慌ただしい足音が響く。サトウ巡査部長が部屋に飛び込み、上司が瀕死の状態であるのを見て顔色を変えた。

「ソウイチ捜査官!!」

「サトウ……巡査部長……」ソウイチは残った力を振り絞り、部下の襟を掴み、途切れ途切れに言った。「本当の……ユイを……守れ……そして……ヒーロ捜査官を……頼む……」

言い終える前に、ソウイチの手は力なく落ちた。息が絶える。偽者はサトウが発砲する前に、素早く闇の中へ姿を消した。

ナツミ少尉の支援を受け、サトウはすぐに本当のユイが安全な場所に隠れているのを見つけた。三人はすぐに車に乗り、夜の中を逃亡してヒーロの家へ向かった――変人だが天才的な頭脳を持つ捜査官の家だ。

人気のない住宅街への道で、彼らは偶然、高い位置で結んだ髪にリュックを背負い、淡い街灯の下をぼんやりと歩いている若い女の子に出会った。

「あれ? あの子はヒーロさんの妹のユカだ!」ナツミが気づいた。

短いやり取りの後、四人は一緒にヒーロの家に入った。夜風がドアの隙間から冷たく吹き込み、不吉な予兆のように感じられた。

カチャ。

ドアが開いた瞬間、リビングから人影が現れた。

ユカは自然な笑顔を浮かべ、穏やかに言った。

「ただいま。」

シュッ!

誰もが状況を把握する前に、ヒーロが稲妻のように飛び出した。すさまじい力を込めた蹴りがユカの首を真正面から折る。

パキッ!

少女の体は壁に激しく叩きつけられ、床に崩れ落ち、完全に動かなくなった。

「お前、狂ったのか、ヒーロ!?」サトウが驚愕して叫び、手元の銃を即座に構えて、無慈悲に手を下した男に向けた。「どうして我々の目の前で自分の妹を殺すんだ!?」

ヒーロは平然と足を下ろし、表情ひとつ変えない。襟を直し、ズボンの裾の見えない埃を軽く払うと、冷たく恐ろしい声で言った。

「あれは私の妹ではない。」

その言葉を証明するかのように、床に転がる「ユカ」の死体が激しく痙攣し始めた。人間の皮膚が剥がれ落ち、醜悪な宇宙生物の姿が露わになり、やがて全身が分解して濃い緑色の塵となり、空気中に消えていった。

サトウ、ナツミ、ユイは固まった。冷たい汗が後頭部を伝って流れ落ちる。

「どうして……どうしてすぐに見破れたんですか?」ナツミが震え声で尋ね、まだ衝撃から立ち直れない目で見つめた。

ちょうどその時、玄関で鍵の音がカチャカチャと鳴った。ドアが再び開き、今消えた者と全く同じ外見の少女が、学校の鞄を肩にかけて入ってきた。

「Großer Bruder, ich bin wieder da!」(兄さん、ただいま!)

ユカは満面の笑顔で、正確なドイツ語でヒーロに挨拶すると、自然にキッチンへ向かった。

ヒーロは腕を組み、驚愕して口を開けたままの三人の客をちらりと見た。

「これで分かったか? 妹は毎日、違う言語で私に挨拶する。今日はドイツ語、昨日はフランス語、明日は英語かもしれない。さっきの奴は普通の現地語で挨拶してきた。あまりにも素人臭い隙だった。」

彼は振り返って中へ入り、ソファに座って指を組んだ。

「で、三人は私に何の用だ? ピザの配達には見えないな。」

サトウは深呼吸をして平静を取り戻した。

「ソウイチ捜査官が殉職した……死ぬ前に、彼はこの宇宙生物たちに対抗する部隊を率いる立場を君に引き継いでほしいと望んでいた。」

ナツミは震えるユイを見て、痛ましそうに付け加えた。「この可哀想な子を見てください。もう帰る家もないんです。奴らは彼女を放っておかないでしょう。」

ヒーロはしばらく沈黙し、招かれざる三人を目で見た。

「いいだろう。だがそれは後だ。まずは俺と妹と一緒に夕食を食え。」

深夜。家は静寂に沈んでいた。

人影が廊下を忍び、ヒーロの寝室のドアをそっと押した。カーテンの隙間から差し込む月明かりが、ナツミ少尉の姿を浮かび上がらせる。昼間の正義感のある表情は消え、極度に冷たい顔になっていた。彼女は鋭い短剣を抜き、ベッドに向かって突進し、布団の下の心臓の位置を強く突き刺した。

ズブッ!

感触がおかしい。血も、うめき声もない。

ナツミが布団を引きはがすと、下にあったのは大きなぬいぐるみのクマだけだった。

「くそ! 騙された!」

暗殺計画が露見したと悟ったナツミは、すぐに窓から飛び降り、夜の闇に身を投じて逃げた。彼女は知らなかった――向かいの屋根の上から、黒い影が幽霊のように静かに彼女を追っていたことを。

ナツミは死に物狂いで郊外の廃倉庫――彼女が本当に忠誠を誓う組織の秘密の隠れ家――まで走った。しかし彼女を迎えたのは庇護ではなく、上から響く低く圧迫感のある声だった。

「目標の抹殺に失敗したな、ナツミ。組織は無能を許さない。」

闇から現れたのはマーキュリー、宇宙生物側の上級指揮官だった。彼は手を上げ、暗黒のエネルギーを溜め、口封じのためにナツミを仕留める一撃を放とうとした。ナツミは絶望の中で目を閉じ、死を覚悟する。

バーン!

突然の光の障壁が立ちはだかり、マーキュリーの攻撃を弾き返した。ヒーロが暗闇の隅からゆっくりと現れ、両手をポケットに入れ、散歩でもしているかのような余裕の態度で立っていた。

彼は指揮官を侮蔑の目で見据え、死の気配を打ち破る声で言った。

「貴様ら……口封じで人を殺そうというのか?」

マーキュリーは目を細めた。「ふん、自ら死にに来たか。お前ら、進め! こいつを殺せ!」

指揮官の命令に従い、数十の宇宙生物の部下があちこちから飛び出し、牙を剥き爪を振りかざしてヒーロを取り囲んだ。

ヒーロは少しも動じない。彼は上着のポケットから、輝く紋様の入った多面体金属装置を取り出した。

カチッという乾いた音とともに彼がそれを起動する。

ドーン!

真昼の太陽のような眩い光輪が爆発し、濃い夜の闇を一掃した。まばゆい光が醜悪な目を直撃し、怪物たちは苦痛に咆哮する。強烈な光が弱まると、ヒーロは既に炎のように輝く黄金の装甲をまとい、威厳に満ち、息が詰まるほどの圧力を放っていた。

「速戦即決――太陽の戦士!」

装甲の仮面の後ろから冷たい声が響く。炎を纏った拳と、肉眼では追いつけないほどの圧倒的な速度だけで、太陽の戦士は容易にマーキュリーの部隊を薙ぎ倒し、粉砕した。指揮官自身も光を纏った一撃で焼き尽くされ、わずか数秒で灰と化した。

戦いが終わると、ヒーロは装甲を解除し、背を向けて歩き出した。

ナツミは地面で傷を押さえながら、複雑な目で彼の背中を見送った。

「ありがとう……助けてくれて……」

ヒーロは足を止めたが、振り返らなかった。冷たい声が夜の闇に響く。

「勘違いするな。私はお前を助けたのではない。証人を守っているだけだ。」


第2章:裏切り者の背後にある真実

ヒーロの家のリビングは、息が詰まるほど息苦しい空気に包まれていた。

ヒーロとナツミがドアをくぐると、疑念の視線が一斉に二人に注がれた。ナツミは震えながら床に跪き、両手で服の裾を強く握りしめた。彼女は顔を伏せ、詰まった声が静まり返った空間に響く。

「ごめんなさい……皆さん、ごめんなさい。もう、真実を話さなければなりません……」

彼女は顔を上げ、ユイの隣に立つ若い巡査部長をまっすぐに見つめ、雷に打たれたような言葉を吐いた。

「実は……あなたの父親、サトウさん……彼こそがロダ組織の首領です。この世界を操っている宇宙生物の組織の。」

「なんだと!?」サトウは一歩後ずさり、顔色を変え、額に青筋を浮かべた。拳を握りしめ、咆哮する。「嘘だ! 父は清廉な軍人だ。あんな狂ったことをするはずがない!」

サトウの激怒とは対照的に、ヒーロはわずかに眉を上げただけだった。壁に背を預け、無関心な顔で言った。

「意外だな。」

「みんな……みんな、何をそんな怖い話をしてるの?」ユカは震えながらぬいぐるみを抱きしめ、戸惑った目で周囲を見回した。

ナツミは目を閉じ、苦々しく頷き、自らの罪を晒け出した。

「冗談ではありません。私自身が、宇宙生物側によって政府組織の奥深くに送り込まれたスパイです。それどころか……『偽のユイ』を部屋に導いてソウイチ捜査官を殺害させたのも……私です。」

「なによ!?」ユイが叫び、憎悪で目を真っ赤にした。彼女はナツミに飛びかかろうとしたが、サトウにしっかり抑えられた。「あんたが……あんたが兄を殺したのね! 絶対に仇を討つわ!!」

「落ち着け。」ヒーロの冷たい声が響き、混乱を断ち切った。彼は近づき、ナツミの前に立ちはだかった。「我々には彼女が必要だ。現時点で、奴らの拠点の正確な位置を知る唯一の手がかりだからな。」

サトウは信じられないという目でヒーロを見た。「ヒーロ、お前狂ったのか? 一度裏切った奴をまた信じるのか!?」

「彼女は自分の組織に狙われた。つまりもう退路も、行く場所もない。」ヒーロは淡々と答えた。「二度目の機会を与えてやれ。それに、彼女は私の管理下にある。」

ナツミはヒーロの背中を見上げ、涙を流した。「ありがとう……信じてくれて……でも、一つ聞きたいことがあります。さっきマーキュリーを簡単に倒した、あの変身装置は……一体何なんですか?」

ヒーロはズボンのポケットから多面体の金属装置を取り出し、五本の指で無造作に弄んだ。

「光子の光粒子を、極大の物理エネルギーに変換する装置だ。私が作ったものではない。これを送ってきたのは……『未来のヒーロ』だ。」

「未来のお前だと!?」サトウが驚愕して叫んだ。

「ああ。」ヒーロは装置を強く握りしめ、目が突然剃刀のように鋭くなり、ナツミを射抜いた。「そして彼は警告も添えてきた。ナツミはスパイだと。彼の時間軸では、この女が『未来のヒーロ』の妹・ユカを、ソウイチ捜査官に使ったのと同じ卑劣な手段で殺した、と。」

部屋の空気が一瞬で凍りついた。

「な……何ですって?」ユカの顔から血の気が引いた。彼女は恐怖に駆られて数歩後ずさり、ナツミを怪物を見るような極度の恐怖の目で見つめた。「あの人が……私を殺すの?」

ユイは素早く駆け寄り、同じ境遇の者同士のようにユカを強く抱きしめた。憎悪と震えを含んだ目でヒーロを見て言った。

「そんな危険で冷酷な人間を、まだ残そうっていうの? また妹さんに手を出すんじゃないかって怖くないの!?」

ドン!

ヒーロが突然テーブルを強く殴りつけ、鋭い音に全員がびくっとして黙り込んだ。彼の顔には明らかな怒りが浮かび、戦士から放たれる見えない圧力が部屋中に広がった。

「言ったはずだ。奴らの居場所を知っているのは彼女だけだと! 我々が今対峙している敵は、並の生物ではない。別の宇宙から来た宇宙生物だ! 奴らの拠点を見つけなければ、過去も現在も未来も、全員死ぬぞ!」

ヒーロの決意と怒りに、誰もそれ以上口を挟む者はいなかった。話は重い沈黙の中で終わった。皆は休息をとるために解散し、来るべき嵐の日々に備えることにした。

その夜、ユイはユカを守るために同じ部屋で寝ることを志願した。ナツミは暗黙の監視の下、リビングのソファで寝ることになった。サトウは疲れた足取りで上の階へ空き部屋を探しに行った。

そしてヒーロは、静かにガレージの地下室へ降りた――彼の大型バイクが闇の中で静かに佇む場所だ。彼は手を枕に、天井をじっと見つめながら、まもなく始まる圧倒的不利な戦いへの準備を始めた。


第3章:新たな始まりと天空の戦士

朝の最初の陽光がドアの隙間からそっと差し込み、昨夜の陰鬱な空気をいくらか追い払った。

ユイが一番早く目を覚ました。彼女がそっとキッチンに降りると、まな板の音と味噌汁の香りがほのかに漂っていた。ヒーロがそこに立ち、エプロンを着けて妹のために朝食の準備に集中していた。

「早いな?」ヒーロはちらりと目をやり、いつものように淡々とした口調で言った。

ユイは少し遠慮がちに、頭を下げて答えた。「私……いつも兄のためにご飯を作って送り出す習慣があったので。」

ソウイチの名を口にした瞬間、彼女の目がふっと寂しげになった。ヒーロは一瞬沈黙し、それから淡々と一言だけ放った。「そうか。」

ほどなくして他の者たちも次々と起きてきた。人の少なかった家が一気に賑やかになる。足音や挨拶の声が響くが、その空気の中に見えない壁が立ちはだかっていた。サトウとユイはナツミの存在を完全に無視していた。彼女を空気のように扱い、時折予防的な視線を投げかける。

ナツミはリビングの真ん中にぽつんと立ち、頭を垂れてその冷たい扱いを受け入れていた。ちょうどその時、ヒーロが出てきて皿をテーブルに置き、彼女を見た。

「そこで何してる。歯を磨いて顔を洗って着替えてから朝食を食え。」

ナツミはびくりとし、小さく頷いて黙って従った。

ユカが一番最後に部屋から出てきた。彼女は目を擦りながら大きく欠伸をし、それから満面の笑顔を浮かべた。

「おはようございます! みんな、おはよう。」

その光景を見て、死人のような顔をしていたヒーロの態度が180度変わった。彼は顎を支え、誇らしげな笑みを浮かべてサトウとユイを睨むように見た。

「これが俺の妹だ。可愛いだろ?」

サトウは妹狂いの過剰ぶりに気まずい思いで軽く咳払いをした。ちょうどその時、ナツミが更衣室から出てきて、ヒーロが用意した整った服装を見て明らかに戸惑った顔をした。

「こ……これは何ですか? 何の服?」

「今日から、君はユカが通う学校の教師になって、密かに彼女を守ることになる。」ヒーロは腕を組んで説明し、それからユイの方を向いた。「ユイもだ。転校の手続きはもう済ませてある。これからユカと同じ学校、同じクラスで学ぶんだ。」

サトウは自分の胸を指さし、困惑して尋ねた。「ちょっと待て、俺は? 俺は何をするんだ?」

ヒーロは彼を現実的で容赦ない目でちらりと見た。「お前は働いて、食費と電気代と水道代を払え。この家はタダ飯食いを養わない。」

「は、はい……」清廉な巡査部長は、ただ「主な働き手」としての運命を渋々受け入れるしかなかった。

ユカが好奇心から首を傾げて尋ねた。「兄さん、みんなが学校や仕事に行ったら、兄さんは家で一人で何するの?」

ヒーロは妹の頭を撫で、謎めいた笑みを浮かべた。「それは秘密だ。」

全員が家を出た後、ヒーロはすぐに笑顔を引っ込めた。彼は急いでガレージの地下室に降り、ドアをしっかり鍵をかけた。

精密な電子部品がびっしり並ぶ金属のテーブルの上で、ヒーロは新しい装置の組み立てに没頭し始めた。額に汗が伝い、彼は独り言を呟きながら、目に確固たる光を宿していた。

「未来の自分にできたんだ……なら今の自分にも、絶対にできる。」

偽りの平穏の中で一ヶ月が過ぎた。ある日、緊急ニュースがテレビ番組を遮った。警察が大規模な作戦を突然開始し、宇宙人のスパイの巣だと疑われる高層マンションに突入したという。

ヒーロはテレビ画面の前に立ち、通常兵器を持った兵士たちが建物に突入する光景を目にした。彼は拳を握りしめ、歯を食いしばって怒った。

「馬鹿どもめ! 人間の銃や弾で何ができるっていうんだ!?」

悲惨な結果を予見し、ヒーロはすぐに帰宅したばかりのサトウとナツミに命じた。「二人はここに残ってユイとユカを守れ。絶対に動くな。」

言い終わるや否や、ヒーロはガレージに飛び込み、スーパーカーを始動させて夜の闇に轟音とともに疾走し、炎上中のマンションへと向かった。

到着すると、現場はすでに瓦礫の山で、警官の死体が散乱していた。ヒーロは躊躇なく多面体装置を取り出し、太陽の戦士の装甲を起動した。黄金の光が爆発し、彼は戦いに飛び込み、雑兵どもを容易に粉砕した。

しかしヒーロの予想外だったのは、瓦礫の戦場の中に見覚えのある人影が突然現れたことだ。サトウだ! 彼は指示に従わず、じっとしていられずにこっそり後をつけてきたのだ。

「この馬鹿が……!」

戦いながら一般人のサトウを守らなければならない状況が、ヒーロに致命的な隙を生んだ。今回の待ち伏せの首領はヴィーナス――宇宙生物側の別の上級指揮官で、速度と力が桁違いだった。

バーン!

ヴィーナスからの強烈な衝撃波がヒーロの胸を直撃した。黄金の装甲が砕け散る。ヒーロはコンクリートの壁に激しく叩きつけられ、血を吐き、装甲が解除されて人間の姿に戻り、完全に力尽きた。

ヴィーナスがゆっくりと近づき、鋭い手がエネルギーを溜め、茫然とするサトウを狙った。「終わりだ、虫けらども。」

生死の瞬間、ヒーロは歯を食いしばり、残った力で先ほど作ったばかりの物体をサトウに向かって強く投げた。それは旧装置よりも遥かに精巧で鋭いデザインの変身装置だった。

「サトウ! それを掴んで起動しろ!!」ヒーロが叫んだ。

サトウは物体をしっかり掴み、奇妙な構造を戸惑いながら見つめた。「こ……これは何だ!?」

「天空の戦士の変身装置だ! 俺の装甲よりも強化されたアップグレード版だぞ!」ヒーロは地面に這いつくばり、咳をしながら急かした。

サトウは迫り来るヴィーナスのエネルギーを見て、もう選択肢はなかった。彼は装置を握りしめ、大声で叫んだ。

「天空の戦士――起動!」

シュッ!!!

凄まじい風圧が爆発し、周囲の破片を吹き飛ばした。壮麗な空のような鮮やかな青のエネルギーがサトウを包み込んだ。光が収まると、空気力学的で勇ましい線を持つ王者の装甲を纏った戦士が現れた。

体中に湧き上がる力を感じ、サトウは自分の手を見下ろし、呟いた。「すごいな……じゃあありがとうよ、ヒーロ。」

後ろで手をついて起き上がったヒーロは、悔しそうに舌打ちした。「何がありがとうだ。俺が自分で使うために作ったんだぞ! この戦いが終わったら返せ!」

「後だ!」

天空の戦士が大股で進み、その速度は空気を切り裂くほどだった。ヴィーナスは驚愕して攻撃を防ごうとしたが、アップグレード版の圧倒的な力の前にサトウは容易に優勢に立った。極大の風圧を纏った拳が宇宙生物指揮官の正面を直撃し、核を粉砕した。ヴィーナスは悲鳴を上げ、無数の光の塵となって爆発した。

戦いが終わり、煙と埃が徐々に晴れて、マンションの荒廃した瓦礫が露わになった。先ほどの突入部隊を率いていた警察の指揮官が装甲車の後ろから現れ、二人の戦士の圧倒的な力を目の当たりにして茫然とした。彼はどもりながら急いで近づき、申し出た。

「あ……あなた方は誰だ? その力は実に驚異的だ! 組織を代表して、政府軍に加わって共に戦っていただきたい!」

しかしその切実な招待に返ってきたのは、二人からのきっぱりとした首振りだけだった。

「お前らの駒になる趣味はない。」ヒーロは冷たく背を向けて歩き出した。

サトウも微笑み、自分の襟を直してからヒーロの後を追った。「俺は自分の近くの人間を自由に守る方が好きだ。」

二人は速やかに現場を去り、警察の指揮官を夜の闇の中に呆然と残した。


第4章:宇宙ステーション・トゥデク――星々の舞

家に足を踏み入れた瞬間、ヒーロとサトウの目に飛び込んできたのは荒廃した光景だった。玄関のドアは破壊され、家具は粉々に砕け散っている。ナツミが床に崩れ落ち、息も絶え絶えで、全身に血の滲む傷を負っていた。

ヒーロは駆け寄り、彼女の肩を強く掴み、目に血走りながら言った。

「奴らは妹をどこへ連れて行った!? 早く言え!」

ナツミは苦しげに目を細め、大量の血を吐き、途切れ途切れに答えた。「……トゥデク宇宙ステーション……奴らは……私を使って伝言を……誘拐を……」

ヒーロは一言も発せず、すぐにガレージの倉庫に駆け込んだ。短い数分間、金属がぶつかり合う音が激しく響いた後、彼は氷のように冷たい顔で出てきた。拳を握りしめ、一人で車を飛ばして助けに行こうとした。

その時、サトウはナツミの応急処置を終えていた。かつての敵だった少女の致命傷を見て、若い巡査部長はおそらく許すことを選んだのだろう。ヒーロが怒りに任せて飛び出そうとするのを見て、サトウはすぐに立ち上がり、両手を広げて止めた。

「待て、ヒーロ! お前、狂ったのか!? 明らかに罠だぞ!」

「罠だと分かってる!」ヒーロは咆哮し、その圧力にサトウは思わず足を止めた。「でも妹は自分では逃げられない! あいつは俺がこの世で唯一残った肉親なんだ……他の家族は全部、あのクソ宇宙生物どもに殺されたんだ!」

ヒーロの目に宿る痛みと極限の決意を見て、サトウは歯を食いしばり、手を下ろして頷いた。

「分かった。俺も行く。」

ヒーロは口元を僅かに歪め、傲然としながらもどこか信頼を含んだ笑みを浮かべた。「その時お前が死んでも、俺は構わないからな。」

「まずは自分の心配をしろ!」

トゥデク宇宙ステーション。軌道上にある外宇宙側の冷たく重圧に満ちた基地。

ユカとユイは大広間の中央で固く縛られていた。宇宙船のハッチからヒーロとサトウの姿が現れた瞬間、ユカは泣き出して大声で呼んだ。

「兄さん!!」

「ユカ、無事か!?」ヒーロは進み出ると、上に立つ二人の最高指揮官――マーズとジュピターに目を据え、怒鳴った。「この野郎ども、妹を離せ!」

マーズとジュピターは顔を見合わせ、勝ち誇った奸計の笑みを浮かべた。マーズが進み出て、肩をすくめながら条件を出した。

「いいだろう。公平にいこうか? 二人の変身装置をこっちに投げろ。」

「狂ったのか、ヒーロ!?」サトウはすぐにヒーロの腕を掴み、慌てて囁いた。「それは俺たちが奴らに勝てる唯一の手段だぞ!」

「渡せ!!」ヒーロは大声で命じ、目に迷いの色は一切なかった。彼にとって技術は作り直せるが、妹の命は二度と戻らない。

ユカは兄が自分のために屈するのを見て、無力感の中で嗚咽した。「兄さん……やめて……」

サトウは歯ぎしりが聞こえるほど食いしばった。結局彼は理解し、受け入れ、ヒーロと共にサン・チェンジとスカイ・チェンジの二つの装置を床に投げた。

ジュピターが足で二つの装置を自分の方へ蹴り寄せ、周囲の部下を睨んで冷酷な声で命じた。

「よくやった。お前ら、出てきてこの二人を半殺しにしてやれ!」

凶暴な宇宙生物の一団が飢えた狼の群れのように飛びかかった。装甲のないヒーロとサトウは生身の体で必死に抵抗した。容赦なく殴られ、金属の床に血が飛び散るが、二人は歯を食いしばって耐え、一言も呻かず、自らの体を盾にして二人の少女の方向を守った。

二人の反抗者が血だまりに倒れたのを確認してから、マーズは手を振って部下にユイとユカを返すよう指示した。

サトウは体を起こし、胸を押さえながら奴らの背中を睨んで吐き捨てた。「クソどもが……」

マーズは振り返りもせず、通信機を起動し、上機嫌で上司に報告した。「報告します、任務完了。サン・チェンジとスカイ・チェンジの変身装置を回収しました。」

奴らは勝ち誇った笑みを浮かべて大広間を出ていき、四人を静かな空間に残した。ユカは傷だらけのヒーロに飛びつき、むせび泣いた。「兄さん……うっ……ごめんね……」

「もう泣くな。」ヒーロは血塗れの手を震わせながら、優しく妹の頭を撫でた。彼は小さく微笑み、上着のポケットからこの一ヶ月で密かに作っていた全く新しい二つの変身装置を取り出し、ユイとユカの手に置いた。「これを持て。」

「これはスターズ・チェンジとムーン・チェンジだ。今度は……俺を守ってくれ、ユカ。」

ユカは手の中の輝く金属を呆然と見つめた。彼女は手で涙を拭い、今までにない確固たる目をした。「うん! 今度は、私が兄さんを守る!」

二人の少女は同時に立ち上がり、声を揃えて装置を起動した。

「星の戦士――起動!」

「月の戦士――起動!」

ドーン!!!

二つの星々のエネルギーが爆発した。ユカは輝く青緑の星の戦士の装甲をまとい、最新鋭の射撃用エネルギーコアを備えていた。

一方、ユイは穏やかでありながら神秘的な銀の光輪を纏う月の戦士に変身した。

異変に気づいたマーズとジュピターが恐怖に顔を歪めて振り返った。「何だと!? まだ変身装置があるのか!?」

奴らが対応する間もなく、星の戦士(ユカ)は両手を上げ、肩と腕のエネルギー銃が一斉に標的をロックした。超強力な遠距離射撃能力で、彼女は連続光子弾の嵐を浴びせた。

ドォン! ドォン! ドォン!

凄まじい破壊力が大広間を吹き飛ばし、マーズとジュピターは悲鳴を上げる暇もなく光弾に撃ち砕かれ、塵と化した。

同時に、月の戦士(ユイ)が両手を広げ、月明かりのような柔らかな光がヒーロとサトウを包み込んだ。奇跡が起き、二人の体中に散らばる傷が驚異的な速さで癒え、内部の激しい損傷さえ完全に消えた。

ユカは素早く駆け寄り、敵の灰の中からサン・チェンジとスカイ・チェンジの二つの装置を拾い、兄とサトウに渡した。

サトウは治った肩を動かしながら驚いてヒーロを見た。「この二つの装甲の力はどういうものなんだ?」

ヒーロは自分の装置を受け取り、立ち上がって説明した。「俺の太陽の戦士は速戦即決型だ。お前の天空の戦士は近接戦の戦神で、圧力による一騎打ちが得意。星の戦士は今見た通りの破壊的な射撃能力を持つ。そして最後に、月の戦士は最高の回復能力を司る。」

ユイは自分の両手を見下ろし、少し不満げに尋ねた。「じゃあ……私には直接戦う力はないってことですか、ヒーロさん?」

ヒーロは彼女の額を軽くコツンと叩き、笑った。「そんなわけないだろ。お前の力は『望むものの力』だ。速度が欲しければ速度を、超怪力が欲しければ超怪力を得られる。近接から射撃まで、何でも使って戦える……ただ一つだけ、あまりに汎用的すぎるから、お前の戦闘力はみんなの半分だ。」

サトウは崩壊し始めた宇宙ステーションの周囲を見回し、声を上げた。「片付いたな、帰ろう。家には……ユイの力が必要な人がいる。」

それを聞いてユカとユイははっとナツミの姉さんのことを思い出した。あの女性は命を顧みず、二人の少女を守るために宇宙生物からの致死級の攻撃を受け止めたのだ。もし怪物どもがヒーロをおびき寄せるための生きた伝言役を必要としなければ、ナツミの命はもうなかっただろう。

四人の戦士は顔を見合わせ、すぐに宇宙船を起動し、地球へと急降下した。


第5章:古寺に潜む罠と父親の真実

家に戻ると、月の戦士――ユイはすぐに最高の回復エネルギーを発動した。月明かりのような柔らかな光がナツミを包み込み、裂けた傷を奇跡的に癒し、彼女の生気を回復させた。ナツミが命を顧みず二人の少女を守った姿を目の当たりにし、サトウ、ユイ、ユカの心に残っていた疑念と恨みは完全に消え去った。彼らは正式に心を開き、彼女を許した。

意識を取り戻した直後、ナツミはヒーロの厳しい視線に出会った。彼は単刀直入に尋ねた。

「次の拠点はどこだ?」

ナツミは苦しげに体を起こし、真面目に答えた。「山奥に隠れた古い寺の中です。」

サトウは腕を組み、沈思した。「意外だな。あんな清浄な場所が怪物の巣だとは?」

「じゃあ……あそこの僧侶たちも宇宙生物の化けた姿なんですか、姉さん?」ユイが心配そうに尋ねた。

ナツミは小さく頷いた。「そうです。あそこ全体が奴らに支配されています。」

翌朝、緊迫した襲撃の雰囲気とは対照的に、皆はキャンプの準備を万端に整えた。選ばれた場所は風光明媚な湖畔に隣接する原始的な森で、湖の向こう岸には古寺が建つ山がそびえていた。

サトウはテントやアウトドア用品の山を見て、友人の考えが全く理解できなかった。「こんな時になぜこんなことをしてるんだ?」

ヒーロは平然と焼き網の牛肉を返し、海産物と肉の香ばしい匂いが立ち上った。「焦るな。あの古寺は確実に罠だらけで、我々を自ら網に飛び込ませようとしている。まずはのんびり観察しよう。」

ユカは隣に座り、美味しい焼き肉を口に運びながら目を細めて褒めた。「さすが私の兄さんだね。いつも丁寧で計算が綿密!」

ユイはヒーロの冷たい外見の裏にある思いを見抜き、サトウに小声で微笑みながら言った。「本当は、大きな戦いに入る前に妹さんを少しでも思い切り楽しませてあげたいだけなんでしょうね。」

ヒーロは答えず、聞こえていないふりをして肉を焼き続けた。ちょうどその時、ナツミが湖畔から走って戻り、釣れた大きな魚を得意げに見せた。嵐のさなかの稀有な穏やかなひとときだった。

夕暮れが訪れると、一行は山へと移動を始めた。古寺の周囲には多くの凶暴な野犬が飼われており、見知らぬ人影を見るだけで森全体に響くほど吠えたてる。犬は忠実な動物だと言われるが、その忠実さにも時に代償がある。ヒーロのグループは予め大量の美味しい餌を用意して撒いた。野犬たちはすぐに引き寄せられ、尻尾を振って貪り食い、警報の吠え声を忘れた。一行は静かに寺の門をくぐることに成功した。

ナツミの警告通り、内部への道には精巧な罠が天羅地網のように張り巡らされていた。しかしヒーロの知性と天才的な頭脳の前では、その罠は子供の遊び程度だった。彼はポケットから自ら作ったミニ猫ロボットを取り出した。本物の猫を完璧に模した柔軟さと素早さで、この小さな機械たちは隙間をすり抜け、宇宙生物の致死的な罠を全て起動・無力化し、一切の損害を受けなかった。

しかし、解除された罠の奥に隠されていた光景を目の当たりにしたサトウは、突然激昂した。近くの古木の幹を強く殴りつけた。

「クソ野郎どもめ! 本当に残酷だ、全部人間を根絶やしにするための罠ばかりだ!」

なぜなら、落とし穴の杭や機械式の斬撃装置の下に、ここに迷い込んだ無実の犠牲者たちの干からびた骸骨が、怨念を帯びて転がっていたからだ。

サトウは歯を食いしばり、憎悪の炎を目に宿した。「俺は誓う、この宇宙生物どもを地球から一掃してやる!」

本堂の奥に進むと、三人の僧侶が酒肉を散らかして飲み食いしており、修行者の面影は全くなかった。

ユカは躊躇なく大きな塩の塊を掴み、奴らに向かって強く投げつけ、大声で叫んだ。「正体を見せろ、宇宙生物の怪物ども!」

塩が触れた瞬間、三人の僧侶は不快そうに悲鳴を上げた。体が痙攣し、人間の皮膚が剥がれ落ち、三人の上級指揮官の醜悪な姿が露わになった。サターン、ウラヌス、ネプチューンだ。

一瞬の遅れもなく、四つの変身装置が一斉に輝いた。

「速戦即決――太陽の戦士!」―ヒーロが先陣を切って飛び出した。

「近接戦の戦神――天空の戦士!」―サトウが咆哮した。

「射撃の戦神――星の戦士!」―ユカが遠距離兵器を構えた。

「魔法系の戦神――月の戦士!」―ユイが支援の陣を展開した。

激しい戦いが爆発した。四人の戦士の完璧な連携と圧倒的な力により、サターンとウラヌスは完全に抑え込まれ、瞬く間に消滅して最初の光の塵となった。

ネプチューンは重傷を負い、四人の固い包囲網に閉じ込められた。サトウはエネルギー剣を彼の喉元に突きつけ、怒鳴った。

「言え! お前らの最高指導者はどこに隠れている!?」

ネプチューンは劣勢でありながらも狂気じみた嘲笑いを上げた。「ハハッ……奴はちょうどお前の父親の家の中にいるんだぞ、馬鹿め!」

「何だと!?」サトウは足を止め、茫然とした。

「お前の父親は……実のところ哀れな操り人形に過ぎない!」ネプチューンは息を切らしながら残酷な真実を吐き出した。「組織のあらゆる決定、あらゆる絶滅計画は全て、我々の真の指導者プルートが操り、強制しているんだ!」

「クソどもが!!」

怒りが頂点に達し、サトウは剣を振るって空気を切り裂き、ネプチューンがこれ以上の侮辱を吐き出す前に体を両断した。最後の指揮官は倒れ、緑色の灰と化した。

ナツミがサトウに近づき、後悔と哀れみの色を目に浮かべた。「つまり……あなたの父親は、あのプルートに人質にされて組織を操られていたんですね……サトウ、ごめんなさい。今まで、あなたの父親が本当の最終ボスだと思っていました。」


第6章:最終決戦後の夜明け

真実を知ったサトウは、傷ついた野獣のように狂ったように飛び出し、父親の私設軍事企業へ一直線に走ろうとした。

「待て! 刺激するな!」ヒーロが駆け寄り、サトウの腕を振り払って怒鳴った。

「離せ! 父さんがいつ死ぬか分からないんだ!」サトウは顔を真っ赤にして怒り、ヒーロに向かって拳を振り上げようとした。

「彼がまだ生きていることを幸運に思え!」ヒーロの目は冷たく鋭く、サトウの怒りを完全に圧倒した。「お前の父親はまだ宇宙生物どもに殺されて化け替えられてはいない。だが今このまま熱くなった頭で行動を続ければ、奴らは即座に彼を殺し、その姿を借りて数百万の無辜の民を巻き込む破壊的な戦争を始めるぞ! そんなことを望むのか!?」

二人の男は荒れた森の中で息を荒げ、死闘にでも突入しそうな勢いで睨み合った。後ろに立つナツミ、ユイ、ユカはただ黙って息を潜め、空間を圧する息苦しい圧力を見守るしかなかった。ついにサトウは徐々に拳を下ろし、歯を食いしばってヒーロの計画を受け入れた。

目立たずに私設軍事企業の本部に潜入するため、五人は清掃員に変装し、ゴミ収集車を押しながら工場の奥深くへと進んだ。

サトウは驚いた。どの建物の設計図にも存在しない、深い地下へ続く秘密の通路を発見したのだ。一行は降りていくことにした。目に飛び込んできたのは巨大で冷たい実験室で、光る液体で満たされた数百のカプセル型培養槽が並んでいた。中には目を閉じた人間の形をした体が浮かんでいた。誘拐された本物の人間なのか、それともクローンを待つ宇宙生物なのか。誰にも答えは出せなかった。

「この忌々しい場所を全部破壊しなきゃならん!」サトウは拳を握りしめた。

ヒーロは周囲の構造をちらりと見て、眉を上げて尋ねた。「本気か? ここを壊せば、お前の父親の会社全体が完全に崩壊することになるぞ。」

サトウは冷笑し、目に確固たる光を宿した。「この財産はもう汚れている。やれ、ぶちかませ!」

四つの変身装置が一斉に起動し、四色の光輪が爆発して地下室の闇を払った。掃討が始まった。彼らは溢れ出す宇宙生物の兵士を阻止しながら、実験装置を容赦なく破壊していった。

天空の戦士(サトウ)は鋭いエネルギー刀を振り回し、鉄を泥のように切り裂いてカプセルを両断した。星の戦士(ユカ)は体中に統合された重火器から光子弾を連続で放ち、構造機械の列を一掃した。月の戦士(ユイ)は魔法の杖を振り、大きな圧力を帯びたエネルギー球を放って中央制御盤を粉砕した。一方、太陽の戦士(ヒーロ)は徒手空拳で戦いながらも、一発一発の拳に溶岩のような巨大な熱量を放ち、あらゆる障害を焼き尽くした。

「大胆な虫けらどもめ!」

低く鈍い声が、恐るべき圧力を伴って最高司令室から響いた。プルート――宇宙生物側の真の指導者――が正式に姿を現した。彼は余計な言葉を一切発せず、空間を切り裂く速度で四人の位置へと一直線に突っ込んできた。

最終決戦が本当に爆発した。四人の戦士は全力を尽くし、最高の連携コンボを繰り出した。炎を纏った拳、風を裂く刀筋、光子弾の嵐、魔法の球体が次々とプルートの正面を直撃した。彼は全ての必殺技を浴び、体は砕け散っては自動的に再生し、その場で死んでは蘇った。

しかし、蘇るたびに強くなるといった使い古されたパターンではなかった。プルートの力は変わらず、ただ不正な不死の能力を持っているだけだった。

プルートは勝ち誇った笑みを浮かべ、力の尽き始めている四人を傲慢に見下ろした。「絶望的な真実を教えてやろう。そうだ、俺を殺せば地球上の全ての宇宙人は即座に消滅する……だが……この惑星に俺の部下が一人でも残っている限り、俺は決して死なない! ハハッハッハ!」

「傲慢にも程がある。」

指導者の狂気じみた笑い声の中で、ヒーロは突然太陽の装甲を解除した。彼は平然と上着のポケットから、黄金一色に輝く最新の装置――長く隠してきた秘密兵器――を取り出した。

「これがゴッド・チェンジだ。脚力と跳躍力を最大限に強化する究極の装置。これでお前を太陽まで蹴り飛ばしてやる。」

ヒーロが起動しようとした瞬間、後ろから人影が飛び出し、彼の手からゴッド・チェンジを奪い取った。ナツミだ!

彼女は一瞬の迷いもなく起動ボタンを押した。神聖な装甲が瞬時に彼女の体を包み、恐るべき神々しい圧力を放った。誰も反応する間もなく、ナツミは目覚めたばかりの全エネルギーを両脚に集中し、空間を切り裂く速度で飛び出した。彼女は強烈なキックをプルートの胸に叩き込み、最終ボスを抱え込んだまま大気圏の外へ、燃え盛る太陽へと一直線に突っ込んでいった。

ドーン!!!

衝突が凄まじい反動を生み、コンクリートの天井を粉砕した。眩い光の筋となって、ナツミは指導者を強く抱きかかえ、燃え上がる太陽に向かって大気圏の外へ飛び去った。

ヒーロは地上で天井の穴を見上げ、不満そうに舌打ちした。「どうして誰も彼も俺の英雄役を奪いたがるんだ!?」

言い終わるや否や、彼は再び太陽の戦士を起動し、地面を蹴って空気を切り裂き、光の速度でその光の筋を追った。

広大で冷たい宇宙空間の中で、ヒーロはナツミが危険領域に触れる直前にゴッド・チェンジの装甲に追いついた。彼は手を伸ばして強引にナツミの装甲を解除し、彼女を強く抱きかかえて反動を利用して体を回転させ、地球へと戻った。一方、指導者プルートは先ほどの破壊的なキックの慣性で、無力なまま太陽の核へと突っ込み、地球上の全ての外宇宙種族の消滅と共に完全に焼き尽くされた。

ドスン。

ヒーロは瓦礫の地面に、ナツミを姫抱っこした姿勢で着地した。彼は彼女を優しく下ろし、淡々と言った。「死んで済むと思うな。生き続けて、自分の過ちを償え。」

ユイとユカがすぐに駆け寄り、ナツミに飛びついてむせび泣いた。

「バカ! 私たちはずっと前からお姉ちゃんを許してたのに!」ユイの声は嗚咽で詰まった。

ユカは頬の涙を乱暴に拭い、叫んだ。「お姉ちゃんを失ったらすごく悲しいよ!」

ヒーロは立ち上がり、瓦礫の周囲を見回して眉をひそめた。「サトウはどこだ?」

「彼は……お父さんを助けに行ったんです!」ユイがはっと思い出し、炎に包まれて崩壊しつつある本館を指さした。

ヒーロはため息をつき、再び太陽の戦士の光速度で体を輝かせ、火の海へと飛び込んだ。ほんの一瞬で、最高速度のおかげで彼は灰色の煙の中から現れ、両手で二人――サトウと気絶した父親――を支え、軍事企業の大爆発から無事に脱出した。

五人が瓦礫の中に全員揃った時、ヒーロは中心に立ち、非常に真面目な顔をした。最後に、このループを閉じるために必ずやらなければならない最も重要なことがあった。「過去のヒーロ」にサン・チェンジを送ることだ。それは最も構造が単純で作りやすい装置であり、過去の自分がそれを基に技術を遡り、スカイ・チェンジやムーン・チェンジ、スターズ・チェンジなどの他の変身具を作り出せるようにするためだった。

ヒーロが真ん中に立ち、サトウ、ナツミ、ユイ、ユカの四人が大きな円を描いて囲んだ。四人の変身装置が一斉に眩く輝き、エネルギーが共鳴して巨大な光輪を生み、空間を引き裂いて深い時間の門を開いた。

ヒーロは手の中のサン・チェンジと、自ら書いた手紙を見た。彼は躊躇なく、全てを空間の門の中心に強く投げ込んだ。

物体が消え、時間の門が徐々に閉じた瞬間、奇妙な現象が起きた。全員の手元に残っていた変身装置が一斉に輝く光の粒子となって空中に完全に消え去った。戦士たちの時代は正式に終わりを告げ、地球本来の平和に道を譲った。

二週間後、国際空港。

その日の空は澄み切った青一色だった。ヒーロは待合ロビーの前に立ち、静かに相棒を見送っていた。サトウは重い心的外傷を負った両親をアメリカで心理治療を受けさせるため連れて行くことを決め、おそらくそのまま移住するつもりだった。

ヒーロは手を差し出し、珍しく笑顔を浮かべた。「また会おう。」

サトウは彼の手を強く握り、頷いた。「ああ、必ずな。」

サトウは振り返り、徐々に回復しつつある父親の車椅子を押し、搭乗口へと向かった。母親が静かに傍らを歩き、顔から憂いの色が少し薄れていた。係員が最終チケットチェックを終えた後、三人はゆっくりと搭乗橋へと進んでいった。ヒーロはその場に立ち尽くし、自動ドアの向こうに完全に姿が見えなくなるまで友人の背中を見送った。

嵐に満ちた二ヶ月の夏もついに過ぎ去り、穏やかな新学期の日々が訪れた。ユイとユカ、まだ15歳の二人の少女は、普通の中学3年生として正式に学校へ戻った。

ナツミは、ヒーロ兄妹の家に残ることを決めた。

陽光の差し込む小さなキッチンで、ナツミは鼻歌を口ずさみながら夕食の準備に集中していた。ヒーロとユイという二人のベテラン「料理長」の丁寧な指導の下、かつてのスパイの料理の腕も今や極めて優秀と言えるほどになっていた。

香ばしい料理の匂いが家中に広がり、本当の穏やかな生活が始まったことを告げていた。

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