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フレグランス
ストールが触れた
あの日だって
最終列車乗り込めば
希望的観測
あれもこれも
求め過ぎた先が
これなんだけど
机の縁に入れておいた
言葉を
もう一度持ち歩きたい
サングラス
似合わないジャケットを
君に茶化されてく
目まぐるしく変わる
フレグランス
君を覚えている
期待でお応え出来ず
伴わないでいる
都内某所の
隠れ家的な
カフェで待ち合わせた
著名人すら
足繁く
通うなんて
言われているけど
勿体ぶらず膨らませない
言葉を
今まさに届けてみたい
落ちていく
矛盾なく落ちていく
今君に落ちている
底にも君が居る
フレグランス
君だけを覚えている
汗ばんで震えている
君を忘れずにいる




