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第9話 ハルモニア領主とセフィール家

 ゲルダーの奥さんの治療をする為に、雅史はパウエルと共に集合住宅のセフィール家に向かうのだった、冒険者ギルドにカードを忘れたままで。

 



 ハルモニア冒険者ギルドから出て、急ぎ足で大通りを通過しスペイン情緒溢れる集合住宅地にやって来た、まあスペインではなく異世界のハルモニアだけど、その集合住宅の一角でキョロキョロと困ってる少女が居た。


「お父さん!?」

「ルイーズ!」


 だいだい十代前前後の少女が、ゲルダーさんを見て泣きそうな顔でゲルダーに抱き付いた。


「お父さん………フィーネお姉ちゃんが、私の制止を振り切って……」

「まさか………料理を作った……のか?」

「うん」

「あちゃ~」

「パウエル急ぐぞ」

「兄ちゃん、覚悟してくれ………料理の見た目にな………」

「え″っ!?」


 何の覚悟だよ、嫌な予感しかしないよ、私はゲルダーさんが娘さんをだっこし、険しい顔で何か不思議な匂いがする二階に向かった、何故か階段の踊場で膝を抱えた栗毛のミディアムの髪型の少女が居た。


「お父さんごめんなさい………ごめんなさい………ユウナお姉ちゃんごめんなさい……」


 何か懺悔の様に言葉を紡ぐ少女、まあ中学生位の年齢に見えるその子は、何故かウグイス色の異国情緒溢れるワンピース姿に、普通にエプロンをしてるが………何故か少女の近くには、この世の物とは思えない鍋の中身とタールの様な粘りと気泡が見える、たまに何処かの門の向こう側から来た様な、ハニワ型の禍々しい物が現れるが。


「………アレは錬成か何か失敗した物ですか? パウエルギルマス」

「言っただろ、覚悟してくれとな」

「………アレは料理に見えませんよ、パウエルギルマス」

「そんなぁ~初対面の人に私は、ボロクソ言われました」

「女の子がボロクソと言うな!」

「俺かお母さんが見てる以外で、料理するなとあれ程言ったよな、フィーネ!」

「ゴメンナサイ、お父さん………」


 私は溜め息をすると、怒りに引き吊った顔のゲルダーさんに案内されながら、奥さんが眠る夫婦の寝室に向かった………寝室には、黒い液体に溶けるカーペット………カーペットて料理で溶けるとは聞いた事がない、スライムとかが出す溶解液みたいだな、元は食材だった物をどうやって錬成したんだ?


「………冒険者は見た、謎の狂気料理殺人事件」

「………まだ妻を殺さないでくれ」

「………誰かは知りませんが、殺さないで!」


 夫婦にクレームが来たので、先ずは危険物をバケツに吐き出させ、良く内蔵や歯が溶けなかったな………バケツの底が溶けて来てるよ、普通にこの母親も化物かも知れないな。


「一応先に断っときますが、私は医者ではないので宜しくお願いしますね」

「ネフィル、コイツはロスト魔法の使い手らしい、もしかしたらユウナ嬢ちゃんには悪いが、治療が出来ると俺が思ったとだけ思ってくれ」


 やつれた顔で女性……ネフィルさんは言う。


「もし治らなくても、彼は悪くないわ……パウエルのせいね」

「俺のせいにするな! 旦那のゲルダーにしろよ」

「何で俺なんだよ! パウエル」

「仲間のだろ」

「昔の冒険者時代のな腐れ縁だ」

「懐かしいわね、キャスビルやハウゼンは無理だけど最後に三人で、旅に行きたいわね」

「……人生の最後の様に言わないでくれ、ネフィル………今死んだらフィーネが……」

「………だろうな」


 パウエルはフィーネを見て、今ネフィルが死んだらフィーネは親殺しの罪で終身刑の奴隷堕ち、悪ければ娼婦や犯罪者の肉壁の慰み要員として、人生を終わる可能性がある。

 因みにモンスター討伐による、肉体以外武器がない犯罪者奴隷が肉壁と呼ばれ、その死に際前の慰み要員は、行為中に殺される可能性が高い為、死刑に相当する女性や美少年等その趣味に合わせた最後の恩情だ、死ぬ前の差し入れに近い。


「まあ先に此を飲んで下さい」

「此は?」

「まあ気休めの美味しい水です」


 まあ本当は酒泉の神酒だけどね。


「……美味しい………久々にお酒が飲めたわ」

「…………おい」

「………兄ちゃん、真面目にやってくれ」

「………でも何故か身体の痛みが少し引いたわ、不思議に気分も良い」

「「マジか!?」」


 そんな効果は神酒に無かった様な、あの黒いのは邪悪な何かだったのだろうか?


「……あの子もしかして、ヤバい魔物を産み出す錬金術師か?」

「ちがうよ~お父さんと一緒に、解体の仕事をしてるよ!」


 涙目で雅史に訴えるフィーネ、だが否定が出来ない大人達。


「……………(否定は出来ないな)」

「……………(我が娘だが、否定はできん)」

「……………(毎回謎なのよね、途中まで良い美味しそうな香りがするのに)」


 三人の顔に冷や汗が流れた、因みに香りは良くても中身は混沌に成ってたりする。


「お姉ちゃんはもう、料理は禁止!」

「そんなぁ~でも、次回は成功するはずだよルイーズ」

「酢や砂糖とか、お姉ちゃんが使った後は減りがおかしいんだよ!」

「私は決められた調理法に縛られない女、ユウナお姉ちゃんの様に何時か凄い料理を作ってみせる」


 ああ………こりゃあダメだ……私は、ゲルダーさんの肩を軽く叩き。


「御愁傷様………アレはもう手遅れだ」

「………まだ引き返す事は出来る筈だ、まだ嫁入り前の可愛い娘何だ」


 ゲルダは涙を流す、料理の腕前が例え絶望だとしても、父親としては一部の可能性がある事を願いたかった。


「まだフィーネは十三歳よ、まだ料理を普通を教えれば……」


 私は真面目な顔で、宣告した。


「色々手遅れです。 色々もう末期です」

「そんなぁ~」


 娘が末期の病状を言われた様に、泣くネフィル。


「此ではフィーネの嫁の貰い手が……」


 絶望にくれるゲルダー、そしてフィーネは言う。


「私はユウナお姉ちゃんのお嫁に成るから、問題ないよ」


 雅史はそれを聞き、ネフィル達に真面目な顔で言う。


「御愁傷様です」

「私の可愛いフィーネが……フィーネが……」

「何てこった、フィーネがもう色々末期なんて………」


 絶望にくれる夫婦二人。


「まあ前からだろ、二人共よ………」


 パウエルは呆れながら言うのだった。


「私は悪い事してないもん!」


 フィーネは走って、何処かには行けなかった。


「痛!?」

「まあ一応結界張ったから、あとゲルダーさん………奥さんの病名ですが、末期癌手前の危険な状態みたいです」

 〈長く話を伸ばして貰ったおかげで、調査は完了しましたが内臓当たりが特に深刻です、でもライフリヴァイヴァなら問題なく完治範囲と確信しましたよ、途中経過を見守る必要は在りますが〉


 クレアのが居て助かる、私は万能カバンから回復飲み物を出して、私は全員の了承を取る。


「治療に異議のある方は、挙手を………」

「俺はないぜ、言い出しっぺだからな」

「俺もだ、ネフィルとまだこの先も共に生きて行きたい、年老いてルイーズが孫を連れてくるまで」

「私もよ……ゲルダー」

「私もお母さんに色々料理を習いたい」

「私だって」

「「「フィーネは料理禁止!」」」

「お姉ちゃんは料理禁止!」

「そんなぁ~ パウエルオジサンまで」


 こうして了承を受け、私は魔法を発動するが、ゲルダーさんにネフィルさん、フィーネちゃんに孫を期待してなくない、まあ私には関係ないが………さて始めよう。


「生命の炎よ、輝きし癒しと生命の炎の化身よ、我が前に横たわりし傷付き倒れし者に、生命の息吹を今一度与えたまえ………ライフリヴァイヴァ!!」


 詠唱が終わるとネフィルの身体から、青い炎の鳥が現れネフィルの身体を炎で焼くが、ネフィルは何故か熱くも痛くもましてや、ネグリジェすら燃えてない不思議と数年振りに痛みを忘れた肉体を取り戻した、そして火の鳥は天井を突き抜け消えて行った。


「………痛くない…………痛くないわ………まったく身体が、ロスト魔法の人………ありがとう」

「ありがとうよ、兄ちゃん」

「ありがとう、ネフィルとフィーネを失わずに済んだ」

「…………何か今、さらっと私がピンチだったと聞こえた様な」


 フィーネは嬉しい反面、父の言葉の意味が分からず困惑した、後に祐奈にその意味を教えられた時、フィーネは絶望し危うく母親殺しの罪になる所と知り、祐奈や両親に書き置きを残し一人何処かに旅立った、半日でゴブルリンに誘拐されそうな所を、とある怪盗に救われそしてフィーネはとある冒険者達のモンスター解体の仲間に成る、因みにルリスティーナが仲間の一人の若手冒険者チーム、青き風は余り有名には成らないパーティーだったりする。


「それじゃあ、冒険者ランクを上げに行くぞ」

「………アッ!? 忘れてた」

「忘れてたのかよ!」


 私はパウエルギルマスと冒険者ギルドに戻り、騒ぎに成る事もなく素材を売った税金差し引きされた金額の、28,6301アイリスを手に入れた。


「冒険者ランクは、本当ならCランクにしたかったが、ユウナ嬢ちゃんみたいな魔物を大量に狩って来た訳ではないから、済まないがEランクまでしか出来なかった、ネフィルの事を表に出来んからな、良からぬ事を考える奴は……この国にも居るからな」


 何故か最後は溜め息混じりだったが、まあそんな人間にホイホイされる程私は安くはないよ。


 バタン!!


 勢い良く、ギルドマスターの部屋の扉が開き、一人の見た目人が良さそうな貴族がそこには居た。


「パウエルは居るか!」

「よう、ハウゼンなんだ?」

「………頼みがある、ネフィルを治療した冒険者に、俺の悩みを解決して貰いたい」

「………」

「………」


 一瞬の雅史とパウエルの静寂の間、そして深刻そうな顔をするハルモニア領主のハウゼン。


「領主様の悩みて?」

「聞かない方が後の為だぞ」

「………ではマサシさん、冒険者カードの更新が終わりました、私なら何時でも貴方の誘いなら受けますよ………期待してますね」

「…………冗談だよね?」

「来たら分かりますよ、私は貴方になら………ね(未来の私の優良旦那様候補確保よ、沢山稼いでくれそうな予感)」


 何か小悪魔な笑みを私にしてから、ギルドマスターの部屋を出て行った、まだ明るいのにお盛んな事で…………私が誘われたのかよ!

 まあ考えとこ………私はパウエルギルマスに、笑顔で手を振りに……退室をしようとしたら、何か中世フランスの貴族の様な後ろ髪を結った赤毛のイケオジが立ち塞がる。


「君だな、ネフィルを救ってくれたのは」

「……ネフィルさんが最後に仲間と旅をしたいから、外れてた人その一ですね」

「……兄ちゃん、言い方言い方……」

「何か私は、無性に悲しくなって来たんだが………」


 一応、パウエルギルマスに聞く。


「冒険者て、お悩み解決も仕事ですか?」

「俺に聞くなよ!」

「ですよねぇ~」

「………いやだってな、ネフィルの病気を治した医者みたいなもんだろ?」

「元駆け出しの、Eランクに成ったばかりの冒険者です」

「兄ちゃんは、ロスト魔法の使い手の冒険者だぞ」

「………ロスト魔法だと!? ゲルダーはそんな事言ってなかったぞ? ゲルダーが喜びながら「ネフィルが病気を完全回復したから、キャスビルに連絡宜しく」とか言ってたから、妻達と話を聞いてもしかしたら、期限が迫ってる私のキャスビルから課せられた特別義務が果たせなく成る」

「完全回復はしてませんよ、途中経過見ないと病気感知か何て分からないですよ、そんなに簡単な病気ではないので」

「兄ちゃんの言う通りだな、あんなに長く病気してたんだ……て、ゲルダー達に言って無かったけどな兄ちゃん」


 まあ私でなくとも誰かそれを指摘するだろう、あと分かってるならゲルダさんに言ってよ、あとこの領主さん絶望しながら熱弁するが、ゲルダーさん………仲間に教えたい程嬉しかったのは良いが、回復したからって奥さんの近くに居る訳でも、職場に戻る訳でもなく元冒険者仲間の領主に報告に行くのかよ!


「ああ、二人妻を娶る特別待遇のアレか、確か双子の息子は生まれて直ぐに亡くなったな、姉の方は辛うじて息を吹き替えして、今王都だよな………確かエルリーナちゃんだっけ?」

「ああ、あの娘だけでも生きてくれて嬉しかったが、だがキャスビルは最低男子二人と女子一人か男子一人の後を継げる才能の女児二人だ、エルリーナ以降妻の妊娠が途絶えている」


 パウエルはハウゼンの二人の妻とは面識は在る、パウエルは二人には問題はないがハウゼンに問題が在ると思ってる、ハウゼンは学園時代に年上女性にモテ色々不倫問題が起きたが、奥さんが誘ったりや学生だったのが許されおとがめは無かったが、危うくハルモニアの領主に成る人格者失格に追い込まれたが、当時の親友の王子だったキャスビルの怒りの鉄拳等のおかげで真面目に成った、経緯がある為色々と制約がある。


 元々ハウゼンは年上好きだったが、とある上級生女子生徒貴族にそそのかされなければ、普通の年上女性が好きな貴族坊やだったりする、因みにその上級生の女子生徒の実家は後に一家離散し、貴族としての信用を娘に台無しにされた。

 その貴族の娘は、今や転落人生でハウゼンを逆恨みをして居た、だがその女が仕込んだハウゼンのとある行動が、自分の首を締めそしてその女の復讐とハウゼンは恐れて居た。


「私は誰かに、呪いを掛けられてそうなんだ」

「………私は神官ではないですよ」

「………だな」

「パウエルは私の味方だろう」

「昔のオイタを思うとな、ハウゼンが自滅してるしか思えない」


 核心を付くパウエルだったが。


「私はあの事件から、心を入れ替え支えてくれた許嫁のローリエと、何時も私を甘やかしてくれるリモングラスに感謝してる位だ」


 何かハーブ的な名前な奥さんだな、まあ一応話だけ聞いてみよう。


「仕方ない話を個別に聞きますが、原因が分かるかは責任は取りませんよ」

「それでも構わない、それに何故か分からないが君は信頼が出来そうだからな」

「それはハウゼン、俺も同意するぜ………何か珍しいタイプの冒険者だからな、この兄ちゃん」

「人を見る眼があるパウエルが言うと、説得力が在るな」

「魔法の奇跡を見たからな、あんな綺麗な青い炎の鳥は絶対に普通では見れんよ」

「そんなに凄いロスト魔法か………ならば、病気だったら頼れそうだ」


 パウエルは真顔で、ハウゼンに言う。


「たぶん病気ではないと思うぜ」

「………何か怒ってないか? パウエル?」

「昔を知ってるよしみで言ってる」

「………まあ病気で無かったらな」


 ハウゼンは病気か呪いと思ってる為、パウエルの言葉を信じられないで居る。


「では早速屋敷に来てくれ」

「馬車とか酔いそうだな」

「ユウナみないな事を言わないでくれ」

「………魔法で飛んで行くので、馬車で誘導して下さい」

「兄ちゃん、大通りの先の大きな丘の上に在る屋敷が、ハウゼンの領主の館だ」

「まあ門番の人と待つかな」

「………ロスト魔法て、空も飛べるのだな」

「………普通に風魔法ですよ」

「え″!?」

「何だと!?」


 この二人うるさい、エアーウイングてもしかして現地人から忘れられた本当のロスト魔法だな、私はハウゼン領主が馬車に乗ったのと同時に飛び、何故か「ユウナ嬢ちゃん以来の変なのが来た」とか、「何の見世物かしら」とか「他国の大道芸かな」とか、メチャ変な事を言われたが私は大道芸人に成った覚えはない。


 そして街の大通りを頼りに、商店街や一般人の居住区から貴族の居住区を抜け、小高い丘の上に立派な三階建ての城に近い屋敷が在り、薔薇の形をした庭園に馬車の家紋にも成ってた、屋敷の門にも在る薔薇の家紋の前に赤い中世位の軍服を着た、ハーバルドを持った兵士が居たので降りて事情を話した。


「君か、ハウゼン様の仲間の命を救ってくれたのは」

「我々からも感謝する、アレでハウゼン様も気にしてたのでな」

「しかも自身はお世継ぎ問題で、前よりも髪を減らしながら悩んでいらっしゃる」

「不憫だよな、ハウゼン様」

「不憫ですよね、ハウゼン様」


 そして馬車が到着と共に開門し、一応門番に更新された冒険者カードを見せると何故か唖然としてた、門を去った後門番の声がした。


「もっとB級以上の、冒険者だと思ったが」

「まさかのE級だったな………」


 うるさいよ門番さんや、私はハウゼン領主に案内され美人の二人の……


「あのすいませんが、一人は何処かの貴族の娘さんで、一人は何処から拐って来たら令嬢ですか?」

「失敬な、二人共に私の妻だ」

「………なん……だと…………」


 私は絶望しながら見ると、一人はホワホワな雰囲気のピンク髪の二十代位のお嬢様に見え、もう一人は十七歳と言われても違和感がない金髪両サイド縦ロールで細目の美少女。


「………嘘だよね」

「………初対面の奴は皆同じことを言う、しかもユウナと同じく君まで誘導して来たのかというのか!」

「いやいや普通に思うよ、領主さんと奥さんの見た目のギャップが違うやろう」

「………皆してそんな事を言う」

「ハウゼン………やつれてるせいで」

「ゼンちゃんは悪くないの、ユウナちゃんがたまに余計な仕事を増やすから」

「それは同意ね、リモングラス」

「だよねローリエお姉様」

「そろそろローリエて呼んでよ、同じハウゼンの妻なんだから………それに私の方が年下なんだけど」

「第一婦人だからお姉様なんだよ、ローリエお姉様」

「四歳も違うのだけど!」

「年齢じゃあ無いんだよ、ローリエお姉様」

「だから私をお姉様て言わないで、本気で泣くわよ!」


 ハウゼン領主の深い溜め息と、賑やかな若作りらしき二人のハウゼン領主の妻、一応ハウゼン領主から話を聞いたが、昔のオイタを反省はしてるが嘘偽り無く二人の妻を愛してるのは、熱弁から理解できた………リア充爆発しろ。


 だが奥さん達はハウゼン領主に対し、夜の営みの話を聞くと生々しく痛そうな話を聞き、まあ十中八九原因は誰が聞いてもハウゼン領主が悪い、パウエルギルマスの言葉は的当たり過ぎる正論だった、奥さんを夜の営みで痛がらせたら駄目だよ。


「結果を話しますね」

「どうなんだ?」

「原因はやはりパウエルギルマスが、正論でしたね」

「なん……だと………」


 絶望の顔をし言うハウゼン領主、私はハウゼン領主の夜の営みの欠点を言った。


「はぁ! それが悪いのか?」

「それは悪いでしょう、奥さんは一人の女性ですよ、そんな乱暴にしたら嫌に決まってますよ」

「おかしいな、昔の経験した女性は皆喜んでたが」

「………知らんがな」


 私はハウゼン領主に頼まれ、奥さん達了承の元で普通の営みを教えた。


「そんなんで良いのか?」

「良い………凄く良かった………ハウゼン」

「うん、ゼンちゃんより良かった………初めて気持ち良かった」

「そうなのか?」

「うん」

「凄いわよ」

「なら私に色々教えてくれ、私は妻達を満足させたいそして、妻達との営みを更に重ねて行きたい」

「………なんで私が教える羽目に………」


 ハウゼンは雅史から、本当の女性の扱いを覚えその数十日後、二人に子が授かったが本当にハウゼンの子かは不明だ、そしてハウゼンはローリエとリモングラスとの息子三人と娘二人を授かったが、それは雅史と出会い翌年の春までの子宝だった、因みに長女エルリーナを入れると、六人姉弟妹に成るのだった。


「私に弟妹が生まれたのは嬉しいけど、多すぎないかな………お父様お母様達………」


 後にエルリーナは運命の出会いをし、旦那様の愛情エルリーナは貴族とは違う生活だが充実し、家族にも恵まれた生活をするのはまだ少し先の話である、その前にエルリーナは人生を一転する出会いをする、違った出会いをするとエルリーナは弟が領主に成る年齢まで結婚を断り、貰い手に苦労する事に成る。


 依頼を終えハウゼン領主に、桃の味がする炭酸泉を渡した、まあ此で任務は完了したし問題もあの炭酸泉の飲み物で解決だ、それにしてもローリエさんはまだ二十代でリモングラスさんは三十代前半、ハウゼン領主はまあ聞かなかった、因みに長女は十七歳らしい母親が十七歳に位に見えるのに、娘も十七歳て姉妹にしか見えなそうだな、ローリエさんは十日後に王都に戻るらしい………何か溜めた休暇で来たらしい。


「一番夫婦の営みを邪魔してたのて、この国の王様ではなかろうか」

「言うなよ、兄ちゃん………」

「まあ何か有りましたら、また来ますよ………一応聞きたいのですが?」

「なんだ?」


 パウエルは真面目な顔で聞く雅史に、緊張しながら待ち構える。


「隣国の姫て可愛いのですか?」


 ドカッ


 パウエルはズッコケ過ぎて、近くの柱に頭をぶつけた。


「何を聞くかと思えば、まあ確かにドラルーラは此処数年きな臭いな、特に第一王女派と王子過激派と王子保守派が対立してるとか、因みに第一王女派は王の側近や近衛兵や良識の強い貴族が関わってるが、昔の王位の儀で第一王女が王位の儀をパス出来なかったとか言ってたな」


 何か政治絡みの陰謀を何か感じるな、その王位の儀とかに。


「まあ領地を持たない貴族が、此処二年でだいぶ減ったとキャスビルが言ってたな、我が国も改革が必要だなとか悪い顔で言ってたな」

「………まあ、国を蝕むのは、外圧ではなく内部の腐った政治家ですならね」

「兄ちゃん、キャスビルみたいな事を言うな、確かにそうだが直ぐに腐った貴族を排除出来ないのも国王のしがらみだな」


 私ではないと言った筈だが、まあ異世界も結局人間の闇は在るんだな、何時もその闇に泣くのは力も発言力もない民衆なんだよ、金持ちはカリスマ性も発言力が在るからね。


「まあ俺達が冒険者やってた時は、ドラルーラの治安は良かったぜ、しかも勇者様が残した料理や異世界の日本人だったかの転生者の街は圧巻だった」

「何か凄い国ですね………」


 異世界に来て、やりたい放題だな先人達は。


「聞いてて思うだろ? だがな国境向こうだがハルモニアの近い街も良かったぜ」

「どんな街なんですか?」


 興味深いパウエルギルマスに、私は聞いた。


「そうだな異世界の日本人て、転生者達がキッサテンてのを開いてな、異世界のキッサテン料理やそこで発明されたコーヒーが出るんだ、キャスビルは一回黒い飲み物を飲んで感激してたな」


 ………それ、ブラックコーヒーやろ………なら異世界で、気軽にナポリタンとか食べれそうだな、良し直ぐ行こう今行こうトムは放置だ、夕方だが構うもんか!


 こうして私は一路、パウエルギルマスに地図を貰い、うる覚えの記憶から丸をして貰った近いベルフリーデンの街に向かった、だが私は知らなかったこの行動がドラルーラの闇と対峙するファーストコンタクトに成るとは…………続く。




 ルーシア∶遂に私の出番が近いですよ。

 雅史∶まさかのこの新題名で、ルーシア生存ルートかよ!

 ルーシア∶文句あるのですか、しーくん


 ルーシアから放たれるプレッシャーに、雅史は戦慄した。


 雅史∶まあ、私達の物語とは違うらしいからね。

 ルーシア∶………しーくんがリセットされたからだよ。

 雅史∶私に文句を言わないでくれ、作者に言え。

 ルーシア∶無理に決まってるよ。

 雅史∶だろ。


 こうして元の世界に二人は帰って行った、孫達が生き生きと革命を起こす世界に、そして雅史とルーシアがとんでもなくし孫を残した世界線に。



 高貴なL様∶またかぁ~

 作者オッサン∶まあ次回から変身回スタートだしな。

 高貴なL様∶あの他の物語のネタでしょ。

 作者オッサン∶うん、そうだけど。

 高貴なL様∶好きよね、怪盗とか作者オッサンは。

 作者オッサン∶まあね、妹の少女アニメも影響は、少し在るな………まあ今も無くはないな。

 高貴なL様∶あの妹よね。

 作者オッサン∶まああの妹だよ。

 高貴なL様∶たまにネタに使ってるわね。

 作者オッサン∶腐女子妹から、結構ネタを貰ってたりするよ。

 高貴なL様∶使ってはないわよね。

 作者オッサン∶まあ腐女子の部分使ったら、大変だよ。 

 高貴なL様∶まあなんだかんだシスコンの作者オッサンよね。

 作者オッサン∶シスコン言うな! ではまた来週。

 

 

次回アリシア登場ですよ。

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