第9話 ダンジョンはファンタジー世界の謎である
日にちが開いてしまいました、自分の趣味の釣りに行ってしまいました、ごめんなさい。
頑張って書きます。
新たに仲間に加わった神獣ワイグラーノと美沙たちの宴会は夜遅くまで続いた。
「わたしわぁ~みしゃどのに感謝しれいるのでごじゃります。」
「しょんなしょんな、わらしなんれ、しょこのマリシャンからしたらたらのこむしゅめでしゅよ。」
「しょんなことないでしゅよみしゃっちぃ~、みしゃっちはわらしのアイドリュでしゅ。」
「はぁ・・・このひとたちは・・・」
「キュィ~・・・」
このあとワイグラーノがシュウに向かって自分に名付けを要求した。パートナーたる者いかなる時もオタあ外の名を呼び合って助け合うものだと、言葉巧みに迫っていた。
「シュウ君!かのじょになまえちゅけてあげりゅでしゅよ!」
「しょうだしょうだ!シュウのこんじょうみしぇてみりょ!」
「シュウたん・・・わたしににゃまえをつ・け・て」
「わ!わかりましたから!頑張って考えますから!」
金髪のグラマー美女に正面から馬乗りになり、ちょっと動けばキスしてしまうぐらいの距離まで迫っていた。ショウは「近い!近いですよ!」と童貞さながらのリアクションでワイグラーノを遠ざけるも、すぐに捕まってしまう。ショウは苦し紛れにワイグラーノに名前を提案した。
「なんこか思いつきました!アオイ、カナミ、リア、マリア!これでどうですか?!」
「うふふ、私はショウタンに名前を呼んででもらいたいのじゃ。」
「リナ!君の名前はリナさんと呼ばせてください!」
「リナ・・・気に入ったのじゃ、ショウタンには呼び捨てで呼んでほしいのじゃ。」
さっきまでよっていたと思われたリアの口調が、一部を除きシラフに戻っている。そんなやり取りを横目に美沙とマリが既に寝ていたことは確かめるまでもない。そして次の日ついに水中の城の攻略に乗り出す四人と一匹であった。
朝早く起きた美沙たちは直ぐに湖へと向かった。町の東の位置に湖があり、この町の観光スポットとして賑わいをみせていた。
「なんかさ、思ってたのと違う!私はもっとこう、神秘的な場所だと思ってたのに!なにこの人、人、人!」
「仕方ないよ、みさっちだって観光はしたいでしょ?みんな同じ同じ。」
「でもさーせっかくのロケーションが水の泡だし…」
「水の泡とはうまいこと言うのじゃ」
「ちょっとリナ!何とかしてよー変身して蹴散らすとかー、火を吹いて蹴散らすとかー、私たちの為にー!」
「ちょ、みさっちさん危ないこと言わないで!ってリナさん!本気にしないで!…はぁ、とりあえず人のいない所から城にはいる方法を探しましょうよ。」
「いつの間にか大人になったなショウ…」
「ショウタン、私のことはちゃんとリナって呼びつけで呼ばないとみさっちの言うとうりにしちゃうのじゃ。」
「リナさん!あ、リ…リナ!やめて!変身しないで!あぁ!いろんな人が見てる!ダメだって!」
どこでもかしこでもショウの苦労は付きまとう、3人も無茶をいう人がいるので1人で世話をやき突っ込みをかますのは大変である。何だかんだやってるうちに人気の無いところを見つけ、城に潜入する方法を皆考える。
「何かいい方法ないかなぁ?マリの魔法で湖の水を全部蒸発させるのは?」
「みさっちさん、ダメですよ、湖で泳いでる人がお亡くなりになっちゃいます!」
「じゃ、みさっちの魔法で凍らせちゃおう!」
「人は死なないにしろ、冷凍保存状態じゃないですか!ダメです!」
「「じゃぁ、どうするの?」」
「リ、リナはなにかないかな?」
「ふむ、私が城を湖から取り出せば良いのじゃな!」
「いいね!リナ!ゴー!」
「だからダメですって!ゴーじゃないですよ!」
いつでもどこでも残念な苦労人のショウは無茶ばかり言う三人を一生懸命なだめていた。このままでは本当にこの観光名所を地獄の名所などという伝説を築きあげるに違いない。そう、この三人ならそれが本当に可能なので一層ショウは気が引けないのである。
「あの、リナの空気抵抗を軽減するやつで水圧軽減とかできたりしないですか?」
「お、ショウタンはなかなか良いところをついてくるのじゃ。」
「確かにあれなら使えるかもね!ナイスショウ君!」
「うまいこと考えたね!ショウナイスだよ!」
そういうとリナはワイグラーノの姿となった。もちろん人気がないだけで人がいないわけではないので、幾人かに見られた。そしてこのことは湖城の怪伝説として湖の城にはドラゴンが住み着いているという噂が立つことは間違いがなかった。またその噂のドラゴンたちはダンジョン攻略後にその噂を真に受けてドラゴン退治だ!と勘違いすることになる。水中の城に潜入した美沙たちは美しい城内に感動していた。
お城の作りはホーエンツォレルン城のような作りとなっており、水中でもあるにかかわらず外壁を巨大な壁が一周回っている。通常ならばその外壁に阻まれて簡単には入れないのであろうが、今回は城の上空より入るため意味のないものとなっていた。空気の幕を張ったワイグラーノのリナは自分が下りたてるところを見つけるとすぐに降りた、その瞬間外壁が輝き水中に虹色の幕を張ったのである。
「きれ~・・・マリ!リナ!見てすごくきれいだよ!」
「ほんとだね~。みさっちは心が純心だからいいね~」
「ふむ、獣であったときはこのような感動は味わえなかったのじゃ、ショウタンに感謝なのじゃ。」
「僕は何もしていないのでみさっちさんに感謝してください。進化スキル使ったのはみさっちさんなんですから。」
「それでもなのじゃ、私を選んでくれたのはショウタンなのじゃ、みさっちには感謝してもしきれないのじゃ、でもショウタンは私の・・・ウフ」
「リナ?ショウ君に何色目使ってるの?ショウ君なんかがいいの?」
「みさっち怒ってる?」
「馬鹿だなーマリは、なんで私が起こるの?リナみたいないい女には、もっといい男がいるって言ってるんじゃん。」
「はいは、じゃあそういうことにしておきましょうね。」
「私は、ショウタンじゃなきゃいやなのじゃ。」
「ショウ、モテモテ~」
「あは、あは、あははは・・・ア、アリガトウゴザイマス・・・。」
真っ赤になったショウの腕にリナが腕を組み城の入り口にぐいぐいと引っ張る。それを面白くなさそうに流し目で見るみさっち、波乱の予感しかできないマリでダンジョンに入っていった。
空気が存在する城から外を見ると魚が空中で泳いでいるようでこれまた神秘的な世界である。なぜ、溝の中にあるのか、なぜ空気が存在するのか、だれがこの城を建て、だれが住んでいたのか、そんな考えすらも吹き飛ばすほどの神秘的な世界が広がる。そんな景色を眺めているとリビングデットがウジャウジャ現れだし、雰囲気を台無しにした。
「も~!せっかくの雰囲気が台無しじゃない!《孤高なる鐘よ、祝福の時は来た、かの者たちに至高の光を!》ホーリーベル!」
みさっちがとっさに聖属性の魔法を詠唱する。ホーリーベルは聖属性魔法最上位の浄化魔法である、周りのものを破壊することなくアンデット系モンスターを一掃することができる。
「さすがみさっちだね~、楽ちん楽ちん。あ、ショウあそこに残りがいるよさくっとやっちゃいな。」
「アンデットって僕あんまり得意じゃないんですよね~・・・頑張ってきます!」
ショウがアンデットに向かおうとしたときに隣でいまだに腕を組んでいたリナがショウを止めた。
「ショウタンがあんなもの相手にする必要ないのじゃ、あんな雑魚はこれで十分なのじゃ。」
そういうとリナがガウ!と咆哮をあげると、口元に小さな魔方陣が現れ魔方陣から放たれた魔法が残りのアンデットを一掃していった。
「リ、リナ?今のは?ただ吠えただけに見えたけど・・・・」
「みてなかったのじゃか?只の咆哮なのじゃ。マリはそんなのもわからなかったのかじゃ?」
「いやいやいや、おかしいから。神獣だからって聖属性の魔法掛け声ひとつで放つのはおかしいから!」
「あれまほうだったの!?リナすごいね~!わたしもできるかな?」
大ぶりのリアクションとぶんぶん手と顔を一緒にマリがする、その横でガウ!ガウ!とクーと一緒に吼える美沙が頑張っている姿が見えた。なんだかんだあり、全てをショウが突っ込みなだめた形でどんどんダンジョンの奥に進んでいく。ダンジョンは上るつくりになっており階層的には100階層近くあるようであった。外観から見ると精々あっても15回ぐらいなのにそれがファンタジー界の謎である、とにかく100階層近くあるダンジョンを美沙たちはピクニックでも来たかのような状態で70階層まで来ていた。
リビングデット以外にもいろんなモンスターがいた、ハウンドドック、バンパイア、キョンシー、腐りすぎた死体、などなど、中ボスクラスで9本の首を持つ蛇、八岐○蛇のような奴がいたがショウが一閃していた。軽快な足取りで90階層に入ったその時であった異様にでかい部屋のど真ん中に王様が座るような装飾がこりにこりまくった椅子が置いてありそこに誰かが座っている。
「マリ、リナ、ショウ君だれか座ってるけど・・・あれなんかおかしくない?」
「なんか変だね、ショウ確認してきてよ。」
「ショウタンがんばるのじゃ!」
「こういうときだけ・・・わかりました、行ってきます。」
一人で椅子に近づくショウの目に映ったのは首のない鎧が椅子に座っていたのである、その鎧は腕をゆっくりあげショウを指さした。もちろんモンスターである。そして立ち上がり椅子の後ろから頭の鎧をわきに抱えショウに向かって歩き出したのである、個のモンスターはあの有名なデュラハンであった。
漢字を間違えたり意味を間違えたりしていたので実用国語辞典買ってきましたが。使いたい漢字や、意味が乗っていないことに書いていて気が付きました、また買ってこないといけないと思うと損した気分になりました(笑)