第10話 恩恵
シリアスにするつもりが・・・とりあえずご覧ください。
目の前に現れたデュラハンに向かい皆が戦闘態勢をとる。今までの雑魚とは違う、異様な雰囲気を醸し出していたからである。
デュラハンのてがすっと下がり腰にかけた剣に手をかける、ショウが素早くデュラハンの懐に入り一閃するも、ヒョイっと軽く避けられる。すかさず美沙が愛剣を手に取りショウの背後よりジャンプをして上段から一気に振り下ろす、しかしこれもヒョイっと軽く避けられた。ショウと美沙の連携は決して悪くは無い悪くは無いのだが、相手が悪かった。
「ショウ!みさっち!」
マリが叫びながらマジックボールを連発で放ち弾幕を張る、マジックボールは初級魔法で魔法使いにとっては一番最初に覚える魔法だ。この機会を見逃さずショウと美沙は体制を整える。ジリジリと威圧感が周りの空気を震わせる。
「ショウタン、ミサ、ふせるのじゃ!やるぞクータン!」
「キュイー!!」
体制を整えるべく一度後退した美沙とショウがマリと合流する。と同時にリナとクーの雷の咆哮がデュラハンに向かって放たれた。デュラハンはさすがにこの攻撃を避けることができなかったのか直撃する。この隙を三人は見逃さない。
「ショウ君!」
「みさっちさん!」
二人が剣舞の様に交互にデュラハンに切りかかる、二人のシンクロスキルである。シンクロスキルは完全に息の合った二人が、ある特定の条件下で別々のスキルを発動した際に、そのスキル同士が一つのスキルとして相乗効果を発揮するというものである。今回の二人は美沙が剣舞スキル:スターダストレイン、ショウのスキルが剣舞スキル:ウィンドハウリングを使い発動している。
「飛び散る炎よ収束せよ、汝、大いなる火の眷属なり、我が声を聴け、我が声に従え、荒れ狂う爆炎よ、わが前の敵を焼き尽くせ!アジ・ダハーカ!」
マリの正真正銘の隠し技、アジ・ダハーカ。悪の象徴としておそれられる破壊の権現である三頭のドラゴンを召喚するものである。
「ぐうぅ゛ぅ゛ぅ゛ごあぁぁぁぁぁ!」
アジ・ダハーカの叫びにもにた雄叫びが部屋に響きわたると同時にデュラハンの四方八方から炎が立ち上がり美沙とショウのシンクロスキルに重なりデュラハンに襲い掛かる。その時だった。
「ちょ、ちょ、ちょ!まちーな!やめなはれ!しぬ!しんじゃうから!」
今まで寡黙を通してきたデュラハンがいきなりしゃべりだしたのだ。
これには皆が一斉に驚いた。
「あんさんらいきなり何してくれんねん!もう少しで消し炭になるところだったやないけ!」
「え?あの、いやその、僕らてっきり」
「あぁ?ってっきりなんやねん?」
「その、敵だと思いまして。」
「はぁ?!思いましてやと?ほなわしはあんさんのてっきり敵やと思いましてでたいじされるところやったんかい?!おぉ?!」
えらく関西調のしゃべり方にショウがしどろもどろ答える。デュラハンはショウをずっと睨みつけている。
「ちょっとちょっと!あんた戦闘中にいきなりなんなのさ?ヤル気あるの?」
マリがいらっとした口調でデュラハンに突っかかる。
「あるわけないやろ!あほか!こっちとらこの階層までせっかく来てもらってんのやさかいに。」
「はぁ?!だってさっき私とショウ君に向けて剣を取ろうとしてたじゃん!」
「剣?あぁこれかいな?これが剣とか笑ってまうで、ほれみてみい!」
デュラハンが剣を抜くとポンッ!と音がして花束が現れた。
「「「「はぁ~~~~~~~~~?!」」」」
美沙、マリ、ショウ、リナは一気に戦う気が失せたのである。
「ダンジョン攻略おめでとう!」
いきなりキリットした顔でデュラハンが言い出す。
「君たちはこのダンジョンを見事攻略したということだ、そして、このダンジョンは今後一切誰の目にも触れることはなくなる。それはこの城が君たちを主と認めたからである。」
「ちょっと、いきなり説明に入ったけど私たちみんな納得してないんだけど・・・ねぇみさっち?ショウ?りな?クーちゃんもか、当然私だってあの隠し玉を完全ではないといえ防がれたのだから。」
「そうよ!わたしとショウ君の剣舞だって完全に入ったと思ってたのに、よけられたし!」
「あぁ、それはだな、この城の恩恵を俺が受けているからだ。」
「はぁ?恩恵ですか?」
「おまえら、あんなに強くて化け物揃いなのに何も知らないのか?」
「マリは知らなかったのかじゃ?」
「あたし?いやははははは・・・ただ単に忘れてただけだし。」
「まぁいい、俺が教えてやる。この恩恵とは武器などの『エンシェント級』『レジェンダリー級』など聖剣魔剣などのたぐいのものと意思疎通を果たせたもののみが得られる超特殊スキルだ。もちろんこの城もそういった類ではエンシェント級に当てはまる。古代の遺産、神々の産物などと言われているものに認められたときに初めて手にすることができる。」
「ちょっとちょっと!わたしそんなの初めて聞いたんですけど!パパもママも教えてくれなかったしマリだって教えてくれなかったし!」
「僕もはじめてききました。」
「わるかったって!忘れてただけなんだよ!」
「私は知っていたのじゃ、てっきり皆知っていると思っていたのじゃ。のークーたん。」
「キュイー♪」
「ま、知らなかったのなら教えてやる。おい、そこの小っちゃい女、こっちに来い。」
「私?小っちゃいとかいうな!ミサーラって名前があるんだから!」
「どうでもいい、ここにきてこの椅子に座り手掛けにある紋章に触れろ。」
美沙は玉座にすわり、言われた通り紋章に手を添えた。その瞬間紋章が輝きだし美沙に誰かが話しかけてきた。
『初めまして、我が新しき主よ。』
「え?!だれ!?」
『私はこの城でございます。今この時よりあなた様がこの城の新しい主となることを認めました。ほかの皆様もどうか同じようにこの椅子にお座りください。』
美沙に言われ皆が次々と椅子に座る、皆不思議な感覚に少し困惑する。
『これで皆様が新しいわが主として登録させていただきました。なお、私からの恩恵は次元格納庫と時間加速、減速となります。」
「わたしたちが主って・・・もしかしてこのお城私のものになったの~~~~~~!?やった~!!」
「みさっち!私のものでもあるんだからね!」
「は~、冒険が始まってまだ数日なのにこんなことになるなんて・・・さすが魔王の娘ですねみさっちさん。」
「お前たち、いやあなた様方わが主が留守の際は、このデュラハン:ガロード・B・もにょもにょ・・・がこの城をお守りすることを誓います。」
「ん?もにょもにょって何?いまもにょもにょって言ってたよね?ねぇマリ?」
「う、うるさい!」
「言ってたよね。ちゃんといってみ?ほらほら?」
「くっ!ガロード・B・ミッチェルだ!なんか文句あるか!」
「ミッチェ~ル!ミッチェルだって!こいつこんななりしてミッチェルだよ!」
「だ、だめだよマリ、失礼だよミッチェルさんに!ねぇミッチェル!」
「うるせ~~~~~~~~~~~!そんなことよりもこっちに来い!お前たちに渡すものがある。」
「ほら、みさっちさんもマリさんもミッチェルさんに失礼ですよ、ミッチェルさんに。」
みなデュラハンがミッチェルという名前に大爆笑している中、リナのみが平然としていた。
「ほら、みんなガロードが待っているのじゃ、早く行くのじゃ。」
リナの対応に感激するミッチェル、すこしたって皆がミッチェルの前に集まった。
「これがこの城の宝物庫だ、そして今現在はお前たちの私財となる。その中でもお前たちに渡すものがこの中にある。」
ミッチェルの前には4つの宝箱が置かれていた、右から美沙、マリ、ショウ、リナの分だといって全員に宝箱の前に立つように促す。
「これはおまえたちの新しい武器だ。先ほどの戦いで見たがお前たちの武器はエンシェント級の武器を改造したものだろう、この中のものはゴッド級のもので今の武器に劣ることは決してない。」
「ゴッド級・・・この世界に数本しか確認されていない武器だよね?」
「まずはミサーラ・・・お前の新しい武器はこれだ、ドラグヴァンディルだ。今の魔剣と遜色ない切れ味を誇る。双剣士として使うこともできるから取り合えずもっとけ。」
「ありがとう・・・。」
「次はマリだな。お前のはこの杖だ名をケリュケイオンという話しぐらいは聞いたことあるだろ?なぁ、深淵卿。」
「なんでお前がその名前知ってるんだよ!」
「で、ショウ。真の勇者としてお前が持つのがこの剣だ。バリサルダ、この剣は魔法だろうがなんだろうが切り裂く。エクスカリバーを使いこなすお前なら確実に使いこなせるだろう。」
「い、いいんですか?!僕なんかが!」
「そして、リナ様!あなた様にはこちらにございます。ダリル&ハリアー、これは双頭の銃であるのですが弾丸は必要ありません、神獣であるあなた様のブレスで弾丸を補充して打ち出しますのでどんな強力な力でも打ち出すことができます。」
「それはすごいのじゃ。」
「以上がリナ様とそのほかの新しい武器になる。倉庫もこことつながっているから好きに使うといい!」
「ねぇ、なんかリナだけ扱いが違くない?」
「なんでだろうね?ミッチェルだから?」
「リナ様とお前たちが同等のことなかろうが!このクソ主どもが!」
リナ以外が今もらった武器をミッチェルにスッと向ける。
「ははは、いやですよ主様たち。そうそう、ここの出入りですがミサーラ姫様の指輪にエンチャントしておきましたのでいつでも出入り可能です、次回お戻りになられましたら通常の城としてダンジョンはなくなっておりますのでご安心ください!それでは行くのだ勇者よ!今こそ魔王を討ち果たすのだ!明日の平和が君たちの方にかかっているのだ!恩恵を受けるのだけはわすれないようにな~!」
ミッチェルがしゃべっている間に強制的に城から出された美沙たちは湖の畔に転送されていた。
「も~!ミッチェルのばかー!」
「でもまぁ、いい経験になったしいつでも城には戻れるんだから今度戻ったら思いっきりいじめてやろうよ。」
満足したのはリナのみ、二丁の拳銃をみてうっとりしながらブレスを詰め込んでいた。
次回はまた新しい街に向かうつもりです。
今後ともよろしくお願いいたします。




