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第58話 のびのびと

仕事復帰と体調管理でいっぱいですが頑張って書いていきます。

応援していただいている方、初めて読む方、皆さんよろしくお願いいたします。

ナルミの用意した船にすべての物資を乗せ、ショウたちは狭間の孤島に向けて出港することになった。

現在のパーティーはショウ、美沙、クー、リナ、マリ、ゼスト、フィア、アカネ、ユカリ、三日月、聡子となっている。

初めのころに比べればずいぶんと人数が増えた。10人と一匹、狭間の孤島でから雪不動に向かって船で向かうのであった。


準備が整ったショウ達、勇者一行は島に向けて船を出した。


「うっわ~海だよ!船だよショウ!」


「そうだね、あまり走り回ると落ちちゃうよミサ!」


美沙とショウはこの世界で初めて乗る船に大はしゃぎしている。それに比べて、ある人物はブルブルと震えてマストにしがみついていた。


「ちょっとゼスト!なんでそんなとこにしがみ付いてるのよ!せっかくの船なんだから!ほらこっち来なさいよ!」


「ば!やめ!はなせマリ!落ちたらどうする!?俺を殺す気か!?」


「はぁ?!あんたこの間人知超えたでしょ!?それぐらいで騒がないでよ!」


マリがゼストの襟首を引っ張りマストから引きはがそうとしている姿があった。

その姿は一国の主というよりも、どちらかといえば小さい子供が駄々をこねて「やだやだ!あれ買ってくれなきゃここ動かない~!」とでも言っているようだった。

ゼストはマリの腹パンを一発食らうと、白目をむいてぶっ倒れる。


「はぁ・・・この馬鹿・・・」


マリはため息をつくと「よいしょ」っといいながら気絶したゼストを担いで客室に戻っていった。

一部始終を見ていた船員たちは間違ってもマリには逆らわないでおこうと全員が心に決めたのである。


「お嬢ちゃん、ここは特に何もないからパパとママのところに行きなさい。」


ブリッジで掃除をしていた船員がカオスを見て笑顔で話しかける。


「・・・」


「どうしたのかな?お嬢ちゃん?もしかして迷子になったのかな?」


カオスは船員をじーっと見て無言で見つめ返す。

さすがに焦った船員はポケットに入っていたアメをカオスに差し出し万遍の笑みをする。


「あ、あの。お嬢ちゃん?おじさんなんか変なこと言ったかな?」


「あ、特に・・・私は迷子でもなければそんな飴はいらないし、せっかくの船を満喫しているんだから邪魔しないでくれる?あ、そこ汚れてるし。あそこもまだ汚れてるよ?掃除してるんだったらしっかりしないといけないんじゃないの?あ、もしかして私を出汁にしてさぼるつもりだったの?それならそれでいけないと思うよ?ねぇ?船員さん?ほかの皆さんは汗水たらして働いてるよ?」


カオスに一気にまくしたてられて船員は万遍の笑みのまま固まった。カオスはその船員を横目に無言でショウと美沙のところに駆け寄っていった。美沙の頭で首をたれ下げていたクーがカオスに気が付きカオスの頭に飛び移るとカオスはクーを胸の前に持ち変える。


「ねーママにパパ?」


「どうしたんだいカオス?」


「どうしたのカオちゃん?」


「向こうで船員さんがきをうしなてるよ?」


カオスは自分がそうさせたことを黙ってショウと美沙に報告をした。美沙とショウは見て見ぬふりをして、多分カオスが何かしたんだなと悟った。


「にしてもこのまま島まで何もしないのはひまだよぉ~ね?カオちゃん?」


「うん、ひま~!」


「そう言ってもさここは海の上だし何もできないよ。」


「なら私があそこまで船を引っ張るのじゃ!」


そういってリナがワイグラーノの姿になろうとしたときに美沙がリナの頭を思いっきりひっぱたいた。


「何するのじゃみさっち!」


「なにするじゃないでしょこの馬鹿!こんなとこで元に戻ったら騒ぎになるじゃないの!」


「だって暇なのじゃ!海原を飛び回りたいのじゃ!世界の海を制するのじゃ!」


「はぁ・・・あんたどっかの海賊なんですか?制覇するなんてあんたは魔王ですか?」


「あんな泣き上戸でみさっちの名前を連呼するような魔王と一緒にしてほしくないのじゃ!」


「あ、うん、それは御免。確かに言い過ぎた。リナはあんなどこかのまおっさんとは全然違うから。」


「わかってくれてよかったのじゃ。」


リナは手を胸の前で組んでプンプンなのじゃとか言っていた。

結局全員することがなくショウは甲板の上で素振り、それを美沙とリナ、カオスが眺めている。

残るアカネとユカリはその美沙たちを遠めから眺めながら二人ともハァハァしていた。


「リナ様・・・ハァハァ・・・なんてりりしいのでしょうか・・・それに比べてあのくそ勇者!いつか殺してやる!」


「カオちゃん・・・ハァハァ・・・なんてかわいいのかしら・・・鼻血が・・・」


同じようなことを発した二人はハッと目が合い、無言でガシッと手を組む。向けた視線はショウだった。


「あいつさえいなければリナ様は・・・」


「ショウさんさえいなければカオちゃんは・・・」


二人してアイコンタクトで合図をして飛び出そうとした時だった。

クルっとカオスとリナが二人を凝視する。その顔はものっすっごい笑顔だがものすっごい威圧のある笑顔だった。真剣に素振りをするショウとそれを真剣に見守る美沙には気が付かれないようにはっきりと口で声を出さずに「後で殺す「のじゃ」」と二人の口パクが一致していた。

それを見た二人は一瞬にして膝をつき絶望した。ショウの素振りが終わり晩御飯を食べようとみんなと合流するために美沙がショウにタオルを渡しながら声を掛けようとした。


「ねーこの後の晩御飯なんだけど・・・お?あれ?どうしたのあの二人。」


「なんかよくわからないのじゃ。」


「うん、なんか後ろ向いたらあんな風にしてたよ?もしかしたら二人して船に酔ったんじゃな?」


「そっかー、アカネもユカリも部屋でゆっくり休んでね。」


アカネとユカリは奇しくも血の涙を流しながら自分たちの客室に戻っていった。

ごじだつじおおいいです。いつも通りですねw

そのうち直しますのでご了承ください。

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