第20話 ここの魔王すでにHP0になってるじゃねぇか・・・
だいぶ時間が空きましたがやっとダンジョン突入です!
張り切っていきましょう!
魔王城から美沙のゲートで戻ってきた一行はとりあえずダンジョン攻略にいそしむことにした。
「ってかいきなりすぎて心臓止まるかと思ったぞ!いきなり魔王が目の前にとかありえなくね!?」
ゼストが美沙に向かって叫ぶ、美沙はショウの後ろに隠れてアカンベーと子供の様に舌を出している。
「まぁまぁ、いいじゃないですか。どうせそのうちあうことになってるんですから。」
ショウが美沙をかばってゼストをなだめるも、アカネもフィアも一緒になって美沙に言い寄る。
「びっくりなんだけど、みさっち!」
「そうですよ、みさーら・・・みさっち!」
「えへへ、ごめんね二人とも。」
テヘペロと言わんばかりに美沙が舌を出して二人に謝る。
「しかしみさっちよ、魔王殿にあの仕打ちはよかったのか?」
「もーゼストは心配性なんだから!いつものことなんだからいいの!」
美沙たちが魔王城からゲートで帰還する少し前にさかのぼる・・・
「ミサーラ、皆さんと仲良くしなきゃだめですよ?喧嘩なんてしたらママ怒りますからね。」
「はーい!大丈夫だよママ、みんな仲良しだから!」
「ミサーラ!ミサーラの部屋はいつもパパが守ってやるからな!安心しておけ!」
「・・・」
美沙が無言で右手を部屋の奥に向けるとミッドガルドが大事にしている幻の銘酒の瓶が粉々に吹き飛んだ。
「吟醸常世のしずくが!」
「何パパ?」
「いや、だからパパがミサーラのベットを・・・・」
更に隣の瓶がパリーッンという音を立てて粉々に吹き飛ぶ。
「あーーーーー!!幻の焼酎「女神の涙」がーーーーーー!!」
「なぁに?パ・パ?」
「うぅ・・ミサーラの大事なタンスは・・・」
これでもかという感じで瓶がパリンパリンと音を立ててすべて粉々に砕け散った。
「じゃ、ママ行ってくるね!」
「気を付けていってらっしゃ、魔王退治に。」
「はーい。」
「「「「ここの魔王すでにHP0になってるじゃねぇか・・・」」」」
こうして魔王のコレクションが全てなくなり、HPも0にしてゲートで帰還したのである。
「ところでこのダンジョンってあの偽物に攻略されちゃったんじゃないの?」
「確かにフィアはいいとこつくね、でもさ、あれだけじゃない可能性もあるじゃん?」
「そっか、じゃあマリはあの偽物の行ってないところまで行こうと?」
「そうなるね、みんなそれでいいよね?」
全員頷きついにダンジョン攻略へと挑むのであった。
ダンジョン内はヒカリゴケがいたるところに生えており比較的明るい状態で奥に進むことができた。
「みんな、罠に気を付けてすすんでね!」
先頭を行くフィアが罠を見つけ一つ一つ罠を解除していく。
「フィアってそんなスキル持ってたのじゃ?」
「うん、なんか知らないけど地獄の特訓の時に身に着けたみたい。」
「そうなのかじゃ?私も何か身につけられたらよいのじゃ…」
「あら、リナ様はそのままでも素晴らしいスキルをお持ちですわ。」
「アカネ?どんなスキルなのじゃ?」
「美貌という素晴らしいスキルでございます!」
三人でキャッキャ言いながら進んでいた時のことである、あまりに話に夢中になったせいでフィアが罠を解除するのを一か所忘れていた。
「女どもはほんとに話しがすきだね~、ショウもそう思うだろ?」・・・カチ
「いいじゃないですか、暗いよりもっていうか・・・今カチっていいませんでした?」
その瞬間足元がパカっと大きな口を開き、全員が闇の中へと落ちていった。
「「「フィアのばかぁぁぁぁぁぁぁ!」」」
一番最初に目が覚めたのはショウだった。
「いてててて・・・ここは?」
「キュィー!」
「クーちゃんだけですか?どうやらはぐれてしまったようですね。」
「キュィーキュイー!」
「とりあえずみんなを探しに行きましょうか。」
「キューイー!」
ショウの周りを一周旋回するとショウの頭にぽふっとクーがのっかった。
別の場所では、美沙とリナがフィアとアカネがゼストとマリが二人一組で別々に行動していた。
「ねーリナー、でっかくなってあの落ちたところまで行こうよー!」
「わかったのじゃ!あ・・・だめなのじゃ・・・」
「えー!?なんで!?」
「元の姿に戻るにはここはせますぎるのじゃ・・・」
「じゃぁしかたないね、歩いてみんなをさがそっか!」
「そうするのじゃ!」
美沙とリナはてくてくと歩き出した。
「これは私のせいではないと思うんだ、うん。」
「フィアさん?何を自分一人で納得しているのですか?」
「え?いや、だって罠を作動させたのはゼストだし。私悪くないよね?」
「それはそれでとりあえずおいておきましょう。後で皆さんからきっちりお仕置きを受けて頂きますので。」
「おしおきはいやーーーーーーーーーーー!!」
アカネの容赦ない攻めにフィアは半泣きである。
「なぁ?お前はいつもそうやって他人と壁を作っているのか?」
「は?何のこと?」
「前から思っていたんだが、みさっちやショウにも隠してる面があるよな?おまえ。」
「お前にお前呼ばわりされる筋合いはないと思うんだけど?」
「こんな時なんだから少しは心開いたらどうだ?」
「なにを・・・」
「ったく、めんどくさい女だなお前。」
「うるさい、あんたに何がわかるのさ!」
「わからないから話してみろっていってんだよ。その、なんだ、・・・お前のそういったところがしんぱいでよ・・・。」
「な、なんであんたに心配されなきゃならないのよ!」
「だってよ・・・気になっちまうんだよ、お前のことが。」
「な!・・・しかたないな、少しだけ話してあげるよ。昔々人間たちの国がようやくでき始め平和な時代に突入したころの話、人々はある一族の人間を自分たちの王として迎え入れることになった。」
「その話ってもしかして。」
「黙って聞いてて・・・その一族の長と呼ばれていた人間がある人間族の街の初めての王となった。それはそれは長く平和な時代を何代もにもわたって築き上げていった。しかしある時一人の少女が生まれた、人間ではない能力を持つその娘は王族の中で禁忌の娘として扱われたらしい。」
「・・・」
「城の地下深くに幽閉され何年も何年も解放される時を待っていた。そしてついに少女が解放される時がきた、周りが騒がしくお祭りでもやっているのだろうとワクワクしながら、きれいな空を夢に見ながら少女は城の外へとかけだした。」
「・・・」
「しかし、現実は違っていた。町や人を襲う魔物の群れ、逃げ惑う人々、少女にはすぐには理解できなかった。なにこれ?どうしてこんな風に・・・。やがて少女の前に一人の女性が現れた。少女の手を引き、深い森の中へと連れて、魔物たちから逃げて、その女性をよく見てみると元々は綺麗な服であっただろうぼろぼろの服装で、靴も履いていなく足は血だらけの状態だった。」
「・・・もういい。」
「いいからきいてよ・・・少女は自分の特殊な力でその女性の足を直した。今では珍しくも何もない回復魔法で。女性は一瞬怖がっていたもののそっと少女を抱きしめて泣き始めた。少女にとってこれが初めてのぬくもりだった、うれしかった、少女は女性に話した街に戻りみんなを助けると。女性は首を縦には降らなかった、なぜこんなひどい仕打ちを受けたのに行くのかと女性は言った、少女はこう答えた。あなたのぬくもをもっともっと感じていたいから、平和な場所で静かな場所であなたのぬくもりを感じていたいと。」
「・・・」
「それならばと女性は一匹のドラゴンを呼び出した、それはホーリードラゴンだった。少女にそのドラゴンと契約を結ぶことを進め少女はそれに従いホーリードラゴンも契約をしてくれた。少女とドラゴンは町に戻りすべての魔物を退治した。少女は禁忌の娘から聖女へと生まれ変わった、町も平和に戻り女性が実は自分の母親だと知ったとき少女は三日三晩泣き続けた、そしてまたあのぬくもりを求め森に入ると女性は静かに眠っていた。いや、眠るように死んでいた。」
「・・・」
「少女は泣き叫び母のもとへと駆け寄り母の名を叫び続けた。返事はない、少女は絶望した。なぜあの時に母を置いていったのか、どうして母の具合の悪さに気づけなかったのか、その後少女は母の遺体を氷の魔法で永久凍結させると人間の街から姿を消し魔の森で母親を生き返らせる方法を探し続けた。人間に、他人に
一切の関心を見せず、研究の副産物で少女はいつの間にか不老不死の体を手に入れていた、おかげで研究は何年も何十年の何百年も続けることができた。そのうち一人の魔物に出会った、そのまものは女性で彼女は少女に関心を持ってしまう、毎日毎日遊びに来ては無視されそれでもなお少女のことを気にかけていた。そして彼女は大人になり結婚をした、今では魔王の花嫁として暮らしている。少女もいつのころからか彼女に親しみの念を持っていたが完全に心を開くことはなかった、そして彼女に子供が生まれた・・・・」
最後まで話をしたマリは涙を流していた。初めて他人に語った自分の過去を思い出すように噛み締めるようにマリは肩を震わせながら話していた。ゼストは絶望の中で自分の知る歴史と全く違う真実に怒りを覚えていた。その反面目の前の少女マリがとても愛しく何者に変えてでも守らなければならない存在なのだと気づいた・・・そして肩を震わせなくマリをそっと優しく抱きしめた。
「俺が・・・俺がお前の力になってやる。この先何があろうともお前を必ず守っていく・・・。」
「バカ・・・道場なんてされたくないよ・・・」
「同情なんかじゃないさ・・・」
二人はそっと目を閉じると自然と唇を重ね合わせていた。
「ほんとはあの日デガルーデンへ行くつもりじゃなかったんだ・・・故郷にはまだ戻れないと思っていたから・・・でもね、みさっちのあの明るさに助けられた。私は故郷に帰れたんだ。」
「あぁ、みさっちにはだれにも負けない明るさがあるからな。能天気なのかわざとそうしてるのか、それはみさっちしかわからないけどな。」
「うん・・・」
そうしてマリとゼストはお互いを確かめるように何度も何度もキスを重ね固い絆で結ばれた。
「アカネ様!どうか!どうかこのことは内密に!お仕置きは嫌です!」
「はぁ・・・フィア?早くみんなに合流しなきゃならないのです。そのことはとりあえず置いておきましょう。」
「アカネさまぁぁぁぁぁぁ~!!」
こうしてバラバラになった全員が合流するために動き出した。
いつも誤字脱字のつたない文章を読んでいただきありがたく思っています!
え?ショウのハーレムにしないのかって?残念ながらハーレムになんてしない予定ですよ。
・・・予定は未定ですけどね。
次回からは二人組のパーティーが別々で行動しているようになります。
それではお楽しみに。




