第18話 水晶玉が粉々に砕けっ散ったのである。
連続投稿も久しぶりですな。
眠れないので書き出したら止まらなくなりまして。
一夜明けて皆が食堂に集まる前に美沙とショウは食堂にいた。
昨日は二人で深夜まで話したり、モンモンしたり、なんだかんだあったわけで。
女の子部屋から姿を消した美沙はうつむいたまま顔を真っ赤にしていたのである。そんな状態の美沙を発見したら、からかいたくなるのは皆同じでここぞとばかりに、からかい始めた。
「あれ~?みさっち昨日はどこいってたの~?」
マリがニヤニヤしながらみさっちに話しかける。続いてフィアとマリもからかい始めるのであった。
「私、みさっちが戻ってくるの待ってたんだけど・・・どこにいたのかな~?」ニヤニヤ
「そうなのじゃ!せっかくみさっちが教えてくれたUNOをみんなでやるつもりだったのに!」
「え?あ~いや~、そのなんていうか、ショウ君の部屋で話ししてたんだけど、なんか気が付いたら眠ってたみたいで。アハ、アハハハハハ。」
「ふーん、二人きりで何を話していたのかなぁ?ショウ?」
「え?いやぁ、その、たわいもない話ですよ。デガルーデンの町は綺麗でしたねーとか?」
「そうそう、別にやましいことなんてないし。疲れて眠っちゃってたし。」
「「「ふ~ん・・・ニヤニヤ」」」
「な、なによ!みんなしてニヤニヤして!」
(みさっちさんのことは、僕が命に代えても守り通します。)ボソ
「「え!?」」
(もう、ばか・・・ミサって、呼んでね今から。)ボソボソ
「ふぇ!?」「はぃ!?」
「ま、おさまるところに納まって何よりなにより!」
「ちょっとこれどういうこと!?・・・マリ、リナ、フィア?」
「わ、私は、やめておこうって言ったんだけどリナが!」
「そ、そうなのじゃ!こんなことはめったに見れないからって言ってたのじゃ!」
「ちょ!二人ともすごいノリノリで一緒に水晶見てたじゃん!」
「ふーん・・・・出して。」
「な、何を?みさっち目が怖いよ?座ってるよ?真剣だよ?リナ、フィア、助けて。」
「水晶出しなさい。」
「・・・・嫌。」
「出せ。」
「ひぃ!・・・こ、こちらでございます。」
マリを心底怯えさせる程の威圧感を見せた美沙を見てショウは再度美沙を怒らせるのはやめようと心に刻むのであった。マリが差し出した水晶を片手でムンズっとつかむと美沙は力を込める。
パリィィィィィン・・・
みんなの前で水晶玉が粉々に砕けっ散ったのである。
証言その①
「すごい音がして、振り返ると少女が・・・それ以上言えません。」
証言その②
「おらみちまっただ!ただの可憐な少女にあんなことができるのかってぐらいすごかっただよ!」
証言その④
「あ?あんだって?・・・飯はまだかい?このボケェ、わしゃまだぼけとらんわい!はて?飯は食べたかの?」
証言その⑤
「あれは女神様の化身だ!俺見たんだよ!キラキラと輝く衣をまとっていたんだ!」
皆あの瞬間に見た光景が忘れられないのだろう、口々に色んな証言が飛び出してくる。
「今後こういうことやったら・・・わかってるよね?マリ?」ニコ
「ひぃ!も、もう二度といたしません。本当にごめんなさい。」
「「「ごめんなさい!」」」
一同が一斉に謝る。なぜかショウや周りにいた人たちまで謝っていた。
「さて、気を取り直してダンジョンに行こうよ。みんな準備はできてるんでしょ?」
「僕とミサは問題ないけどほかの三人は?大丈夫?」
「おやおや?ショウ今みさっちのことヨビステニ・・「マリ、あとで話があるから。」」
さっそく美沙のタゲをマリがとったようだ。ほかの二人は知らんぷりを決め込んだようだ。
・・・・・
・・・
・・
デガルーデンの町から北に歩いて二日、ゼストのいう新しいダンジョンが美沙たちの目の前に大きな口を開き、ダンジョンに挑む者を飲み込むようないでたちで侵入者を待ち構えている。
「これが、ゼストの言っていたダンジョンかぁ・・・あれ?誰か入口のことろにいるよ?マリの知り合い?」
「・・・・・」
「もーなんか答えてよ。」
(みさっちの説教(拷問)で口がきけないいだなんていえない。のじゃ。よ。)
「とりあえず行ってみましょう、何か情報があるかもしれないですし。」
「うん。」
(この二日間でいちゃいちゃする事を隠さなくなったよなこいつら・・・。のじゃ。)
「あれって・・・フィアのこと散々口説いてた偽物勇者パーティーじゃん。」
「本当なのじゃ、こんなところで何をしているのじゃ?」
「やぁ!待っていたよ君たち、ここでいつぞやの借りを返して、フィアも返してもらおうと思っているんだ。」
「はぁ?あたしはものじゃないですし、なんで私があんたたちと仲良くしてた風になってるの?」
「仲良かったじゃないか、君はいつも僕たちと一緒に冒険に行きたいって。」
「冒険に行きたいとは言ったけどあなた達となんて一言も言った覚えはないわ。」
「っく、洗脳でもされてしまったか、卑怯な、そこの男!僕と勝負しろ!」
「え?僕ですか?」
「そうだ!この間みたいな不意打ちで勝ったなんて思われたら困るからな!」
そういって偽勇者はショウに向かって剣を抜いた。
「おいおいおい、またこんなことになってるのか?」
どこかで聞いたことのある声に皆が振り向くとそこにはゼストとアカネがたっていた。
「またお前か!毎回毎回僕の邪魔をして!何様だ!」
「別に今回は邪魔なんてしなさ、ショウ、死なない程度にぶちのめしてやればいい。」
「ゼストさんなんでここにって・・・死なない程度ってなんてこというんですか。」
「ショウ!やっちゃって!もうほんとこの勘違い男懲らしめて。!」
「ショウ・・・手加減してあげてね。」
「うん、ミサ、大丈夫だよ。」
最愛の人に見送られてショウは剣を構える。
「この勝負の決着はこの俺ゼストとミサーラそして勇者側から僧侶が立会人とさせてもらう。それでは・・・はじめ!」
ゼストのはじめの声で偽勇者が動いた。ショウにめがけて横から剣を一閃する。
ショウは軽々と剣をよけて右に一回転するとそのまま偽勇者の背中にめがけて剣を振る、よけられない勇者は背中に背負った鞘にショウの剣が当たった衝撃で前に転がるように倒れた。
「な、なかなかやるじゃないか。」
「はぁ、どうも。」
「今回はそう簡単に終わらせなよ、ダンジョンの奥で僕が見つけた神剣の威力、ためさせてもらうから。」
「し、神剣ですか?!」
偽勇者は今まで使っていた剣を鞘に戻すとその剣を仲間に渡し、新しく剣を抜いた。神剣というにはあまりにも禍々しく、剣自身がドス黒く光を放っている。魔剣使いのショウや美沙たちは一目でその剣が神剣ではないことを見抜いていた。
「だめだ、その剣を早くしまうんだ!」
「何を言ってるんだい?僕に負けるからそんなこと言ってるのかい?ふふふ・・・あははははは!力が、神剣から力があふれてくる!この力があれば僕は誰にも負けないぞ!・・・あぎゅ?!」
剣から眩いぐらいのいや、むしろ周りが見えなくなったと感じるぐらいの真っ黒い光が走り、偽勇者を包み込んだ。時間にして数十秒であったが、次に偽勇者が現れた時の姿は人間でも魔物でもなくなっていた。
「クハハハハ、ガハハハハハ!ヤットフウインガトカレタゾ!コレデオレハジユウダ!」
変貌した偽勇者の姿はオークのようなごつい体にドラゴンの羽を生やし、足は太いヤギのような足で手はグレートベアのような太く鋭い爪がついている。顔はライオンのような鬣を偽勇者の顔が生やしており、額にさっきまで勇者が使っていた剣が角の様に生えていた。目は赤黒く光、もはやだれが見ても魔王と言ったらこんな感じだよね?という風に見えた。
「ちょ、な、えぇ~~~~~~~~??僕こんなのと戦うんですか?」
「あー、たぶんあの魔剣にどこかの馬鹿がどこかの魔王の魂でも封印してたんでしょ?」
「魔王ってうちのパパの魂?!こんなに早く決着をつけることになるとは・・・・」
「ちがうちがう、この感じからすると別次元の魔王っぽいね。なんでこんなのがここにあるのかはわからないけど。」
「ゴチャゴチャウルサイゾコノハムシドモガ、マズハキサマカラケシテヤルゾコゾウ。」
魔王がショウに向けて魔方陣を展開させる。刹那の瞬間で完成した魔方陣は闇より爆炎をもたらした。
「ショウ!」
美沙が叫ぶ、ゼストや他のみんなも戦闘態勢になる。
「ふぅ、大丈夫です。みなさん、ここは僕に任せてください。まだダンジョンに入る前なんですから。体力温存しなくちゃです。」
既にショウは自分の戦闘態勢を取っていた、右手にエクスカリバー、左手にベルベット、ショウの魔銃魔剣
の初のお披露目である。実は魔方陣を作られた瞬間にベルベットから魔方陣に向かって一発放っていた。
放ったスキルは閃光牙である、魔方陣に亀裂が入り本来の威力が大分半減していた。
一瞬の出来事にだれもが目を疑った、これが本来のショウの反応速度であり、これからショウが本気で戦う姿が見れるのかと思うと、ワクワクが抑えきれないようであった。
「キ、キサマナゼイキテイル。」
「あなたじゃ、僕を殺せないからですよ。いえ、この世の誰にも僕は殺されるわけにいかないからです。」
「キサマイッタイ・・・」
魔王はショウに向かって攻撃を開始する。
四方八方に魔方陣が展開され、稲妻、氷河、嵐、爆炎が止めどなくショウにおそいかかる。
一方ショウはベルベットを駆使して身体強化、魔法防御、物理防御を通常の三倍に高めている。
魔方陣の嵐から飛び出たショウを見た魔王は自分の武器と角とかした魔剣を振り回し、魔法と剣激を交互に繰り出しショウを追い詰めようとしていた。魔王は気づいていないのである。ショウが追い詰められているのではなく、魔王の攻撃を掻い潜りながらベルベットで地面を何発も打ち込んで巨大な魔方陣を築いていたことを。
「クハハハハ、ニゲルノデセイイッパイカ?ココマデヨクヤッタトホメテヤロウ」
二人の動きが止まる次の一撃で二人ともがこの戦いを終わらせるつもりである。
「お、おい、どうなってんだ?!俺には何が何だかわからないんだが。」
「わ、私にも何が起こっているのかわかりません。おねぇ様!どうなっているのですか?」
「ふむ、高次元の戦いだから通常の人間には理解ができないのじゃ。」
次の瞬間、魔王が先に動いた。
「コレデオワリダ、ヤミノモノタチヨコノモノヲクラエ」
ショウの体のすぐ近くに数百にも及ぶ小さな魔方陣が一瞬にして出来上がる、とその魔方陣から無数の魔物の手がショウを襲おうとしていた。
「初めて僕も本気というものを出して戦える相手に出会えました。しかし、これで最後です、本当に残念ですが元の世界にもどって反省してください。」
数百、数千の魔物の手に掴まれながらもショウはベレッタで最後の玉をエクスカリバーを打ち抜いた。
「コノゴニオヨンデジメツトハ、キデモクルッテシマッタカ・・・ナ、ナンダソレハ」
ベレッタに装填されていたスキルは神魔統一とうスキルであった、魔剣のエクスカリバーに神属性をくわえることで魔剣も神剣もこえた聖属性と魔属性を併せ持つ神魔剣を作り出したのである。
「これで最後です、名もなき魔王、あなたと戦えたことは僕の誇りとして忘れないで置きます!」
ショウは両手でエクスカリバーを逆さに持ち地面に突き刺した。ベレッタで複数地面を打っていた部分が白と黒の光を放ちながら巨大な魔方陣を作り出した。
「フフフ、オマエノヨウナモノガイルトハナ・・・ワレモオマエノコトハワスレン、マタアイマミタイモノダガソレモカナワヌダロウ、ワガマケンヲオマエニタクス、ツカウナリフウインスルナリスキニシロ。」
「では、サヨナラです。『ファイナルブレイザー』」
魔方陣全体が輝き魔王を貫く。光が収まるとそこには元の偽勇者が横たわり魔剣が地面に突き刺さていた。
「ふう、皆さん終わりました。」
「ショウーーーーーーー!!けがとかしてない大丈夫?」
「うん、大丈夫だよミサ。」
「さっすがショウだね。改めて思ったけど、もう私じゃ勝てないね。」
「それもこれもマリさんとミサが地獄の特訓と称してやってくれたおかげですよ。」
「は~、ショウってこんなに強かったんだね~」
「いやいや、僕なんてまだまだですよ。」
「さすがショウたんなのじゃ。」
「心配しないでくれたリナだって僕の自慢のパートナーだよ。」
「お、終わったのか?」
「終わりましたよ。」
「次元の違いを感じました、今までのご無礼申し訳ありませんでした。ショウ様」
「いやですよ、アカネさん、今まで通りの方が僕は楽ですので、それでお願いします。」
「仕方ないガキだな・・・ウフフ」
こうして異次元の魔王騒動は一段落したのであった。
次回はダンジョンに潜入です、お楽しみに。




