Ep5. 嘘つきは礼拝堂に跪く
ちょっと時間がなくて生成した後に読み直してないので変な箇所があったらご指摘ください
王宮礼拝堂は、祈りの場所というより、王権を飾るための舞台だった。
高い天井。
青く染められたステンドグラス。
白い石柱に刻まれた古い聖句。
祭壇の奥には、光を受けて輝く金の女神像。
夜だというのに、礼拝堂の内部は淡く青白い光に満ちていた。
魔法の光か。
あるいは、この世界の宗教的な仕掛けか。
どちらにせよ、俺には詳しい理屈は分からない。
だが、一つだけ分かることがある。
「人がいましたね」
俺が呟くと、隣のベルク警備局長が眉をひそめた。
「見れば分かる」
礼拝堂の床には、争った跡があった。
倒れた燭台。
割れた陶器。
引きずられた椅子。
そして、祭壇へ続く白い床に残った薄い血痕。
衛兵が二人、壁際に倒れていた。
一人は肩を斬られ、もう一人は腹部を押さえている。
どちらも息はある。
救護兵が駆け寄り、布で傷口を押さえていた。
「死者は?」
ベルクが鋭く尋ねる。
「今のところ確認されていません!」
部下の兵が答えた。
「侵入者は?」
「地下宝物庫へ向かったと思われます!」
「思われる、ではなく確認しろ!」
ベルクの怒声が礼拝堂に響く。
その声に、エレオノーラがわずかに肩を揺らした。
だが、引き返す気配はない。
彼女は俺の後ろに立ち、青い瞳で礼拝堂を見つめている。
恐怖はある。
しかし、それ以上に怒りがある。
リーヴの母親。
カイル。
そして今、倒れている衛兵たち。
エレオノーラにとって、これは王位継承の陰謀である前に、人が傷つけられている事件なのだろう。
「九条様」
彼女が小さく言う。
「遺言状は、もう奪われてしまったのでしょうか」
「まだ分かりません」
「ですが、封印が破られたと」
「封印が破られたことと、中身が持ち去られたことは別です」
俺は祭壇へ向かって歩き出した。
ベルクが腕を伸ばして止める。
「待て。現場を荒らすな」
「荒らしません。むしろ、荒らされた後を見ます」
「屁理屈を」
「現場検証です」
ベルクは舌打ちしたが、止めなかった。
少なくとも、昨日よりは俺のやり方を信用しているらしい。
俺は祭壇の手前で足を止めた。
床には血がある。
ただし、量は少ない。
衛兵二人が倒れている位置から考えると、彼らの血がここまで飛んだわけではない。
なら、これは侵入者の血か。
俺は膝をつき、血の跡を眺める。
滴下の形。
進行方向。
間隔。
「負傷していますね」
「衛兵が斬ったのか?」
ベルクが尋ねる。
「おそらく。ただ、深手ではありません」
「なぜ分かる」
「血の間隔が安定している。歩幅も大きく乱れていない。痛みで足を引きずった痕跡も薄い。傷は腕か肩。少なくとも脚ではない」
ベルクが目を細める。
「本当に、足跡だけでそこまで分かるのか」
「足跡だけではありません」
俺は倒れた燭台を指差す。
「燭台は外側へ倒れている。侵入者が逃げるときにぶつけたのではなく、衛兵が押されて倒れた。つまり、侵入者は正面突破している」
「魔術師なら遠距離から攻撃した可能性もある」
「その場合、燭台の倒れ方が違います。これは人間同士が近距離でもみ合った跡です」
俺は祭壇の背後へ回った。
そこには地下へ続く扉があった。
重厚な石扉。
表面には細かな文字と魔法陣のような紋様が刻まれている。
その中央部分に、ひび割れが走っていた。
封印が破られた、というのはこれか。
だが、妙だ。
「ベルク局長」
「何だ」
「この扉は、外から力任せに破られたようには見えません」
ベルクが近づき、扉を睨む。
「封印が割れているだろう」
「はい。ただ、石扉そのものに破壊痕が少ない。封印だけが壊れている」
「つまり?」
「鍵を知っていたか、封印の解除方法を知っていた」
エレオノーラが息を呑む。
「王宮内部の者……」
「可能性は高いです」
俺は石扉の近くに落ちていた小さな破片を拾わずに見る。
青い蝋のようなもの。
「これは?」
ベルクが部下を見る。
兵の一人が答える。
「封印蝋です。王家の宝物庫や重要文書の保管箱に使われます」
「誰が扱える?」
「王族、宰相府、王宮神官、そして一部の宝物庫管理官です」
範囲は広いが、一般兵や盗賊ではない。
俺は足元を見る。
床には薄く土がついている。
礼拝堂の床は磨かれている。
普通なら土は残らない。
侵入者の靴底から落ちたものか。
「局長。この礼拝堂の外に、土のある場所は?」
「東側庭園だ」
「地下水路は?」
「泥はあるだろうが、臭いが違う」
「臭い?」
「地下水路は古い排水路だ。入れば、独特の臭いがつく」
俺は床の土に顔を近づけた。
湿り気は少ない。
嫌な臭いもない。
庭園の土か。
「侵入者は東側庭園から入った可能性が高い」
ベルクが部下へ合図する。
「東側庭園を封鎖しろ!」
兵が走る。
だが、俺は首を振った。
「封鎖だけでは不十分です」
「なぜだ」
「侵入者は、逃げるときには別の道を使う可能性が高い。入る道と出る道を同じにすると、追手に捕まる危険がある」
「では、どこへ逃げる」
「それを今から確認します」
俺は石扉へ近づいた。
その瞬間、ベルクが俺の肩を掴む。
「中は危険だ」
「でしょうね」
「なら入るな」
「ですが、入らなければ分からない」
「お前は戦えないだろう」
「はい」
「堂々と言うな」
ベルクの苛立ちはもっともだ。
俺は剣も魔法も使えない。
現場で襲われれば、ほぼ終わりだ。
だが、ここで引くわけにはいかない。
「局長」
エレオノーラが口を開いた。
「私も入ります」
「殿下!」
ベルクが目を剥いた。
「なりません。危険すぎます」
「遺言状は王位継承に関わるものです。王族である私が確認します」
「しかし――」
「それに」
エレオノーラは俺を見た。
「私は、見落とされる立場なのでしょう?」
俺は少しだけ笑った。
「ええ」
「なら、私がいることで敵の想定を崩せるかもしれません」
ベルクが俺を睨む。
お前が余計なことを吹き込んだせいだ、と言いたげだ。
半分は事実なので否定しづらい。
「局長」
俺は言った。
「殿下の護衛を厚くしてください。俺たちは奥へ進みます。危険があれば即座に下がる」
「勝手に決めるな」
「提案です」
「……その言い方をやめろ」
ベルクは深く息を吐いた。
そして部下に命じる。
「精鋭を四人つけろ。盾持ちを前に。殿下と九条殿を中央に置け。後方にも二人」
「はっ!」
こうして俺たちは、礼拝堂の地下へ降りることになった。
石扉の奥には、狭い階段が続いていた。
壁には魔石の灯りが埋め込まれている。
青白い光が、地下へ伸びる階段をぼんやり照らす。
空気は冷たい。
地下特有の湿り気がある。
足音が石壁に反響する。
先頭は盾を持った騎士二人。
その後ろに俺とエレオノーラ。
さらに後ろにベルクと騎士たち。
俺は階段を降りながら、壁と床を見ていた。
傷。
埃。
靴跡。
わずかな擦れ。
人が通れば、何かが残る。
何も残さず動ける人間はいない。
たとえ本人がそう思っていても。
階段の途中で、俺は足を止めた。
「止まってください」
ベルクが低く言う。
「何だ」
「ここ」
俺は壁を指差した。
石壁に、細い擦り傷がある。
高さは俺の肩ほど。
「侵入者はここで壁に触れています」
「暗かったからでは?」
「いいえ。灯りはあります。触れた理由は、体勢を崩したから」
俺は床を見る。
血痕が一滴。
「傷が痛んだか、急いで降りる途中でふらついた」
「それが何の役に立つ?」
「侵入者は冷静に見えても、完全ではないということです」
エレオノーラが尋ねる。
「焦っていた、ということですか」
「はい。少なくとも、計画通りすべてが進んでいるわけではない」
これは重要だ。
相手が完璧に見えると、人は萎縮する。
だが、現場には必ず人間のミスが残る。
そしてミスは、相手も人間だと教えてくれる。
階段を降りきると、地下宝物庫の前に出た。
広い石室だった。
中央には、黒い金属で作られた箱が据えられている。
箱の周囲には魔法陣のような光が走っていたが、その一部は途切れている。
封印は破られていた。
箱の蓋は開いている。
部屋の奥には、さらに小さな通路がある。
「遺言状は?」
エレオノーラが震える声で尋ねる。
ベルクが箱へ近づこうとする。
俺は止めた。
「触らないでください」
「また現場か」
「はい」
ベルクは歯噛みしたが、足を止めた。
俺は箱に近づき、内部を見る。
中は空ではなかった。
封筒が一つ残っている。
赤い封蝋。
金糸で縁取られた厚い紙。
王家の紋章。
「残っています」
エレオノーラが安堵しかける。
だが、俺はすぐに言った。
「いえ。これはおそらく本物ではありません」
「え?」
「偽物です」
ベルクの目が鋭くなる。
「根拠は」
「封蝋が綺麗すぎます」
俺は封筒を指差した。
「この箱は封印を破られ、急いで開けられた。中の文書を入れ替える時間は限られていたはずです。なのに、この封筒だけが不自然に整っている。まるで、最初から見つけられるために置かれたように」
エレオノーラが青ざめる。
「では、本物は……」
「持ち去られた可能性が高い」
ベルクが低く唸る。
「追うぞ」
「待ってください」
「まだ何かあるのか!」
「あります」
俺は箱の周囲を見た。
床に膝をついた跡がある。
浅い。
だが、左右に一つずつ。
「侵入者はここで跪いています」
「箱を開けるためでは?」
「それだけなら片膝でいい。これは両膝です」
エレオノーラが周囲を見回す。
「祈った……?」
「あるいは、祈る姿勢を取る必要があった」
ベルクが眉をひそめた。
「どういう意味だ」
「この宝物庫の封印は、単純な鍵ではなく、儀礼的な解除方法があるのでは?」
ベルクは部下を見る。
だが、兵たちは分からない様子だった。
エレオノーラが答えた。
「王家の重要文書には、女神への誓約を用いた封印があると聞いたことがあります。解除には王族、宰相、神官のいずれかの認証と、祈りの言葉が必要だと」
「つまり、侵入者はその解除手順を知っていた」
「はい」
「そして、跪いて解除した」
俺は部屋の奥の通路を見る。
「侵入者はまだ遠くへ行っていないかもしれません」
「なぜだ」
ベルクが問う。
「ここで解除の儀礼を行い、文書を入れ替え、負傷した状態で逃げた。時間がかかっている。警鐘が鳴ったタイミングを考えると、まだ地下通路内にいる可能性がある」
「追う!」
ベルクが即座に命じる。
俺たちは奥の通路へ進んだ。
そこは、礼拝堂の地下からさらに外へ続く古い通路だった。
壁は粗く、床は湿っている。
空気に黴の臭いが混じっている。
地下水路へ繋がっているのかもしれない。
「封鎖されているはずの道ですね」
俺が言うと、ベルクは苦い顔をした。
「後で責任者を吊るし上げる」
「生きているといいですね」
「縁起でもないことを言うな」
通路を進むと、途中で二手に分かれていた。
左は緩やかに下る道。
右は狭い上り坂。
ベルクが部下を見る。
「地図は」
「古すぎて詳細は不明です!」
「役に立たん!」
俺は分岐点にしゃがんだ。
床を見る。
左の道には湿った泥が多い。
足跡はあるが、乱れている。
右の道は乾いているが、壁に血が付いている。
「右です」
ベルクが即座に問う。
「左に足跡が多いぞ」
「多すぎます」
「何?」
「左はわざと足跡を残している。泥の多い道を選べば足跡が残るのは当然です。追手を誘導するためでしょう」
「右の血は?」
「侵入者の傷から落ちたものです。隠そうとして壁に寄ったが、逆に残った」
ベルクは迷わなかった。
「右だ!」
俺たちは右の通路へ進む。
狭い。
盾持ちが一人ずつしか進めない。
こういう場所は待ち伏せに向いている。
「警戒してください」
俺が言うまでもなく、騎士たちは剣を抜いていた。
数十メートル進むと、前方から微かな音が聞こえた。
布が擦れる音。
金属が壁に触れる音。
いる。
ベルクが片手を上げる。
全員が止まる。
俺は耳を澄ませた。
呼吸音が一つ。
いや、二つ。
敵は少なくとも二人。
そのとき、通路の奥から声がした。
「そこで止まりなさい」
女性の声だった。
落ち着いている。
若い。
だが、声に震えはない。
騎士たちが盾を構える。
暗がりの向こうに、黒い外套をまとった人物が立っていた。
顔はフードで隠れている。
手には細身の剣。
その背後に、もう一人。
こちらは小柄で、腕を押さえている。
負傷しているのは後ろの人物か。
「王宮警備局だ!」
ベルクが叫ぶ。
「武器を捨てろ!」
「それはできません」
フードの女は静かに答えた。
「その文書を渡しなさい」
「文書?」
「惚けるな!」
ベルクが怒鳴る。
女は俺たちを見渡した。
いや、正確には、エレオノーラを見た。
そして、わずかに首を傾けた。
「第三王女殿下まで。意外ですね」
声色に、ほんの少しの侮り。
やはり。
敵はエレオノーラを見下している。
「私がここにいるのは、不思議ですか」
エレオノーラが前に出ようとする。
俺は手で制した。
「殿下、半歩だけ後ろに」
彼女は従った。
フードの女が俺を見る。
「あなたが噂の異国人ですか」
「九条真白です」
「嘘を見抜くとか」
「仕事柄、多少は」
「では、私が嘘をついているか分かりますか?」
「話してもらえれば」
女は小さく笑った。
「私は王国のために動いています」
俺は彼女を見る。
フードで顔はほとんど見えない。
表情は読みにくい。
だが、声はある。
姿勢はある。
間の取り方はある。
嘘の兆候は薄い。
「本気でそう思っているようですね」
俺が言うと、女は少しだけ黙った。
「……なるほど。本当に少しは見えるらしい」
ベルクが低く言う。
「王国のためだと? 王家の遺言状を盗んでおいてよく言う」
「盗んではいません」
女は答えた。
「守っているのです」
俺は目を細めた。
「誰から?」
「王国を壊す者から」
「それはエレオノーラ殿下ですか?」
「いいえ」
即答。
嘘ではない。
エレオノーラが息を呑む。
「では、誰ですか」
女は沈黙した。
答えられないのか。
答える気がないのか。
俺は一歩前へ出た。
「あなたは、殿下を直接の敵とは見ていない」
女は剣を構えたまま動かない。
「むしろ、殿下を軽く見ている。だから驚いた。第三王女がここまで来るとは思っていなかったから」
「……」
「あなたたちの目的は、遺言状の改竄、または隠蔽。王位継承に関わる何かを変えたい」
フードの奥で、女の呼吸がわずかに変わった。
当たり。
「だが、あなたは自分を悪人だとは思っていない。王国のために必要なことだと信じている」
「その通りです」
「では質問です」
俺は言った。
「あなたは、その遺言状の中身を知っていますか」
沈黙。
ほんの一秒。
だが、一秒は長い。
「知っている」
俺は断定した。
女の剣先がわずかに下がる。
「なぜそう思うのです」
「知らない人間なら、遺言状を“守る”とは言わない。盗む、運ぶ、隠すなら分かる。だが守ると言った。つまり、あなたは中身が公になると王国が壊れると考えている」
ベルクが息を呑む。
エレオノーラの顔が強張る。
「遺言状には、何が書かれているのですか」
エレオノーラが尋ねた。
女は王女を見た。
「あなたには、知らない方がいい」
「私も王族です」
「だからです」
その声には、敵意ではなく、憐れみがあった。
エレオノーラが言葉を失う。
俺はその反応を見る。
女はエレオノーラを憎んでいない。
馬鹿にしてはいる。
だが、それだけではない。
哀れんでいる。
なぜだ?
エレオノーラが遺言状を知ると傷つくと考えているのか。
「あなたの背後にいるのは誰ですか」
俺が尋ねる。
女は笑った。
「それを言うと思いますか」
「いいえ」
「なら、なぜ聞くのです」
「聞かれたときの反応を見るためです」
フードの奥で、女の口元がわずかに動いた気がした。
面白がっている。
彼女は暗殺者ではない。
少なくとも、単なる殺し屋ではない。
教育を受けている。
話術に慣れている。
そして、信念がある。
厄介な相手だ。
「ベルク局長」
俺は小声で言った。
「後ろの負傷者を見てください」
「何?」
「文書を持っているのは、おそらく後ろです」
ベルクの目が一瞬だけ動く。
フードの女が、その変化に気づいた。
「動かないで」
剣先がこちらへ向く。
だが、その瞬間だった。
エレオノーラが声を上げた。
「あなたは、王国のためと言いました」
フードの女の視線が、王女へ戻る。
エレオノーラは震えながらも、まっすぐ立っていた。
「ならば、その王国とは誰のことですか」
「……何?」
「王家ですか。貴族ですか。軍ですか。それとも、民ですか」
女の反応がわずかに遅れた。
予想外だったのだろう。
「言葉遊びをしている暇はありません」
「言葉遊びではありません」
エレオノーラは一歩前へ出た。
今度は止めなかった。
「あなたが王国のために動いているというなら、その王国にリーヴの母は含まれていましたか」
女の剣先が止まる。
「カイルの妹は? 傷つけられた衛兵は? 脅され、使い捨てられた人たちは、あなたの言う王国に含まれているのですか」
声は震えている。
だが、言葉には力があった。
「もし含まれていないのなら、あなたが守っているものは王国ではありません。ただの都合です」
沈黙。
フードの女は、答えなかった。
だが、呼吸が変わった。
怒りではない。
動揺。
今だ。
俺は叫んだ。
「後ろ!」
ベルクが動いた。
速い。
大柄な身体からは想像できない速度で前に踏み込み、盾持ちがフードの女の剣を受ける。
同時に、別の騎士が後ろの小柄な人物へ飛びかかった。
小柄な人物は逃げようとした。
だが、負傷した腕のせいで動きが鈍い。
騎士がその腕を掴む。
黒い外套の内側から、一通の封筒が落ちた。
赤い封蝋。
王家の紋章。
本物か。
フードの女が舌打ちした。
初めて、感情がはっきり出た。
「退きなさい!」
彼女の剣が青く光る。
魔法か。
盾持ちの騎士が吹き飛ばされた。
ベルクが剣を抜き、女へ斬りかかる。
金属音が狭い通路に響いた。
俺はエレオノーラの腕を引き、壁際へ下がらせる。
「殿下、伏せて!」
「はい!」
目の前で戦闘が始まる。
正直、こうなると俺にできることは少ない。
剣の軌道を読むことはできても、避けられる身体能力がなければ意味がない。
だが、見ることはできる。
フードの女は強い。
ベルクほどの剣士を相手に、狭い通路で互角に渡り合っている。
ただし、戦い方は守り重視。
時間を稼いでいる。
なぜ?
文書を奪われた。
なら取り返すか、逃げるか。
彼女はどちらでもない。
いや、違う。
目的はもう果たしたのか?
俺は床に落ちた封筒を見る。
騎士がそれを拾おうとしている。
「触るな!」
俺の声に、騎士の手が止まる。
その瞬間、封筒の封蝋が黒く変色した。
じゅ、と嫌な音がして、紙の端から煙が上がる。
自壊する仕掛け。
「水!」
俺が叫ぶ。
だが、間に合わない。
封筒は黒い炎に包まれ、一瞬で灰になった。
エレオノーラが息を呑む。
ベルクが怒鳴る。
「貴様!」
フードの女が一歩退いた。
「遺言状は、もう誰の手にも渡りません」
彼女の声には、安堵があった。
俺は灰を見る。
いや。
本当にそうか?
燃えた封筒は確かに本物らしく見えた。
だが、彼女は言った。
“もう誰の手にも渡りません”。
奪われた文書が燃えたことへの安堵。
しかし、遺言状の中身を守りたかったなら、燃やすこと自体が目的だったはず。
それなら、なぜわざわざ偽物を箱に残した?
なぜ逃げた?
なぜ文書を持ち出した?
違う。
これは本物の遺言状ではない。
あるいは、本物の一部。
「その灰は囮ですね」
俺が言うと、女の動きが止まった。
わずかに。
だが、十分だ。
ベルクの剣が彼女のフードを裂いた。
布が落ちる。
現れたのは、若い女性の顔だった。
赤茶色の髪。
鋭い灰色の瞳。
頬には小さな傷。
年齢は二十代前半。
貴族令嬢のような整った顔立ちだが、目は兵士のものだった。
彼女は即座に後ろへ跳んだ。
「退きます」
その言葉と同時に、通路の床に光が走る。
魔法陣。
ベルクが叫ぶ。
「下がれ!」
強烈な光。
煙。
視界が白く塗りつぶされる。
俺はエレオノーラを抱えるようにして壁際へ伏せた。
耳が鳴る。
数秒後、煙が晴れたとき、女と小柄な共犯者の姿は消えていた。
通路の奥には、崩れた石壁。
逃走用の魔法か。
あるいは事前に仕掛けていた抜け道か。
ベルクが剣を壁に叩きつけた。
「くそっ!」
騎士たちが追おうとするが、瓦礫で道は塞がっている。
「掘り返せ!」
ベルクが命じる。
「別働隊を地下水路へ回せ!」
怒号が飛び交う中、俺は灰の跡へ近づいた。
エレオノーラが後ろから声をかける。
「九条様……遺言状は」
「燃えました」
彼女の顔が沈む。
「ですが、まだ終わっていません」
「どういうことですか」
俺は床に残った灰を見た。
紙は燃えた。
封蝋も溶けた。
だが、灰の中に小さな金属片がある。
細い金糸。
いや、ただの装飾ではない。
俺は手袋代わりに布を使い、それを拾った。
「文書に金属繊維が織り込まれています」
ベルクがこちらを見る。
「それが何だ」
「燃やしても、全部は消えない」
俺は金属片を光にかざした。
そこには、微かに文字のような刻みが残っていた。
この世界の文字なので読めない。
「殿下、読めますか」
エレオノーラが近づき、目を凝らす。
「……古い王家の秘文字です。すべては読めませんが、一語だけ」
「何と?」
彼女の顔が強張った。
「“正統なる継承者”」
その場にいた全員が沈黙した。
王位継承に関わる遺言状。
燃え残った金属繊維。
そこに刻まれた、“正統なる継承者”という言葉。
それだけで、嫌な予感は十分だった。
「続きを読めますか」
「断片的にしか」
「分かる範囲で」
エレオノーラは震える声で続けた。
「“血ではなく”……その次は欠けています。あとは……“試練”……“女神の証”……」
血ではなく。
試練。
女神の証。
王位継承が、単純な血筋や順序で決まらない可能性。
だから誰かが遺言状を消そうとした。
いや、消したのではない。
隠した。
燃えた封筒は囮。
本当の文書は別にある可能性が高い。
「ベルク局長」
俺は言った。
「今夜の侵入者は、遺言状を完全に処分したわけではありません」
「なぜそう言える」
「燃やすだけなら、宝物庫内で燃やせばいい。わざわざ持ち出す必要がない。偽物を置いたのも、追手に“遺言状は奪われた”と思わせるため。そして今燃やしたのは、“もう消えた”と思わせるため」
「つまり」
ベルクの目が細くなる。
「本物はまだどこかにある」
「おそらく」
エレオノーラが呟く。
「では、あの人たちは何を持ち出したのですか」
「本物の一部。あるいは、本物に見える写し」
「なぜそんなことを」
「時間稼ぎです」
俺は灰を見下ろした。
「敵は俺たちに、遺言状が消えたと思わせたい。そうすれば、捜索は打ち切られる。王位継承に関わる真実は闇に沈む」
ベルクが低く言った。
「逆に言えば、まだ探す価値がある」
「はい」
そのとき、階段の方から兵が駆け込んできた。
「局長!」
「今度は何だ!」
「東側庭園で、侵入者のものと思われる外套と血痕を発見しました! ただし、足取りは途中で途切れています!」
「地下水路は?」
「封鎖扉が開いていました! 現在追跡中です!」
ベルクが顔を歪める。
「やはり地下水路か」
俺は兵に尋ねた。
「外套は黒ですか」
兵は驚いたようにこちらを見る。
「は、はい」
「血はどの程度?」
「多くはありません。腕を負傷した程度かと」
「小柄な方の血ですね」
ベルクが唸る。
「女の方は無傷か」
「少なくとも、見た範囲では」
いや。
本当にそうか?
ベルクの剣はフードを裂いた。
そのとき、頬に傷があった。
古傷か新しい傷かは見えなかった。
あの女の顔。
どこかで見たわけではない。
しかし、彼女の礼儀や言葉遣いには宮廷の匂いがあった。
ただの騎士でも、ただの神官でもない。
「殿下」
俺は尋ねた。
「あの女性に見覚えは?」
エレオノーラは首を振った。
「ありません。ですが……」
「ですが?」
「どこか、王宮の作法に慣れているように見えました」
同意見だ。
エレオノーラも見ていた。
いい傾向だ。
彼女はただ守られるだけではなく、観察しようとしている。
「局長。礼拝堂に出入りできる女性で、剣を扱える者は?」
ベルクは険しい顔で考える。
「女騎士、神殿護衛、貴族令嬢の護衛役……数は多くないが、ゼロではない」
「王宮の作法に慣れ、封印儀礼を知り、魔法契約を使える組織に属している」
「条件を絞れば、かなり減る」
ベルクは部下に指示を飛ばした。
「該当者の名簿を作れ。礼拝堂関係者、宝物庫管理官、王族付きの女騎士、神官見習いまで全部だ」
兵が走る。
俺は再び灰を見た。
“血ではなく”。
“試練”。
“女神の証”。
これはただの王位継承文書ではない。
国王は何を残したのか。
そして、なぜ敵はそれを恐れているのか。
「九条様」
エレオノーラが静かに言った。
「私、今まで王位継承とは、兄上や姉上のような強い方々が争うものだと思っていました」
「今は?」
「分かりません」
彼女は正直に言った。
「ですが、もし父上が何かを残しているのなら。もし、それがこの国の未来に関わるものなら。私は、知らないままでいたくありません」
震えはまだある。
だが、目は逃げていない。
「たとえ、知ることで傷ついても?」
俺が尋ねると、エレオノーラは少しだけ息を止めた。
そして頷く。
「はい」
強くなった。
ほんの少しだが、確実に。
俺は頷いた。
「なら、探しましょう。本物の遺言状を」
「はい」
そのとき、礼拝堂の上階から新たな足音が響いた。
複数。
ゆっくりと、しかし堂々と。
騎士ではない。
急いでいる足音ではない。
誰かが、この状況を見に来た。
ベルクが剣を収めずに振り返る。
階段の上から現れたのは、金の髪を持つ長身の男だった。
黒と赤の軍装。
肩には重厚な金の飾緒。
胸には王家の紋章。
第一王子レオンハルト。
彼は地下宝物庫の惨状を見渡し、最後にエレオノーラへ視線を向けた。
「エレオノーラ」
低く、よく通る声だった。
「なぜ、お前がここにいる」
問いかけは静かだった。
しかし、その場の空気が変わった。
軍を背負う王子。
王位継承権第一位。
そして、遺言状が消えた夜に現れた有力候補。
エレオノーラの身体が強張る。
俺はレオンハルトを見る。
整った顔。
堂々とした姿勢。
揺れない視線。
完璧な王子。
だが、完璧すぎる。
第一王女セレスティアとは違う。
彼女は自分を隠していた。
レオンハルトは、自分がどう見えるべきかを疑っていない。
「兄上」
エレオノーラが礼をする。
「王宮礼拝堂に侵入者がありました。私は――」
「報告は受けている」
レオンハルトは遮った。
言葉は強くない。
だが、遮ることに慣れている。
「私が問うているのは、なぜお前が危険な場所にいるのかだ」
「王族として、確認すべきだと判断しました」
レオンハルトの眉がわずかに動く。
驚き。
それから、わずかな不快感。
妹が自分の想定と違う行動をしたことへの反応。
「誰の判断だ」
彼の視線が俺に向いた。
「その異国人か」
敵意。
露骨ではない。
だが、明確な警戒。
俺は軽く頭を下げた。
「九条真白です」
「知っている。妹の相談役だそうだな」
「はい」
「相談役ならば、王女を危険から遠ざけるべきではないのか」
正論だ。
だが、正論は時に人を封じる道具になる。
俺が答える前に、エレオノーラが口を開いた。
「兄上。ここに来ると決めたのは、私です」
レオンハルトの視線が妹へ戻る。
「お前が?」
「はい」
「なぜだ」
「逃げていては、何も守れないと思ったからです」
沈黙。
ベルクも、騎士たちも、俺も、第一王子の反応を見ていた。
レオンハルトはしばらく妹を見つめた。
やがて、ふっと笑う。
「立派な言葉だ」
その笑みは美しかった。
兄が妹の成長を認めるような、優しい笑み。
だが。
俺は違和感を覚えた。
口角は上がっている。
声も柔らかい。
しかし、目の奥に温度がない。
褒めているのではない。
評価している。
駒が予想外の動きをした。
そう見ている。
「九条真白」
レオンハルトが俺を呼んだ。
「はい」
「お前は、妹を王位継承争いに巻き込むつもりか」
「巻き込む、という表現は少し違います」
「では何だ」
「殿下はすでに巻き込まれています。俺は、その中で生き残る方法を提案しているだけです」
騎士たちがざわつく。
ベルクが目だけで、少し黙れと言っている。
だが、レオンハルトは怒らなかった。
むしろ、興味を持ったように俺を見る。
「面白い男だ」
「よく言われます」
「その目で、私の嘘も見抜くか」
この兄妹は、似たようなことを聞く。
王族というのは、自分がどう見られるかに敏感なのだろう。
「必要があれば」
「今は必要ないと?」
「殿下がまだ嘘をついていないので」
レオンハルトの目が細くなった。
初めて、ほんのわずかに表情が崩れた。
「つまり、これからつくかもしれないと」
「人は誰でも嘘をつきます」
「お前もか」
「はい」
「エレオノーラも?」
俺は一瞬だけ王女を見た。
彼女は緊張した顔でこちらを見ている。
「殿下は、嘘が下手です」
エレオノーラが少しだけ目を丸くした。
レオンハルトは声を出して笑った。
今度の笑いは本物に近い。
「なるほど。確かにそうだ」
その瞬間だけ、彼の兄としての顔が見えた気がした。
だが、すぐに王子の顔へ戻る。
「遺言状はどうなった」
ベルクが答える。
「奪取された文書は、追跡中に焼失しました。ただし、真偽は調査中です」
「焼失?」
レオンハルトの声がわずかに低くなる。
「はい」
「誰が燃やした」
「侵入者です」
「捕らえたのか」
「逃走されました」
レオンハルトの視線が鋭くなる。
ベルクは表情を変えない。
軍を背負う第一王子と、王宮警備局長。
立場上は王子が上だが、ベルクも簡単には萎縮しない。
「失態だな」
「申し開きの余地もありません」
「後で詳細な報告を上げろ」
「承知しました」
レオンハルトは灰の跡を見た。
その表情は読みにくい。
だが、ひとつだけ分かった。
驚きはある。
しかし、遺言状の存在そのものに対する驚きではない。
彼は、遺言状の存在を知っていた。
問題は、それが消えたことへの反応だ。
怒り。
苛立ち。
警戒。
安堵は薄い。
つまり、彼にとって遺言状の消失は都合がいいだけではない。
「エレオノーラ」
レオンハルトが再び妹を見る。
「今夜のことは忘れろ」
「兄上?」
「これはお前が関わるべき問題ではない。王位継承に関わる文書なら、なおさらだ」
「ですが、私も王族です」
「王族だからこそだ」
声が少し強くなる。
「半端な覚悟で関われば、命を落とす」
エレオノーラの顔が強張る。
兄としての忠告か。
王位継承者としての牽制か。
両方だろう。
「兄上は」
エレオノーラが静かに言った。
「私に、何も知らないままでいろとおっしゃるのですか」
レオンハルトは答えなかった。
数秒後、彼は短く言った。
「知るべきことは、私が知らせる」
その言葉に、エレオノーラの瞳が揺れた。
以前の彼女なら、頷いていたかもしれない。
だが、今は違った。
「いいえ」
礼拝堂の地下に、彼女の声が響いた。
小さく、けれど確かな否定。
レオンハルトが目を見開く。
「私は、自分で知ります」
沈黙。
第一王子の背後にいた兵たちがざわめく。
エレオノーラは震えていた。
怖いのだろう。
兄に逆らうことが。
王位継承の渦に自分から入ることが。
それでも、彼女は言った。
「私はもう、見守られるだけの王女ではいたくありません」
レオンハルトの顔から笑みが消えた。
彼は妹を見つめる。
長い沈黙の後、低く言った。
「そうか」
その声に、怒りはなかった。
だが、温度もなかった。
「ならば、気をつけろ。王位を望む者は、兄妹であっても敵になる」
「……はい」
「それを忘れるな」
レオンハルトは踵を返した。
去り際、彼は俺を見る。
「異国人」
「はい」
「妹をそそのかした責任は取れ」
「相談役ですので」
「違う」
レオンハルトの目が鋭くなる。
「生きて取れ」
それだけ言って、第一王子は去っていった。
足音が遠ざかる。
誰もすぐには口を開かなかった。
やがて、エレオノーラが小さく息を吐いた。
「……怖かったです」
「見れば分かります」
「そこは、少し優しい言葉をかけるところでは?」
「よく言えました」
エレオノーラは目を瞬かせた。
そして、少しだけ笑った。
「ありがとうございます」
その笑顔は疲れていた。
だが、確かに前を向いていた。
ベルクが咳払いする。
「感動的なところ悪いが、状況は最悪だ」
「分かっています」
俺は答えた。
「遺言状は消えた。侵入者は逃げた。第一王子に目をつけられた。王宮内に内通者は残っている」
「分かっていてその顔か」
「最悪ですが、収穫もありました」
「何だ」
「敵は本物の遺言状を完全には処分していない。第一王子は遺言状の消失に安堵していない。エレオノーラ殿下は、敵からも兄上からもまだ過小評価されている」
ベルクが眉をひそめる。
「最後は収穫なのか」
「はい」
俺は灰の中から拾った金属繊維を見た。
「見下されている間は、動けます」
エレオノーラが静かに頷いた。
「なら、動きましょう」
その声には、もう先ほどまでの震えはほとんどなかった。
「本物の遺言状を探すのですね」
「はい」
「どこから?」
俺は礼拝堂の上を見上げた。
王宮。
礼拝堂。
地下宝物庫。
封印儀礼。
女神の証。
そして、リーヴを縛っていた魔法契約。
「神官です」
「神官?」
「封印儀礼を知り、礼拝堂に出入りでき、魔法契約にも関われる。王族や宰相府だけでなく、神殿側も調べる必要がある」
ベルクが苦い顔をした。
「神殿に手を出すのは面倒だぞ」
「でしょうね」
「神殿は王家とは別の権威だ。下手をすれば政治問題になる」
「つまり、敵が隠れるには都合がいい」
ベルクは舌打ちした。
「嫌なことを言う」
「仕事柄」
エレオノーラは金属繊維を見つめた。
「女神の証……」
その言葉は、小さく礼拝堂に溶けた。
王位継承は、血筋だけでは決まらないのかもしれない。
ならば、第三王女にも道がある。
だが、その道は誰かが必死に隠そうとしている。
遺言状を燃やし、証人を殺し、沈黙を強いてまで。
俺は思った。
この国の王位継承戦は、ただの兄妹喧嘩ではない。
もっと深い場所に、古い嘘がある。
そして、その嘘を暴くことが、エレオノーラを王に近づける。
あるいは、破滅させる。
「殿下」
俺は言った。
「ここから先は、今まで以上に危険になります」
「はい」
「引き返すなら、今です」
エレオノーラは首を横に振った。
「引き返しません」
即答だった。
嘘はない。
俺は少しだけ笑った。
「では、まずは神官に会いに行きましょう」
「今からですか?」
「いえ」
俺は周囲を見た。
負傷者。
兵士。
灰になった文書。
崩れた通路。
「今夜は、情報を整理します。動くのは明日です」
「九条様が常識的なことを言うと、少し安心します」
「俺は常識人です」
ベルクとエレオノーラが同時にこちらを見た。
その反応は少し傷ついた。
ともあれ。
礼拝堂の夜は終わらない。
王位継承の遺言状は消えた。
だが、灰の中に残った一筋の金属片が、真実はまだ燃え尽きていないと告げていた。
“血ではなく”。
“試練”。
“女神の証”。
第三王女エレオノーラが玉座を目指す理由は、理想だけでは足りなくなった。
今や彼女には、知るべき真実がある。
そして俺には、それを暴く理由がある。
安全な生活と地位のため。
そう言い訳するには、少し深入りしすぎた気もする。
だが、仕方ない。
人間は嘘をつく。
権力者は、なおさら。
そして俺は、嘘を見ると暴きたくなる。
悪い癖だ。




