ボスvsモカ
ボスが緊張した表情で
木の下をぐるぐる周りながら
ルナとミーコが来るのを待っていると
頭上から
仔猫達の声が聞こえてきた。
『にぃたん、あそこに
とりたんがいるよ』
『えっ?どこ?どこ?違うよ。
あれは、ちょうちょだよ。
ほら、ひらひら~って…って…
う、うわぁ~、た、た、たすけて〜』
ボスが頭の上から聞こえてくる
悲鳴のような声のほうを見上げると
そこには
細い枝に何とかしがみついてる黒い仔猫と
木から延びてる枝の根元に
シッカリと抱きついてる白い仔猫の2匹がいた
ボスは2匹に向って
『良いか?絶対に動くなよ!』と言うと
木に登ろうとしたが、
身体に巻きつけてるリボンに加え
ぬいぐるみのような大きなお腹が邪魔で
上手く登れずにいたが
2匹を助けようと
何度も木に登ろうと飛びつき
必死に4脚の爪を立て
木にしがみつくような形で
ゆっくりとよじ登っていた
と、その時
黒い仔猫がバランスをくずし
さっきまで何とか身体全体でしがみついてた枝に
両前脚だけでぶら下がってる状態になった
『にぃちゃん、
た、た、た、たすけて〜!』と
ボスに訴えてきたが
ボスは
『もうすぐだから…じっとしてて』と
必死にゆっくりと木を登ってると
リナがミーコを連れて
公園の前を通りかかった時
ミーコが公園にある大きな木を見て
『くろすけ!!』と叫ぶと
公園の大きな木の方へ走って行った
私もミーコのあとを追って
公園の大きな木に向かった
木のそばまで来ると
全身に赤いリボンを巻きつけ
リボンの先には鳥の羽がひらひらと
風でなびいてる体がちょっと(?)大きめな
サバ柄の猫(ボスというあだ名の)トラが
木にしがみついていた。
ミーコはくろすけに向かって
もう一度
『くろすけ〜』と叫ぶと
『まぁまぁ〜。たすけて〜』の声と
『まぁまぁ〜』ともう1匹の声が聞こえ
ミーコは
『ももすけ?どこ?どこに居るの?』と
くろすけの近くの枝を見ると
やっと、枝の根元まで登ったボスが
ももすけに『もう、大丈夫だからな!』と
ももすけの首元を咥えておりてきた
ちょうどその時
モカと一緒にルナも公園の中を見ると
ミーコとリナの姿が見えたので
モカに向って
『モカさん、あの木の所で何かあったみたいだから
ちょっと行ってみましょうか?!』と
ルナはモカの返事を待たずに
公園の大きな木の方へ歩いて行った
木の前では上を見上げながらウロウロし
木にぶら下がってる くろすけ を
心配と不安がまざったような気持ちと表情をした
ミーコがいた
『ミーコさん、どうしたんですか?』と
あたしがミーコ達が見上げてる木の枝のほうをみると
そこには
片方の前脚だけで枝にぶら下がってる
くろすけ君がいた
『くろすけくん!!』
あたしは『今助けるからね』と言って
木に前脚の爪で掴んだ時
うしろから【ビュン!】と風が吹いたかと思うと
身軽にピョンピョンピョンと
飛び跳ねるように木に登ると
一瞬で くろすけ 君の所に行ったかと思うと
いつの間、下におりていた
もちろん2匹はケガはなかった