伊号五〇〇型潜水艦(特殊高性能型潜水艦、特高型)
全長:一〇二米
全幅:九米
速力:水上一七.六節
水中一三節
主砲:一四糎単装砲一基(又は二基)
魚雷:五三糎魚雷発射管艦首四基
五三糎魚雷発射管艦尾二基
長い間、空席となっていた伊号五〇〇番台の潜水艦が、先日就役した。
五〇〇番台は、従来通りの大きさの艦体(百~一二〇米)を持ち、可潜艦に分類される艦の中で比較的優れた水中戦闘能力を保有する艦として計画された。条約で保有トン数が大きく制限され、それを潜特型で使い果たしてしまっている潜航艦は、これ以上増やせない。そこで、可潜艦にも高い水中戦闘能力を持たせようと考えたのである。
可潜艦であるため、一四糎の主砲を装備するが、主兵装と考えられておらず、抵抗を低減するために艦橋に埋め込まれる形で固定されている。そのため、砲旋回は不可能である。だが、仰角が50度あり、水中からも砲撃が可能であり、これは強みとなると考えられている。この考えは、弩号一型潜水艦(第三部分参照)からも伺い知れる。
性能は可潜艦としても、潜航艦としても、中途半端であるが、水中戦闘能力は従来の可潜艦を大きく上回っており、これからの潜水艦設計にも影響を与えるだろう。
・特殊高性能型潜水艦計画
伊号五〇〇型潜水艦の計画名は、特殊高性能型潜水艦(特高型)である。
特殊高性能型潜水艦という計画名だが、可潜艦でありながら水中戦闘能力が高い、というところからつけられた。
純粋な潜航艦と比較すれば能力が劣るが、潜れるだけの艦と比較すれば十分に高いのである。そのため、国際会議で随分と揉めたようだが、他国にもこの手の潜水艦の研究を許すという形で、可潜艦に分類することとなった。限られた潜航艦の保有トン数を使わず、実質制限なしの可潜艦として、十分ではないにせよ、水中戦闘能力の高い艦を配備できるようになった。しかし、可潜艦として見ても、潜航艦として見ても、性能は低い。中間に位置するこの手の潜水艦を、各国がどのように運用し、その結果どれ程の活躍をするのか、楽しみである。
揉めたといえば、二〇〇番台の潜水航空母艦も、どのように分類するかで揉めたらしい。結局、可潜艦・潜航艦に加え、潜母艦という分類をつくり、可潜艦・潜航艦と分けて扱うこととされた。尚、保有トン数は潜航艦程は制限されていない。これには、①建造に高度な技術が必要であること、②戦術が確立されておらず、実力が低く考えられていること、の二つが理由とされている。
また、潜母艦建造には、
・搭載機発進の為のカタパルトが必要であること
・収容の為、クレーンが必要であること
・機体を収容できる格納庫が必要であること
・艦体を大きくしなければならないこと
・搭載できる機体自体に制限があること
といった難題の解決が必要である。これらの理由から、ノウハウを持たない他国では建造も量産も難しく、列強の中でも現時点で運用できているのは一部のみである。そして、その、小数の技術先進国の中でも特に優れた技術を持つ沖之鷲帝国の国民であることを、我々は誇りに思う。
次回は、船体を流用し、建造された、半姉妹艦の伊号六〇〇型潜水艦(巡高型)にするか。
そして、船体を流用し、建造された、半姉妹艦の伊号二七〇型潜水艦(航高型)をその後にするか。




