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この事件の凶器である自動拳銃が見つかったのは、夏休みが終わってからのことである。時期的には秋も半ば。離島に建てられたある研究施設の中で発見された。それも、最悪なことに使われて、である。
日比野警部が関わった事件の中でも、あまり思い出したくない類のものである。つまり気持ちのいいものではなかった……通常、大概の事件がそうではあるが。けれど、その中でも特異だと判断してもいいだろう。
そして凶器となった銃を調べていると、どうやら夏休みに田舎で起きた殺人事件のときに使われたものとまさに同一のものだということが判明したのだ。
さらに日比野が運命という言葉を信じる人間であれば、運命だと思うであろう。その田舎での事件には甲斐雪人と篠塚桃花が関わっていた。
すでに短くなりすぎた煙草を灰皿に押し付けながら、日比野はため息をもらす。
「これは、関係がないと思ったのだが、一応報告をしておくべきか」
それよりも日比野にとって重要なことは、銃の動きである。夏休みの事件で捕まった犯人から、日比野が離島で関わった事件の犯人まで、どのような経路で銃が流れたのか、ということである。
大きな、組織だったものを感じないではいられない。
「加藤!」
日比野は立ち上がりながら部下の名を呼ぶ。
「はい!」
「行くぞ」
「はい!」




