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「最悪っ!」

 

声を上げたのは碧だった。


「何かあったのか?」


「私、キラに最悪なこと言っちゃった〜」


泣きべそをかきながら柊に泣きつく。


「最悪なこと?」


春陽がたびたび来れないことは他のメンバーも知っていた。


「私、あんな辛そうなキラ見てられなかったんだよ、だから言っちゃったんだ、もう待つのは辞めなよって」


「あぁ、なるほどな」


「それは碧がキラを思って言った本心だろ?」


海斗が言う。


「なら、キラも分かってくれるよ、お前とキラはそんなことで仲違いするほどやわな関係じゃないだろ?」


「海斗〜っ!」


「はい、はい」


「大丈夫だよね、きっと」


「さぁ〜?」


「しーらない」


凛は冷たく言ったけど誰よりも2人を心配していたのは明白だった。


 

 【碧】

 

自宅に帰って、キラに謝ろうと何度もスマホを握っていた。

電話にするかメッセージを送るか。

もし電話をかけて出なかったらもう終わりかも。

メッセージを送っても既読が付かなければまた終わり。

頭でぐるぐると悩みに悩んで電話をかけた、数回コールが鳴る。


手が汗が滲む。

数回深呼吸をする。


コールが止まった、その瞬間「もしもし?」


と、キラの声が聞こえた。


「……もしもし?」


数秒無言になってしまった。


「キラ」


「あお?」


「どうしたの、あお」


「キラ、あのね」


さっきはごめんねが言えなかった。


「春陽のこと好き?」


「好きだよ」


「あんな奴を好きでいてくれてありがとう」


私が言えたのはそれが精一杯だった。

春陽は悪い奴じゃない、いい奴だ、でも、私はキラの親友だ。

キラを幸せにできない奴は私が許さない。

 

「私を思って言ってくれてありがとう」


「親友だから」


「次の曲なんだけどさ」


「うん」


私たちはいつものようにバンドについて話し始めた。


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