15
[キラ]
一人一人の名前が呼ばれていく、あぁ、もうこの長かったようで短かったような高校生活も終わってしまうのか、もう、毎日ハルと会えなくなるのかと一気に波のように悲しみが押し寄せてくる。
「キラ•ローズ•アンダーソン」
「はい!」
この瞬間は来ないんだと噛み締めながら私は学校を後にした。
「キラ!」
「ハル!」
帰り際、ハルに呼び止められた、母は行ってきなさいと言って、私たちから離れた場所へ移動した。
「もう行くの?」
ハルはプロサッカー選手としての道へ進むこととなった、そのため別の県に行くことになった。
「あぁ」
「早い方がいいから」
「そっか」
話は思ったほど続かなかった。
長い沈黙の後最初に口を開いたのはハルだった。
「泣くなよ」
「まだ泣いてないよ」
と答えたがもう声は震えていた。
ハルは笑った。
「嘘つけ」
「……だって、寂しいんだもん」
「俺だって寂しい」
「毎日会えなくなるんだよ?」
「分かってる」
「忘れたりしない?」
「するわけないだろ、俺がサッカーをやめても、お前の歌を聞けば思い出す」
「何それー、なんか、プロポーズみたい……」
自分の言った言葉にあるハッとした。
恥ずかしくてハルの顔が見れない。
「……いつか、ちゃんとした形で言うからそれまで待ってて」
「……っ!」
「何年かかっても迎えに行くから」
「うんっ! 待ってる」
それが高校最後の日ハルと交わした約束。




