13
当日までワクワクとドキドキで胸がいっぱいだった。
当日母が買ってくれた浴衣を着て何回も鏡の前でチェックをした、可愛いって思ってもらえるかな。
ハルは私の家まで来てくれる。
インターホンが鳴るのを玄関前で待った。
深呼吸を何回かする。
ピンポーン
「っはい!」
【春陽】
玄関を開けたキラは浴衣を着ていて、髪も一つにまとめげていた、あぁ、なんで綺麗なんだろうと思った。
「綺麗だよ」
それが言葉として出てしまった、我ながら恥ずかしげもなく言えたなとは思ったがそれは心からの本心だった。
「……ありがとう」
キラはずっと下を向いたままだった。
「キラ?」
「……んー」
「どうした?」
「……ちょっと、恥ずかしいかも」
「恥ずかしい?」
「うん、浴衣似合ってる?」
「似合ってるよ」
「本当?」
「本当だよ」
キラは顔をやっとあげた、節目がちに笑う。
「嬉しい」
「行こう」
「うん」
「私とアメリカではお祭りとかよく行ってたけど日本のは初めてっ!」
キラは終始興奮したようにはしゃいでいた。
「迷子になるなよ」
「分かってるよー」
俺たちはいろんな出店を見て回り気づけば20時近くなっていた、お祭りのフィナーレだ。
鼓膜が破れるほど大きな音がする。
始まった。
「ハル! 花火だよ!」
キラは握っていた手をより一層強く握った。
キラは目を閉じていた。
「花火見ないのか?」
「……お願い事してるの」
「願い事?」
「そう」
キラがゆっくり目を開けるとその青い目で俺を見つめた。
「ハルとずっと一緒に入れますようにって」
「花火に願って叶うのか?」
「分かんないっ! でも、叶う気がするの」
「そうか、なら俺も願っとく」
「何を願うの?」
「キラの夢が叶いますように」
キラの夢が叶いますように、まだ願い事をさせてもらえるならキラと一生いれますように。
バカみたいだと思われてもそれでもよかった、こんな日がずっと続くと俺は思っていたから。
「また、来年もその次の年も花火一緒に見ようね!」
神様がいるならどうかキラを俺から奪わないでください。
どうか。お願いします。
俺は空に輝く花火を見上げた。




