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わし&わし

 このタイトルがEpisode 5からのネタ原点ですな。444

<SideChange name = "We" >



緊張のドキドキとちびりそうなこの一瞬。滾るぜ。


だがしかし。またしても邪魔をされた。

こいつとはどうも相性悪い。


がばっとされたとき、思わずときめいたぢゃないかっ。

わしを庇ったつもりで自滅してやがるし痛いやつだ。


地面に倒れ込むとすぐ、血しぶきがして、飛沫が顔にかかる。

わしの顔のすぐ横にモンスターの足がこいつの体を貫通していた。


反動でなのか、押さえつける腕が緩んだ。体をくねらしながら上へとずれ動く。


心臓はバクバクしている。

何事もなかったように体に穴も欠損もない。

ただ傷らしいテクスチャとこいつの首の付け根に血糊の跡があるだけだ。


目の前の血をぺろっと舐めた。


甘露。


気づくと噛みついていた。


こいつの記憶がわしの中に混じり込んでくる。

逆にわしがこいつに流れていく。


『接続確認。拡張モジュールをインストールします』


(えっ?)


体が動かせなくなってしまった。


近いってば、まずいよっ、接近が危険だよっ!


そして、意識が……


</SideChange>


 ガキをつぶさないで周囲を見ようと力を緩めて首をあげる。

 モンスターを見つけたとたん美少女の甘噛みでなくガキにかまれた。

 痛かないがね。


 ウィとわしの記憶が混じり合う。気がする。

 意識さえも手に取るようにわかる。気がする。


 タブレットを介してやりとりしているゲームの世界に、のめり込む感覚がする。

 臨場感が半端ない。

 わし、ハイになっちまったか。


『接続確認。拡張モジュールをインストールします』

 タブレットからボイスが流れる。


(なんだこれは)


 表示とともに、タブレットが操作を受け付けなくなった。


 これはまずい距離だよ。


 予感してたが、モンスターに二人とも跳ね上げられてしまった。

 頭部から突っ込まれ、首の上下運動だけでだ。

 きれいな放物線を描いてたね。

 地面にだらしなく落ちて、画面に血の花を咲かせる。

 しかし外傷はない。

 ただHPがはんぱなく残りわずかになっただけだ。

 て、どおすんだよぉ。(;゜ロ゜)


『拡張モードを選択してください』


 操作は回復した。またナニがはじまるんだ。


 画面の半分に、ポップアップメニューが出てきた。

 気になるオプション項目を見つけタップする。


『互助モードに移行しました。これより相互の膂力・移動力等を加算、有益スキルが共有状態となります。HPとSPを全回復しました。当モードは運用テストにつき、30秒で自動解除します』


 アナウンスを受け、ウィを肩車て走りだす。


 多彩な攻撃はできるが決定打に劣る器用貧乏なレンジャー装備から、わしは武器を大剣に変えた。

 ウィもより効果の高いものへ変えたようだ。


 再び迫り来るモンスターに対して構える。

 下から突き上げてくることは経験済みだ。


 大剣の先を地面に突き、握りを両手で支え側面で衝撃を受ける。

 盾としての使い方だ。


 軽く脳振盪状態になったようだ。

 勢いを失ったモンスターの背にウィが飛び移り、滅多突きを始める。


 正気に戻る寸前にウィを掴み走りだし距離をもう一度とった。


 三度び迫り来るモンスターに向け、わしは太刀を持つウィを投げつけた。

 わずかに上を通過する軌道だ。


 接近すると、トンと突き立て片手を柄に、刃の付かぬ背にもう片方で支えモンスターに切れ込みをつけていく。

 通過した後には、パックリと肉が裂けている。


 さぁーて、これからわしの番だ(ターン)


 ふふふっ。メイドさんじゃなくてごめんねぇーっと。

 大剣を肩に担ぎ、進路でわずかに位置を調整し迎撃態勢に移る。


 学習しないのかモンスターは、鼻先を低くし突き上げを狙って突進してきた。

 『お返し』により低く切っ先を下げて、振り上げる。


 強化されている膂力により、下顎から眉間に懸けて切り裂いた。

 モンスターは仰け反るだけで、残された目でわしを睨む。

 駆け戻ってきたウィが四肢を断ち切る。


 振りかぶった状態だった大剣を振り下ろす。


 顔面がパックリと開いて、以前見たゾンビ映画を思い出した。

 予想以上の攻撃力に、驚く。

 残り時間は、表示されていないのでヒヤヒヤしながら、頸を落とし魔石を探す。


 ウィは柳刃包丁に持ち替えて、肉の塊を切り出して、隠れさせていた3人の所へと向かうと、どこからか植物の蔓を出してきて、身体に欠損をした者のその部分へモンスターの肉片を縛り付けていく。

 男二人へは終わり、オンナ冒険者は、欠損していないので、声を掛けて他の負傷者へ向かうが、肉片がすぐに底をついて取りに来た。


 ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

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