のちほど説明会
ウィが大きな肉片の塊を担いで去っていた後、目的の物が見つかった。
「魔石があったぞ」
近くまで来ていた、ミィ、ポン○とナナ○にも聞こえるように言う。
まとわりつく肉をそぎ落とし、仲間達にも見えるように手のひらの上で転がす。
「これって大きいの」
「黒くて艶があるね」
「なんかうずいてきそう」
それはピンポン球程度の大きさで、このサイズの魔物としては小さい方だ。封印袋に入れる。
モンスターは魔石を失い、崩れ始めた。
片方の手首の無い盾の男とオンナ冒険者は、もう一人の膝下を無くした負傷者を運んでいる。
「ポン○さん、すまないが負傷者を移動させんの手伝ってもらえないか」
「合点承知の助! お安いご用でござるよ」
いつの時代だよ。
片足のない男を両側から支えて、体を欠損した者たちを一カ所に集めた。
「これから施術します。このことは、忘れてくださいね。他言しないでってこと」
ウィが柳刃包丁を左手で握りすっと引いた。包丁は腰に挿す。
滴り落ちる血を負傷部位に垂らしていく。対象者全員に行うと、合掌する。
ウィを中心に患者の患部がほのかに光だし、まばゆい光に包まれていった。
それを見ていたオンナ冒険者は、座り込んでしまった。
ナナ○とミィが戦利品を回収して来たので、彼らの分を受け取り、わしは近寄って話しかけた。
オンナ冒険者はわしの言葉に目を丸くし、無言で頷いた。
まだ自分らのクエスト条件を終えてないわしらは、戦果のほとんどを彼らに譲り、その場を後にした。
経験値は入ったから、明るいうちに残業をはやくやっつけたくってね。
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さてわしとポン○とナナ○とウィとミィは、住居兼店舗の『ナナ○とポン○の店』の居間でフルーツジュースを頂いている。
プレヤーは仕様でNPCの店舗を店先までしか入り込めない。
しかしオーナーの二人に許可をもらったので、入ることができた。
当初、店舗側の客間でわしがポンとナナが召還者であり、ウィとミィもそうであることを知っていると言ったので、どこかに漏れるとまずいとかでさらに奥へと案内された。
知覚と意識が共有されていまだウィとの接続は継続中だ。
わしとウィが相互に指さし「「これわしっ!!」」と言ってから、わしが知った経緯を少しだけ説明した。
パワーアップをしたのは、無課金者のわしにはめったに回せないガチャのアイテムだとした。
ポン○とナナ○もウィとミィ同様にペア機能のベータ版で呼ばれた召還者だった。
共通してるのはどちらも召還者とソレを邪魔をする勢力があったようで、望まれた勇者と聖女でなかったことぐらいか。
この二つの勢力の詳細は、まだ分からない。
有力者がらみだろうし、首を突っ込んでやぶ蛇なんてやだもんね。
ポン○とナナ○が元の姿なのに対し、ウィとミィが元とは種族から違っているのは、召還側の技術が安定してない、完全じゃないだろうかな。それと妨害の程度にも理由があるのかもな。
不完全な召還のウィとミィに引き寄せられたわし?
接続状態の可能性など不透明なので、言わないでおこう。
「だが解せないのは、なぜウィとミィの姿、性別まで変わってしまったかだな」
「そうでござるな。ウィどののあの力は、聖女か上位巫女でござる」
「確かわしの称号の中に、『月光の巫女』てあったぞ」
ウィがわしとポン○の顔を交互にみあげ、そしてミィに向く。
「ワシは、『陽光の御子』やなぁ。かっこえーだろ」
ふてくされやかった。原因はこいつだったか。
ナナ○がつなげる。
「拙者がウィ殿とミィ殿の入園手続きに伺ったとき、待合室に勇者と聖女を柱として魔王を倒しに行く絵本があったでござるよ」
「へぇーナナ○さんその内容はどんなのですか?」
「聖者教会の古い物語を人間以外の子供にも読めるようにした、よくある話しでござる」
「その聖者教会って?」
「獣人を含む亜人とかを認めない、人間至上主義のいろんな意味で古い協議の宗教団体でござるよ」
「原理主義の連中は、排除行動をして迷惑がられてるでござる」
「エルフは?」
「排除対象でござる」
ウィとミィが机に突っ伏した。
「具体的にどんなこと?」
「誘拐、売買、殺害とかでござるね」
「治安はどおなってるの」
「有力権力者の関係者に多いでござるよ」
「あー有耶無耶にされるのか。絵に描いたような暗黒図式だね」
力なく笑いあう。
「今後のことなんだけどねー、いつんなるかわかんないけどさ。こっちへ来られなくなりそうなんだ」
わしはβ版の配布が終わっていて、サーバもいつまで運用されるのか不透明だということを告げた。
一斉に、ジュースをすすった。
スイーツを頂いてみる。あえて言っとこう『体感ゲームじゃないので、折角のおもてなしも、わしには無用の長物だ』と。でも頂くわし。
店舗からポン○に来客があると声がした。
「ちょっと行って来るでござる」
ときどきロールが剥がれたりするポン○とナナ○も不思議だなと思うわし。
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