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第16話 便所インパニック中編
入り口から入ってきた足音を聞いた野郎はその人物から紙を貰おうか考えたのだが足音は一番入り口の近くに在る個室の前に移動していた。
「この人も大か!なら紙が残ってれば貰えるかも!」
期待に胸を膨らませた野郎だったが予想とは全く違うことが始まった。
コンコンコン…
その人物は個室をノックしたのだ。
そして、その隣の個室の前に移動し…
コンコンコン…
野郎は背筋がゾクッとするのを感じた。
何処かの都市伝説で聞いたことがある話に似ていたのだ。
スタスタスタ…
コンコンコン…
スタスタスタ…
コンコンコン…
遂に隣の個室のノックが終わり野郎の入っている個室の前に足音がやって来て…
コンコンコン…
ノックに対し野郎はノックを返した。
コンコンコン…
すると暫く音が止んだ。
静寂の中、ドアの前で誰かが立ったまま待っていると言うなんとも言えない気持ち悪さに耐えきれず野郎は声を出す。
「そ、そこのあんた。紙持ってないか?」
すると突然ドアが強く叩かれた。
ドン!ドン!ドン!
そして、奇妙な声と言うか音で聞こえた。
「赤い紙が欲しいか? 青い紙が欲しいか?」
それは有名なあの話であった。




