↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神さまの声 聞こえたわ  作者: 三日月未来


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
4/8

第4話 猫ロボットの瞳の色

 未来女学園に隣接するホテルの1階のカフェ前に、不釣り合いな黒いサングラスにスーツの男が数人見える。


 黒い大きなつばの婦人用ハットの女は、同じ黒いサングラスを掛けて男たちに囲まれていた。


 映画のワンシーンから出て来たような純白の高級ワンピースの腰に黒い幅広のベルト、その中央に蝶が金色の羽根を広げているバックルが光っている。


⬜︎⬜︎⬜︎


 小柄な男がカフェの中から慌てて出て来た。

男は身体を屈め、しきりに女に挨拶している。


「浅川、私の命令がわからないの」


「沙月夫人ーー 」


 男は冷や汗をハンカチで拭った。

謝罪を何度も繰り返している男の顔に焦燥が漂う。


 婦人は不気味なしたり顔を浮かべ数人の男を従えカフェの中に消えた。


⬜︎⬜︎⬜︎


 ホテルの近くを通りかかった未来女学園の女性教師がホテル前の光景を目撃した。

学園の廊下で御坂教頭とすれ違い、思わず声を掛けていた。


「教頭先生、さっきね。未来婦人に似た人を見かけたの」


「それが、なにか」


「別に、婦人に敵愾心があるわけじゃ無いけど」


「ーー 」


「ただね、どう見ても堅気に見えない人たちに囲まれていたの」


「変ね。本当に理事長夫人なの」


「遠目だったので、わからないけど・・・・・・ 」


⬜︎⬜︎⬜︎


 陰陽師姿の如月碧は、ホログラム携帯をアイテムボックスから取り出す。

ディスプレイに表示された警報レベルを確認した。


 碧は猫型ロボットにアクセスする。


 千年ビルの廊下で回転していたロボットの瞳が黄色に変わり、カメラモードになった。


 碧は遠隔操作で千年ビルで起きている視覚情報を把握して巫女に言った。


「このトラブルは、電気系統じゃないわ」


「碧さま、直ちにーー お調べします」


 碧の前にいた巫女は消えた。

千年ビルの廊下に瞬間移動したことを、碧はホログラムスクリーンで見ている。


⬜︎⬜︎⬜︎


「千鶴さん、此処は安全じゃないかもしれません」


「はい」


「なので、他の食堂に行きませんか」


「優さん、私は平気です」


「電気系統は回復しているみたいですが」


 未来優が言い掛けた時、巫女装束の女性3人と遭遇する。


「如月優さまですか」


「はいそうですが」


「碧さまのご命令でトラブルを調査しています」


 優は顎に手を置き考える素振りをした。


「優さま、何か」


「千鶴さん大丈夫、なにもわからないことがわかったので」


 優は千鶴の前で戯けて見せた。


 巫女のひとりが優に言った。


「このエリアは、セキュリティ強化区画なので優先的に監視されています」


「巫女さん、じゃあ他は」


「他が弱いという意味じゃありません」


「俺たち移動を考えていたけど」


「まだ調査段階ですが、今日は警戒モードが維持されます」


 優は非常灯を見て、巫女の言葉の意味を知った。


 非常灯の色は普段通りなのに、文字盤の色だけが白から黒色に変わっている。


 如月優も関係者なので、姉の碧からセキュリティマニュアルの手順を聞いたことがあった。


「巫女さん、これ電気系統じゃないんですか」


「碧さまが巫女に招集を掛けた時点で有事発動と思います」


「そうですね」


 優の携帯電話にメッセージが届いていた。


「巫女さん、姉さんからメッセージが届きました」


⬜︎⬜︎⬜︎


[優、外出禁止して。警報レベル発動中。碧]


⬜︎⬜︎⬜︎


 優と千鶴は、碧の指示に従って特別社員食堂の個室にチェックインする。


「千鶴さん、すまないね」


「いいえ」


「今はあれ、どう」


「大丈夫です。今のところは」


 優は軽食のテイクアウトを給仕にお願いして待っていた。

展望台特別室への配達がセキュリティで禁止されているからだ。


⬜︎⬜︎⬜︎


 給仕から軽食の入ったバスケットを受け取った優は、千鶴と一緒にフロアを移動して気付いた。


「千鶴さん、エレベーターが復活しているのかわからない。ちょっとだけ待って」


 優は携帯で碧姉さんに連絡してみた。


「あっ、お姉ちゃん」


「優、碧だけど、覚えている。千年ビルには電気系統が独立している特殊エレベーターがあるのよ」


「お姉ちゃん、覚えているわけないよ」


「そうね、じゃあ説明するわ。そのエレベーター、パスワードがないと動かせないの」


「ええ」


「パスワードは自動更新されているの」


「じゃ、どうするの」


「今から言うわ」


「はい」


 優は真剣な表情で天井を見ながら意識を集中した。


「じゃあ、言うわね。私の誕生日の4桁に今日の日付の4桁よ」


 如月碧の誕生日は閏年の2月29日だった。


「姉さんの誕生日って4年に一度の日だったような」


「そうよ。2月はね、02と入れるのよ」


⬜︎⬜︎⬜︎


 優は姉の指示通りにエレベーターのコントロールパネルを表示させて操作した。


「誕生日と日付かーー 」


⬜︎⬜︎⬜︎


 隣にいた千鶴の軽食バスケットから音が聞こえている。


「優さん、今ね、あのメロディが聞こえたわよ」


「なんとーー 」


「それが、わからないの」


 千鶴は俯き、ぐるぐる動いている猫型ロボット掃除機にウインクした。


[ニャン・ニャン・ニャン]


「優さん、猫ロボットの瞳の色、変じゃない」


「ーー 」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。