22
「目を開けた。周りを見ようと体を動かそうとしたが、痛みがそれを許さなかった。
周りにはカーテンだけがあった。
ここには来たことがなかったが、おそらく学園の保健室だろう。
病院に送られることはなかった。運が良かった。
少し体を緩めると、全身に包帯が巻かれているのを感じた。
どうやら本当に傷ついていたようだ。体中に包帯があり、もし何か骨折していたとしても、もう治っているはずだ。
百パーセントとは言えないが、生きている。それが大事だ。
ふと、隣から寝息が聞こえた。
できる限り体を動かして振り返ると、ユキが椅子に座ったまま、ベッドに頭を預けて眠っていた。
彼女は元気そうで、包帯もなく、穏やかに眠っていた。
起き上がろうとした。
少し苦労したが、首以外に痛みはなく、大丈夫だと言えた。
——「んん…」
ユキが目を覚まし、まぶたをこすりながら顔を上げた。
——「どうしたの?」
——「おはよう、ユキ」
——「零!」
反応する間もなく、ユキが飛びついてきて強く抱きしめた。別の状況なら喜べたかもしれないが、今は痛みが即座に走った。
彼女の背中を軽く叩いた。
——「ユキ、痛い…」
彼女はそれに気づくと、すぐに離れた。
——「ごめん、何か折ったりしてない? 折れてないといいけど。男の人はとても脆いって聞いたから」
立て直すのに一秒かかった。
痛みが引いた頃、ユキの目を見た。
——「じゃあ、もう知ってるんだな…」
——「うん、確信はなかったけど」
ユキは繰り返した。その口調があまりにも自然だったので、思わず笑いそうになった。
——「じゃあ、本当に男の人なの? 本に出てくるような?」
——「ああ、ユキ。本当の男だ」
彼女はしばらく黙って、その情報を処理していた。その顔には、複雑な数学の問題を解いているような intense な集中力が浮かんでいた。
——「じゃあ…」
彼女は始め、ポケットからスマホを取り出した。
——「質問がある」
——「質問?」
——「たくさん」
——「ユキ、死にかけた戦いから今目覚めたばかりなんだ。後で話せないか?」
——「ダメ」
彼女はきっぱりと言った。その決意は、訓練していた時を思い出させた。
——「これは大事なこと。私はずっと男の人について色々聞いてきたけど、会ったことは一度もなかった。それなのに、私の親友が…友達が…親友?
——「私的な場ならどちらでもいい」
——「今、私の親友が男の人だって分かった。答えが必要なの」
ため息をつき、枕に寄りかかった。この議論に勝ち目はないと分かっていた。
——「分かった。聞け」
ユキはスマホを見た。そこには明らかに準備してきたリストがあった。
——「動物と話せる?」
何か馬鹿げた質問を予想していたが、最初がこれで目を見開いた。少し笑った。
——「いや」
——「動物に変身できる?」
——「それもない」
彼女は最初の答えでもうがっかりしたようだった。
——「暗闇で見える?」
——「いや、全く」
——「少しも?」
——「君と同じくらいしか見えないよ」
——「次。男の人は妊娠できる?」
自分の唾液でむせた。
——「何だって!? いや! もちろんない!」
——「じゃあ、どうやって繁殖するの?」
——「ユキ!」
——「何? 妥当な質問でしょ!」
——「こんな話をするつもりはない!」
——「どうして? タブーなの?」
——「そうだ! タブーだ! それに基礎生物学だ!」
——「でも私は男の人の基礎生物学を知らない。習ったことないし」
質問は続いた。ほとんどが前と同じくらい馬鹿げていた。どこから仕入れたのか分からなかった。おそらく童話からだろう。
そして質問は十分間続いた。
——「ユキは本当に変わってるな」
ゲームをやっていた時から知っていたことだが、実際にその部分を見ると少し笑えた。
しばらく沈黙が流れ、そして彼女が最後の質問をした。
——「男であることについて、気にしてる?」
——「俺が? いや。いや、そうだな。誰かにバレたら保護園に閉じ込められて、二度と日の光を見られなくなるのは困る。でもそれ以外は、別に」
——「そういうことじゃなくて。私が知ってることを気にしてる?」
彼女を見た。その表情は今、真剣で、冗談の気配はなかった。
——「君が知ってることは気にしない」
——「どうして?」
——「なぜなら…君を信頼してるから。君が俺を売らないって分かってる」
ユキは微笑んだ。それは本当の笑顔だった。
——「ありがとう、零。信じてくれて」
——「礼を言う必要はない。君は俺の命を救った」
——「君が先に私を救った」
——「なら、おあいこだ」
——「そうみたいだね」
彼女はもうしばらく俺を見つめ、それから椅子から立ち上がった。
——「校長先生を呼びに行くべきだね。目が覚めたら話したいって言ってたから」
——「校長先生?」
——「うん。大事なことだって。二日前に起きたことについて…」
二日前? その間ずっと眠っていたのか。
——「他に何か言ってた?」
——「ううん。二人一緒に話したいってだけ」
——「二人で」
——「うん。私にも聞いてほしいみたい」
ユキはドアに向かったが、出る前に振り返った。
——「零」
——「ああ?」
——「死なないでくれてありがとう」
微笑んだ。
——「俺はゴキブリよりしぶといからな」
彼女は一瞬笑い、部屋を出ていった。
一人残され、天井を見つめた。頭の中は沸騰していた。山田が話したいことがある。
そして、それを聞く準備ができているかは分からなかった。
だが、選択肢はなかった。
……
数分が経った。
ドアが再び開き、今回は三人が入ってきた。ユキ、その背後に山田校長と、その助手か護衛か、正直何なのか分からない女性。
——「黒金、目が覚めて良かった」
——「校長」
カーテンが開かれ、彼女は私の前に座った。助手たちはその横に、ユキは私のそばに立っていた。
——「これから話すことは、どの歴史の本にも載っていない。学園の記録にもない。私以外、誰も知らない」
——「何の話ですか?」
——「魔窟で見たあの女…彼女はこの世界のものではない」
ユキが眉をひそめた。
——「どういうことですか?」
——「彼女は異次元の存在だ。別の存在平面から来た。そして私も…私もそうだ」
その後の沈黙は重かった。
頭の中の図書館で、ゲームにおける山田に関する全ての手がかりを探したが、漠然とした言及と、さらに漠然としたゲーム終盤の一場面以外、何も見つからなかった。彼女に関する全てが漠然としていた。
これは俺にとって新しい情報だった。俺が存在するせいなのか、それとも元から計画されていたことなのか、確信が持てなかった。
——「あなたは…彼女と同じなんですか?」
ユキが慎重に尋ねた。
——「ある意味では、そうだ。起源は同じだが、目的は正反対だ」
ゲームでよく知っていることだった。
山田は椅子に寄りかかり、一瞬、いつもの笑みが消えた。疲れているように見えた。
——「私たちの世界は死にかけていた。私たちの何人かは、逃げる方法、他の世界へ渡る方法を見つけた」
——「翼の生えた女は?」
——「彼女も一緒に来た。最初は、皆同じ目的を持っていた。新しい故郷を見つけること。主な目的は人間の中で生きることだった。だが、それは百年前に変わった。第二次世界大戦が始まった時だ」
彼女はしばらく窓を見た。
——「私の種族のほとんどは、この世界が前の世界と同じように終わることを恐れた」
——「あなたは?」
尋ねた。
——「私は平和に生きたかった。適応したかった。失ったものを忘れて、やり直したかった。だが、多くの同族は同じことを繰り返したくなかった」
山田は一呼吸置いた。
——「戦争が終わった時、同族は大気中に魔素を放出することを決めた。魔素は私たちの世界では普通のものだった。多くの者は、それで人類が滅びると思った」
ユキは膝の上で拳を握りしめた。
——「結果、魔素は地球全体に広がった。一部の生物はそれを吸収し、適応し、進化した。他の者たちは…同じ運命を辿らなかった」
——「男たちだ」
断定として言った。
山田は一瞬俺を見て、続けた。
——「そう。魔素は男たちに異なる影響を与えた。その数は世代を追うごとに減少し始めた。容易に適応した女性たちとは違って」
——「なぜ止めなかったんですか?」
ユキが尋ねた。
——「簡単ではなかった。止めたくても、一人対数千だった。私にできたのは…適応することだけだった。学園を作り、若い女性たちを育て、彼女たちが身を守れるようにした」
山田の言葉の後の沈黙は重かった。
最初に反応したのはユキだった。その顔には、ゴーレムとの戦いの時でさえ見なかった青白さが浮かんでいた。
——「じゃあ…?」
その声は途切れた。
——「あなたたちは…?」
——「そう。私の種族は人類を滅ぼす目的で大気中に魔素を放出した。だが、期待したようには機能しなかった」
ユキは口に手を当てた。一瞬、気分が悪くなるかと思った。
俺はというと、黙っていた。処理していた。
魔素の真実は俺にとって新しいものではなかった。ゲームでは終盤に言及されていた。
分からなかったのは、その理由だ。
ゲームでは、なぜ魔素が来たのかは決して説明されなかった。謎だった。
理論はあった。彼らが来た時に来たと言う者もいれば、この世界で生きるために必要だったと言う者もいた。
ほとんど正解に近い者もいた。
今分かったのは、この世界への魔素の到来が、ほぼ生物兵器のようなものだったということだ。
それでも、快い答えではなかった。
——「つまり、大量虐殺だったんだな」
言った。その声は自分でも予想外に冷たかった。
山田は俺を見た。一瞬、その目に予期しないものを見た。罪悪感だ。
——「そう。彼らが望んだほど上手く機能しなかった大量虐殺だった」




