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【完結】ホテルグルメはまかないさんから  作者: 櫛田こころ
第二十五章 眞島の場合⑬
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第1話 暇で暇で

お待たせ致しましたー

 少しばかり、暇な時期になってきた。



「う〜〜ん……」



 女子大生、眞島(まとう)(れい)。三回生にもなって、学生としてすべきことはだいぶ減ってきた。講義であったり、必要な単位であったり。就活もだんだんと近づいてきたが、まだ夏手前なのでほとんど準備する必要はない。


 卒業論文なども、まだまだ縁が遠い立ち位置だ。


 つまり、講義も何もない日は暇で仕方がない。バイトについても、今日はシフトが空きの日。ホテルでの宴会サービスを業務とするバイトは……夏になると特に減っていく。


 夏になると、ビジネスホテルの場合は宴会などのパーティー業務より、会席や会議などに利用されることが多いのだ。


 だから、削減されるのは費用よりも人員。ようは、怜のようなバイトからとなる。


 週末となれば、まだ結婚式などの業務も多いのでシフトに入ることもあるが……平日は特に暇だ。シフトに入るようになるのは、(ワン)達のような準社員になるのは仕方がない。



「暇だ〜〜……」



 講義も何もない平日の過ごし方、となれば。部屋の掃除などを終わらせれば、あとは趣味の時間。


 と言っても、怜には彼氏である小森(こもり)裕司(ゆうじ)の美味しい美味しいご飯を食べる以外、あまり趣味と言えるものがなかった。


 彼と出会うまでは、一応電子図書などで暇な時間を潰すとかしたりしていた。ソーシャルゲームなどは、ほとんどログインボーナスとキャラのピックアップガチャを回す以外特にしていない。


 それは数年経った今でも変わりがないのだ。


 じゃあ、裕司に会いに行けばいいのかと言われるかもしれないが……そうもいかない。



「こもやんの研究を邪魔したくない……!」



 大学生の怜と違って、裕司は専門学生。四年制もある、調理専門学校で今年は最高学年だ。就活生でもあるし、卒業に必要な調理実技試験もあるので……週のほとんどを学校か自宅で日夜メニューの特訓をしている。


 味見役でたまに呼ばれたりはしているが、今日はお呼ばれではない。


 だから、邪魔をしたくないのだ。彼女としては会いたくて、ぎゅっと抱きしめてほしいがそれはしばらく我慢だ。


 親公認で交際していても、将来のことを考えると我慢するところはせねば。一緒に生活する日は刻々と近づいていても……まだ半年以上先。


 そう思うと、この苦難は別に大したことではないのだ。どこかへ遊びに行こうにも……ひとりは寂しい。


 どうしようかと思っていると、スマホからLIMEの通知が来た。


 今考えていた裕司からだった。



『怜やん、うちにちょっとおいで?』



 と、召喚魔法のような言葉をもらえたので。身支度を整えてから、怜は急いで裕司の部屋へ走っていくのだった。

次回はまた明日〜

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