第三話
「美世!あたし受かったよ!」
ほがらかに笑う凛とどんどん傷ついていく私。
「よかったね!」
といいつつ、あきらめきれなかった。
キャスト・・・か。
それは象徴。華のある人間が世の中には居る。
でも、
私は違う。華をより輝かせるための陰。
陰があればこその・・・華なんだ。
私は陰。凛は華。これは運命。一生きっと変わらない・・・
泣きそうになった。
「美世、スタッフだよね。衣装だっけ、よろしく!」
「うん・・・」
そして私は自分の席にもどる。もうすぐあいさつがある。
「みなさん、延年演劇サークルへようこそ。」
から始まる、会長の長い長い挨拶の後、私たちはパートにわかれた。
衣装部門、これが私の役目。そして運命。そして・・・
「桜田美世ちゃんっていうんだよね!!」
「よろしくね!」
と、二人の先輩が出迎えてくれた。えっと・・・・
どっちがどっち?
「あたし達双子なの」
「あたしが真衣、こっちが亜依。」
「いままで二人で全部つくってたから」
「人手が増えると大助かりなんだよねっ!」
「手先は器用?」
「センスはいい方?」
「想像力は豊か?」
「裁縫はよくする?」
ん・・・何この人達?!
「あの・・・」
「あたしが亜依よ!」
「あ、亜依さん?わたし」
「あたしは真衣ね!」
「あ、宜しくお願いします・・・」
亜依が笑っていった。
「どうだった?たたみかけびっくり大作戦?!」
「いつもはこんなんじゃないから安心してね」
真衣も笑っている。
は、計られた?!
「よかったです、ちょっと不安になっちゃって」
「あははーみよちゃんかわいー」
うふふ、と笑う、えーと亜依か真衣のどっちか・・・
「あの。亜依先輩?」
「真衣だけど何?」
「あー、すいません。真衣先輩、これから何をするんですか?」
「えっとねー・・・」
かくかくしかじか。
ゆうに4時間はかかった・・・
「じゃあ今日はお開き。明日も、あさっても毎日来るんだよォ」
「休むときはあたしのケータイに電話して!」
「あ、あたしもね!」
とふたりとメールアドレスを交換し、帰る。
「なんか・・・疲れた。」
でも
希望が見えてきた。
楽しそうだし・・・
まだ上島先輩のことは忘れられないけれど・・・
いつか片思いを振り切ることができたらいいな。
そう美世は思った。




