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第5話 瑠璃乃の異変
あたしの教室、一年一組の前に着くと、ちょうど十分休みみたいだ。
良かった、これなら授業中より気まずくないっ。
瑠璃乃に呆れられそうだけど……しょうがないや。だって実際、あたしどうしようもないから。
……流石になんであんなとこで寝てたのかは不明だけど。
閉じていたドアをガラガラと開けて、中に飛び込んだ。
すると、みんなの視線が一斉にこっちを向く。
あれ、ちょっと元気よすぎた?
それとも、やっぱ騒ぎになってた?
なんだか気まずくて、あたしはヘラっと笑う。
みんなは、何も言わない。
静まり返った教室。
笑顔が引き攣る。
え、なにこれ。なんか怖いんですけど。
と、とりあえず瑠璃乃だ。
教室内に視線を巡らすと、見つけた。机に向かって黙々と文庫本を読む瑠璃乃の姿。
あたしは一直線に駆け寄っていく。
「瑠璃乃! ごめんねぇ! なんか騒ぎになった? あたし、旧校舎でなぜか寝ちゃっててさ……」
心臓がぞわっとした。
瑠璃乃は、思いっきり眉を顰めていた。
呆れ、なんてもんじゃない。
その瞳の中に温かさなんてかけらもなかった。
まるで、全然知らない人を見るような、そんな瞳……。
「る、りの……?」
瑠璃乃の唇が動くのが、やけにゆっくりに感じられる。
「……あんた、誰?」




