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第48話「がんばれ真田幸村」

「秀長、見たかね今の! あの赤い鎧の男、真田の倅だわ。家康の鼻先まで突っ込んでって、あわやというところまで追い詰めたがね。あいつ、ええ度胸しとるがや!」

万作は身を乗り出し、下界の戦場を指差して興奮していた。かつて小田原で出会った生意気な若造が今や日本一のツワモノとして徳川の圧倒的な大軍を翻弄している。その泥臭くも鮮やかな戦いぶりは、どこか万作が必死に駆け抜けた戦国の日々を思い出させた。

「兄上、真田幸村はもう死を覚悟しています。あれは勝ち負けじゃない、自分の意地を貫くための戦いなんです。かつてのあなたが信長様に食らいついていった時のように」

秀長が静かに語ると、万作は少し照れ臭そうに鼻を擦った。

「わしと一緒にするなて。わしはもっと必死に逃げ回っとったがね。でもよ、あいつを見てるとなんだか元気が湧いてくるわ。百姓が鍬を捨てて槍を持った時のような凄まじい意地を感じるんだわ」

「幸村、行けーっ! 家康の腰を抜かせてやりゃあ!」

万作の声は届かない。それでも万作は、散りゆく真田の勇姿に自らが演じ続けた秀吉という夢を重ね、最後で最高の輝きを見ていた。

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