神殺しの演算者
神殺しの演算者
プロローグ
人は、どこまで神に近づけるのだろうか。
その問いに、人類は百年以上挑み続けた。
そして答えを見つけた。
いや。
見つけてしまった。
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西暦2148年。
世界はかつての常識を失っていた。
炎を生み出す者がいる。
雷を操る者がいる。
重力を捻じ曲げる者がいる。
それらは超能力ではない。
奇跡でもない。
人類が完成させた新たな演算技術。
脳神経量子演算。
通称――《演算》。
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演算能力の発見は世界を一変させた。
国家は能力者を軍事利用し。
企業は能力者を囲い込み。
人々は能力の優劣で評価されるようになった。
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そして日本には、世界最高峰の能力者育成機関が存在する。
統合学術都市・天城。
その中心にある天城学園には、世界中から天才たちが集められていた。
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だが。
誰も知らない。
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人類が神に近づこうとしていることを。
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そして。
既に神へ到達してしまった存在がいることを。
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その少年は、神になりたいわけではなかった。
世界を救いたいわけでもない。
誰かを支配したいわけでもない。
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ただ。
面倒事が嫌いだった。
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友達もいらない。
夢もない。
目標もない。
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そんな少年が。
世界の真実に最も近い場所に立っている。
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神代玲司。
十六歳。
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これは。
世界の理を超えた力を持つ少年と。
人の心を理解できない少女が出会い。
やがて居場所を見つけるまでの物語。
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後に世界は彼をこう呼ぶ。
神殺し。
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だが。
その物語は、一人の少女の言葉から始まった。
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「やっと会えた」
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それが全ての始まりだった。




