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美智果とお父さん  作者: 京衛武百十
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それでももし、こんなのを真に受けるなら

アニメの中では、怪物に乗り移られたキャラが人間のそれじゃない目で睨み付けることで震え上がらせて解決した。現実には絶対に有り得ない解決方法だ。そんなの、何の参考にもならない。視聴者としては『ザマーミロ!』ってちょっとだけ溜飲が下がったかもしれなくても、だからって『こいつらボッコボコに痛めつけてビビらせて反省させればいいじゃん』とか『同じ目に遭わせてやるのが正解』って思う根拠には全くならない。


それでももし、こんなのを真に受けるなら、何か事件が起こった時に『アニメが影響した』とか言われても、それを否定できないと思う。


「ボッコボコに痛めつけられるとか猫と同じ目に遭わせることができるとか、それって確実に強いからできることだよね。強いのが弱いのを痛めつけて溜飲を下げるのって、猫をイジメてた彼らと何が違うっていうんだろう?。と言うか、そういう考え方そのものが、彼らが猫をイジメた行動原理なんじゃないかな」


「それは……」


と言いかけて、美智果はそれ以上何も言えなかった。やっぱり納得はできてないみたいだったけど、どう言えばいいのか分からないって感じだった。


イジメてた彼らをボッコボコにして猫を助けて良かった良かったって思いたい気持ちは僕にももちろんある。でも僕はそれだけじゃ上手くは行かないっていうことを知ってるから、美智果にそれを薦めることはできない。


「美智果。強い人が弱い人を一方的にボコるっていうのは確かに爽快かもしれない。でもね、それじゃ猫をイジメてる彼らと同じなんだよ。お父さんはそういうのが正しいことだって思わない。そんなのでスカッとするっていうのは危険だと思う。まさに悪魔の誘惑だよ。猫をイジメてた彼らはその悪魔の誘惑に負けたんだ。弱い相手を一方的に痛めつけてスカッとするっていう悪魔の誘惑にね」


「……」


「納得いかないかもしれない。お父さんの言ってることが間違ってると思うかもしれない。でも、スカッとしたいっていう気持ちが果たして正しい判断になるのかどうかっていうのを、少しでも立ち止まって冷静に考えてみるっていうのをできる人間になってほしいとお父さんは思ってる」


僕は美智果が大好きだ。美智果が思うようにしてあげたいと思ってる。だけど、そればっかりじゃダメなときもあるっていうのも分かってる。自分より弱い相手をボコってすっきりしたいって思ってしまいそうになるのを踏みとどまるっていうのも覚えてほしい。


猫をイジメてる悪者をボッコボコにするっていうのがどういう意味を持つのかっていうのを冷静に考えることができるようになってほしいんだ。



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