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美智果とお父さん  作者: 京衛武百十
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熱はかなりマシになったけど

翌日も、頓服は使わなくても熱はかなりマシになったけど、やっぱり学校に行けるような状態じゃなかった。だから一日、ゆっくりと寝ててもらうことにした。


昨日今日と、寒さが少しマシになった気がする。それがとてもありがたかった。エアコンを使ってても寒かったし。


昼過ぎ、「おなかへった」と美智果が言った。その時の表情がかなり明るい感じで、いつものそれに近かった。


「どう? 大丈夫そう?」


僕が尋ねると、


「うん、なんかすごく楽になった」


と言ってくれた。声にも張りが戻ってる気がする。


「惣菜パンが食べたい気分」


と言うので、またスーパーに惣菜パンを買いに行った。ベーコンと卵のやつと、ウインナーが刺さったやつを買ってきて渡すと、モリモリとそれを食べてくれた。


二つとも食べ切って、でも、


「何か物足りない…」


って言ったから、


「おにぎり? ピザ? 納豆ごはん? ナポリタン? カルボナーラ?」


と、その時点で用意できるメニューを並べさせてもらった。すると「カルボナーラがいい」という答えだったので、冷凍のカルボナーラを電子レンジで温めた。


それもつるつると食べて、でも半分くらい食べたところで「ごちそうさま」と言ったから、残りは僕の昼食にさせてもらった。


それにしても、いつも以上の食欲だったな。どうやらもう本当に回復してきたようだ。お腹も満たされたからか、二日間、ログインできなかったネットゲームにさっそくログインしていた。


「うお~! 会いたかったよ、ほたる~ん!」


だって。ああこれは、完全復活て感じかな。これで夕方とか夜にぶり返さなければ大丈夫だろうな。




夕方、気分も体調も悪くない感じだったそうなので、今度は自転車で検査の結果を聞きに医院に行った。


「インフルエンザじゃなかったですね。たぶん、普通の風邪でしょう」


とのことだった。正確には『原因が特定できなかった』ということなので、症状から見て<風邪>ということにしておこうという感じらしい。つくづく、<風邪>っていう病気が便利に使われてるなあと思ったりもした。


でも、この先生はとてもちゃんとしてる方なので信頼してる。分からないことは『分からない』と言ってくれるし、無闇に検査とかしないし薬も出さない。今回もちゃんと『原因が特定できなかった』と言ってくれたし。学校に報告するのに病名がいるので便宜上付けてくれたんだと思う。


こうして、美智果は三日目にしていつもの彼女に戻ってくれた。本当に良かった。


美智果が辛そうにしてるのが、僕にとっては一番、ダメージがあるよ。



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