表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
美智果とお父さん  作者: 京衛武百十
184/201

感謝してるのも分かるから

お祖母ちゃんからだけじゃなく小父さんからもお年玉を貰えて美智果はホクホクだった。


「うっしっし。よ~し、順調順調♪」


そんな風に言ってる姿さえ可愛く見える。実際、可愛いんだけどさ。


嫌味がないんだ。単純に喜んでるのが分かるから。喜んでるだけじゃなくて、感謝してるのも分かるから。ただの金づるだと思ってるわけじゃないのが伝わってくるからだろうな。


「ありがとう!」


母の内縁の旦那さんも、美智果のそんな様子が可愛くて仕方ないんだって分かる。


なんてことをしてるうちにも、家に帰る日になってしまった。


新年が開けたばかりだったから遊びには行けなかったけど、それでも美智果は満足だったらしい。


「もっといればいいのに」


小父さんにそう言われて美智果もまんざらでもないみたいだけど、そうなると友達と離れ離れになるからね。それは辛いらしい。


「また来ます!」


朗らかな美智果のその言葉が、何よりだった。小父さん自身も、それで認められてる気持ちになれるんだろうな。


バスで駅に向かい、駅で乗り換えの為に移動してると、美智果が不意に「あっ!」って声を上げた。何事かと見ると、


「パパ、アニメショップができてる!」


だって。見ると、確かに有名アニメショップチェーンの名前が案内板に。


知らなかった。いつの間にできてたんだろう。


「キャラソンのCD買えるじゃん!」


確かに普通のCDショップよりは確実に置いてると思う。家に帰ると同じチェーン店のアニメショップに行くにはやっぱり電車に乗ることになるので、ここで買えればまさにちょうどいい。


意気揚々とエスカレーターで上ると、すぐ前にお目当てのアニメショップがあった。


「お~っ!」


興奮した美智果がすっと入っていく。僕は休憩用の椅子に座って待つことにした。こういうのは本人の方が詳しいからね。


何気なく様子を見てると、店の中をあちこち見て回ってるのが分かった。お目当ての商品らしいものは手にしてるから、たぶん、ついでにいろいろと見てるんだろうな。そうやって楽しめるのなら何よりだと思う。


結局、三十分くらいあれこれ見たらしい美智果が紅潮した顔で出てきた。


「うひょ~! ゲットだぜ~!」


満足そうなその表情に、僕も嬉しくなる


「良かったね」


僕がそう声をかけると大きく「うん!」と頷いた。ホントに可愛いなあ。


それから同じ駅ビルの中にある百均に行ってヘッドホンを買った。僕のノートPCでCDを聞く為だ。


いよいよ電車に乗って、早速、ノートPCにCDとヘッドホンをセットして聞き始める姿に、満喫してるなと改めて感じたのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ