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美智果とお父さん  作者: 京衛武百十
182/201

間違いは改めていけばいい

間違いは改めていけばいい。僕はそう思ってる。最初から何一つ間違わない人なんていないと思う。だから間違ったことをしてしまったならそれを改めていけばいいと思うんだ。大人が率先してそういう姿を見せていくべきなんじゃないかな。


間違ったことをしてそれを開き直ったり逆ギレしたりするから尊敬されないんだろうな。少なくとも僕はそういう大人を馬鹿にしてきた。見下してきた。だから僕は自分が見下してきた大人にはなりたくない。


大人だって完璧じゃないってことくらいは、子供心に察してきた。だからみっともない部分があったってそれは別にいいんだ。僕が嫌だったのは、そういうみっともない部分を誤魔化して隠してなかったことにして偉そうにするから嫌だったんだ。だらしない部分とかみっともない部分とかを敢えて隠さずに見せた上で、大人としての責任を果たしてくれればそれでよかった。


家でだらしない格好しててもいいんだ。間違ってもいいんだ。僕は大人にそこまで求めてなかった。


それなのに僕が馬鹿にしてきた大人達は、自分が間違っても謝らない、改めない、開き直る、逆ギレするっていうのをしてきた。それがとにかく見苦しくて格好悪くて、信頼したりとか尊敬したりなんてできなかった。


それでも、母はまだマシだったと思う。だから内心では反発もしながらもそれだけにはならずにすんだ。わだかまりはあってもひどく噛み付いたりはせずにすんだ。僕は母のそういう部分については認めてる。そのおかげで道を踏み外さずにすんだのは感じてる。感謝もしてるし、尊敬もしてる。


それがあったから、母の失敗を参考にしてそれを気を付けるだけで、美智果との接し方に悩まずにすんだ。女の子だっていう部分で気を付けるべき部分は、妻をはじめとしたこれまで付き合ってきた女性から学んだ。女性だからって毛嫌いしたり馬鹿にしなかったことで学ぼうという気持ちにもなれた。


学ぶという姿勢の重要性を痛感する。


そうだ。僕はこれまでたくさんのことを学んできたからこそ今があるんだ。そしてそれを教えてくれたのは母だと思う。世間知らずで簡単に男に騙されるような母だったけど、それでも何かを学ぼうという姿勢はあった気がする。男に騙されたことから学んで、今は二十年も一緒にいられる男性と暮らせるようになったんだろうな。その母の姿勢を、知らず知らずのうちに僕も学んでたんだろうな。


もしここで僕がただ母を馬鹿にしてただけだったら、今の自分はなかった気もするよ。



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