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美智果とお父さん  作者: 京衛武百十
159/201

勘違いしてる大人の姿って

本当に、世間に名前を知られている企業の看板を背負ってるような人でも、人間として恥ずかしいことを平気でできるのがいるらしいというのを目にする度に、僕は情けなくなる。


こういう人は、自分が揮える権力を自分自身の力だと勘違いしてるのかなあ。


ネットの匿名の必要性について触れた時にも言ったけど、自分の権力で他人を踏みにじるのを当然のことだと思ってるような人を相手にする時には、身元を明かすとそれは自分の家族や周りの人を人質に差し出すのと同じだと思うんだ。


『お前の周りの人間を苦しめたくなければ黙ってろ』


そういうことを言ってくるのを相手にわざわざ身元を明かすのは悪手だと思う。


でもそれもそうだけど、どうしてそんな風にしてわざわざ他人に恨まれたり憎まれたりするような真似をするんだろう?。自分に権力があるから何をしても大丈夫だと思ってるんだろうか?。それを失った時に誰からも見向きもされなくなるっていうことを考えもしないんだろうか?。


そういう人には結局、共感性とか想像力とかいったものが欠落してるってことなのかな。そんな人がどんなに偉そうなことを言ってても立派そうなことを言ってても、何も尊敬できないし信頼もできないよ。


僕も立派な人間じゃないし誠実な人間でもない。だけど他人を踏みにじって思い通りにしようとは思わない。美智果にもそんな人になってほしいとは思わない。


こういう人達に踏みにじられないようにする為にはこっちも利口になるしかないとは思う。狡いことをしなくちゃいけない場合もあるかもしれない。その一つが、匿名を利用することなのかもしれない。


確かに自分の身元を明かさないのは正々堂々としてないとは思うよ。だけど、自分の身内や周りの人を人質に取ろうとするようなのを相手に無為無策で立ち向かうなんてただの蛮勇なんじゃないかな。


ただ、悪意に対して悪意で応えると結局は水掛け論になって無限ループに陥ると思うからそれは決して利口なやり方じゃないと思うんだ。


僕は決して、悪意で他人を踏みにじる人間を見逃せと言うつもりはないんだよ。あくまで相手と同レベルにまで堕ちる必要はないって考えてるだけで。大きな企業が自分達の力を盾に横暴なことをしたり傍若無人なことをしたりっていうのも許しておいていいとも思ってない。


でも結局、それをやってるのは人間なんだよね。企業の看板に隠れてるとしても、実際にそれをやってるのはそこにいる人間なんだ。その人達は自分のやってることが本当に誇れることだと思ってるのかな。その後ろ盾を失った時、助けてくれる人はいるのかな。


企業が持つ権力を自分の力だと勘違いしてる大人の姿って、恥ずかしいよ。



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