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美智果とお父さん  作者: 京衛武百十
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特別な配慮なんて要らない

僕は、自分ができるからって他人も同じようにできて当然って考える人間が苦手だ。そういう人とは関わらないようにしてる。


だから、発達障害を持つミチカちゃんに対して美智果が『どうして私と同じようにできないの!?』と苛立ちをぶつけるようなことをしてほしくなかった。


『障害を持つ人間にも特別な配慮なんて要らない』って言う人間がいる。僕はそういうのを見る度に情けない気持ちになる。そんなに自分以外の人が気遣われるのが許せないのかって思う。


強度の近視や乱視が、割とそんなに不便なく暮らせるのは、眼鏡やコンタクトレンズを使うことを配慮してもらってるからだよね?。それを、『特別な配慮なんて要らない』と、眼鏡やコンタクトを使うことを禁止されたらどうするつもりなんだろう。


視力矯正の技術が当たり前にあるからそんなに意識してないのかもしれないけど、強度の近視や乱視だって、立派な障害だよ?。視力矯正の技術が当たり前に使える状態にあるし就職とかで不利になることもあまりないから今はもう障害としては認められないかもしれないけどさ。


それでも、就学支援の中には眼鏡を購入する時の扶助だって含まれるくらいにはちゃんと配慮されてるんだよ。眼鏡やコンタクトレンズを使っていいってなってるのは、それ自体が<配慮>なんだよ?


そういうことも考えずに『障害を持つ人間にも特別な配慮なんて要らない』なんてよく言えるものだって思う。


人間には誰にだって得意なことと不得意なことがある筈なんだ。障害のせいで上手くできないことも、そういうのに含まれると思ってる。その程度のことも認められないのなら、


『人付き合いが苦手で、子供も好きじゃないから、自分は結婚もしないし子供も要らない』


なんていうのを認めてほしいって配慮を求めるのもおかしいんじゃないかな。それって生き物として本来備えてるべき能力が欠けてるってことだよね?。能力が欠けてることについて配慮を求めてるってことだよね?。


『自分はコミュ障だ』


とか宣言するのは、コミュ障だってことを配慮してほしいっていう意味だよね?。


自分は他人にそういう配慮を求めておきながら、他人には配慮したくないなんておかしくないかな?。


僕は、父子家庭だってことでいろんな形で配慮してもらってると思う。幸い、就学援助が必要になる程は困ってないから受けてはいないけど、毎年、それについての案内は貰ってる。それ自体が、『困ってませんか?』って気にしてもらう形で配慮してもらってるってことなんだ。


美智果もそういう形でたくさん周りからいろんなことを気遣ってもらってる。それを忘れないでほしいと思うんだ。



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