バズる
ニホンザルのパンチくんが世界的に有名になって久しい。動画サイトには日本語や英語のみならず、さまざまな国の言葉でのパンチくんを撮った映像のタイトルが並んでいる。
当初、それらを見ていて気付いたのだが、英語の「Viral」という単語が頻繁に出てくる。しかし、この言葉の日本語の意味が分からなかったので、翻訳アプリで調べてみた。すると、「viral は virusの形容詞形で、ウイルス性のという意味」だとあった。しかし、その訳を当てはめてみても文脈が通じない。そこでこんな時に重宝するのがAI君で、早速訊いてみた。すると、「viral は本来はウイルス性のという意味だが、ウイルスが瞬く間に広がる様子から、情報がインターネットや口コミで急速に広まることを指すようになった。つまり「 go viral 」で「バズる」という意味になるという。それで納得したのだが、パンチくんが何故こんなにバズったかについて、世界中の人々が興味と関心を持っているらしいということだ。
ついでに「バズる」はスラングなのかとこれもAIに訊いてみると、「スラングとして生まれたけれど、今はかなり一般化した「ネット発の現代語」くらいに考えるとちょうどよいです」との答えだった。
件の動画では小さいパンチくんが、自身の倍もありそうなぬいぐるみの「オランママ」を引きずりながら歩く姿が捉えられていて、その何とも言えない雰囲気に心を奪われる。可愛さは勿論あるのだが、反面哀愁のようなものも漂っている。それは、彼がぬいぐるみのオランウータンではない、ニホンザルのママから育児放棄されたという事実があるからなのだが、動物の世界では最初の子どもを育てなかったり、育てられなかったりすることは屡ある話だという。母親にしてみても、初めての事でどうすれば良いか分からないからのようだ。人間ならママ友や周囲の人に尋ねたり教えてもらうこともできるが、動物はそんなわけにはいかないから。可愛さと哀愁が「viral」に結びついたということだろう。
でも、そんなパンチくんも徐々に他のサルに馴染み、その結果オランママや飼育員さん離れも進みつつあるらしい。ファンからしたら喜ぶべきことなのだけれど、少し寂しいような複雑な気持ちになるのもわかる。




