日記
「梨花……姉?」
花梨……梨花の妹が、ボロボロになった俺と既に無くなった梨花の死体を凝視する。髪を手でクシャクシャにし、泣き崩れた。
「……」
とても、何かを言える雰囲気ではなかった。俺は……守れなかったのだ。今まで俺の事を気にかけていた梨花を。今まで俺のことを沢山助けてくれた梨花のことを。
「かりん……ち―――」
「ねぇさんは、どうしてこうなったのですか……」
「梨花は……―――ッ!」
花梨の目を見ると、涙を頬に流したまま、俺の事を憎悪の目で見ていることに気づいてしまった。
「姉さんは……最後まであなたを守ったんですか?!それとも……最後まで助けられて……」
「……」
「ねぇさんはこんな世界になっても、「あなたのことが心配だからって」言って外に出ていきました。……それがこんなことになるなんて……」
花梨ちゃんは泣き叫んでいる。自身の姉の死体の垂れた腕を掴みながら。花梨ちゃんは、誰も悪くないということを理解しているのだろう。だから俺の事を攻めたくても攻めれない。
だが悪いのは俺だ。もし世界の異変にすぐ気づき、外に出ていたら梨花を助けられたのかもしれない。
「命さんは……これからどうするんですか……」
「……」
「いつまでも黙ってないでさっさと答えてよッ!」
「俺は……梨花を殺したやつを……奴らを、この手で《絶滅》させる。どれだけ時間がかかっても……どれだけ批判させようと……」
最後の最後まで梨花は俺を守ってくれた。……これじゃ死んだ時梨花に顔を合わせられない。
「……」
「……ついてきてください」
花梨は、梨花の家の庭に向かっていった。鳥の泣き声が聞こえ、綺麗に手入れされている庭は、幻想的にも見えた。
「……梨花姉はよくここで、庭の手入れをしていました。梨花姉もここで眠れるなら……ゆっくり休めるでしょう」
「……わかった」
―――
―――
―――
梨花に土を被せる。日本では珍しい土葬……。こんなことができるのは今だけだろうな。
梨花……本当にありがとう……そしてごめんなさい。
土が完全に被り、梨花の体は土に埋まった。
俺と、花梨は、埋めた場所に一礼し、そこを離れた。
「姉さんは、あなたの事を理解するために、色んなことに挑戦してたんですよ。工作とか絵とか……」
「あぁ……」
気づいたら梨花の部屋の中に入っていた。何年ぶりだろうか。女の子らしくない部屋だった。色んなプラモデルや工作物が綺麗に飾られている。どれも俺の好きな物だった。
「私はこれから、学校に向かいます。篠原さんは?」
「俺は……」
自分は、梨花の作ったプラモデルを見た。綺麗に塗装されており、まるで本物のようだ。
「今答えを出す必要は無いと思います……。だけど……姉さんが託したあなたの命を絶対に無駄にはしないでください。もしあなたが自分から死を選んだら私は絶対に許しません。」
そういうと花梨ちゃんは部屋を出ていった。
ついて行くべきなのだろうが花梨ちゃんはそれを許さないだろう。
ロボットモノのプラモデル。優秀な委員長の梨花がこんなものを作っていたなんてな……。俺が部屋に来ていた時は、隠してたのか?あれは……
目に入ったのは、俺が初めて梨花にあげたダンボールの剣だった。ふにゃふにゃだが確かあれで虐められていた梨花を守ってあげてたんだよな。今思うと恥づかしい部分もあるが同時に誇らしい気持ちもあった。俺は正しいことをした、そう思った。
「ダンボールか……」
俺は決意した。梨花の時と同じようにダンボールを使った何かで人々を守ると。
―――
―――
―――
半月が経った。
半月の間に俺は色んなことを試した。
まず《ストーリー》
これはよく分からない。ストーリー進行率というものがあるがまだ「0.00%」何十年後にこの「災悪」が終わるのか。終わったあとがどうなるかなどわかりきっていない。
次は初期能力値
ここには自分の保有しているスキルと、《隠れステータスが存在する。》
隠れステータスというのは、ステータスで、素早さが0でも走れたり歩けたりするように、自身の肉体的能力の事が書かれている。今のところ毎日自重トレで筋肉痛になっているのと明らかに筋肉ができてきているから大丈夫だろう。
そして重要なのが加護
梨花が死後、俺に使ってくれた力の詳細は、スキルの拡大解釈と、魔力の高効率使用、そして規模の拡大。梨花のお陰で俺は様々なことができるようになった。まず周辺の家を使った要塞の生成である。家一軒を動かす度に魔力切れを、起こしていたが今では同時に複数の家を動かし、3軒事に魔力切れを起こすようになった。これは梨花の加護の魔力の高効率使用のおかげだろう。
そしてスキルの拡大解釈。要はスキルの超細分化使用が可能になったのだ。殆どが自身の想像どうりの性能を持つものを魔力消費によって作れるようになった。
元々のスキルの説明が「スキルレベルが上昇していく事に様々なものを独自または、物体を元に新しく創造及び改変することができる。」の改変にあたる部分が非常に重要だ。
これはやろうと思えば、銃の機構を持たないのに弾丸を発射できる物を作成できるのだ。
まぁよぉは、RPG-7の形に切り取ったダンボールに自身のスキルを使用し、弾丸も制作し撃つ事を意識すると実際に発射された。だがそれは予期せぬ出来事も産んだ。
物体の暴発である。私の場合、トリガーを引いたら弾丸が発射されるという認識だ。そしてスキルで改変したものはもう二度と元に戻せない。トリガーを作成してなかった初代ダンボール製RPG-7は一定範囲内で撃つと思ってしまった回数、弾丸の残数の分まで撃つのだ。これがまずかった。これは自身の認識を変えない限り、このような出来事を起こしてしまう可能性があった。だからトリガーやレバーも作成した。これはフルオート、セミオートも分けるものでもある。セミオートにしておけば単発で弾丸が発射され、フルオートにレバーを固定していれば連射ができる。サプレッサーとして改変、固定したやつは実際にサプレッサーとして機能し、100発の弾が入るマガジンと改変・固定したものはマガジンの大きさに関わらず100発入る。だがそのような”無理”をすると、1回の改変・固定の消費魔力量が爆発的に増えるのと、重さがその分加算されるため、やらない方がいい。
だが、「無敵」やら「瞬間移動ができる土」などといった極端な物は作れない……厳格にいえば作れるが必要なスキルレベルが11桁な為俺の生涯でそういうものを作るのは無理だろう。
たが簡単な”アイテム”の創造はできた。これがかなりでかい。もし戦闘中にパニックに陥ったら?もし簡単な距離を瞬間移動できたら?
ここで俺のスキルのスキルの説明が「スキルレベルが上昇していく事に様々なものを独自または、物体を|元に新しく創造及び改変することができる。」がまた生きてくる。
ゲームや、RPGでは、指輪や装飾品にプラス効果や、特殊な効果が付くことがあるだろう。ドラ○エで言う呪われた装備シリーズとか。俺はそれを参考に玩具の指輪にスキルを使った。
精神抑制の指輪は作成できたが、元のスキルレベルの関係か、「精神抑制の指輪・E-」というものが作成された。だが作れたはいいものの全魔力を使用して作成されたものだ。簡単に言うと自身で”特殊能力を持つ・自身のステータスを永久的に上昇させるようなアイテム”を作成する場合それに沿った量の魔力が消費されるということだ。そして全魔力を使用して精神抑制の指輪の作成はできたが、瞬間移動の指輪は作成できなかった。これはスキルレベルが足りないから作れないのか、全魔力を消費しても足りていないので作れないなのかそれまた別の何かによるものなのかは実験の余地がある。
次は能力について。
ここには初期能力値と全く同じ説明文が書かれてある。だがそれだけだ。スキルは増えるものなのかなどまだまだ分からないことが多いい……。また人それぞれによってスキルが違う可能性があり似ているのもあれば、全く異質なものもあるかもしれない。梨花のスキルはゲームで言う支援系だろうか?俺のは……錬金系?
次はレベルについて。
現時点倒した鬼の数は一体。ここ半月この辺りには鬼は出現していないようだ。もしくは単に遭遇していないだけか。
現在のレベルは3。レベルが上がったことによりステータスポイントが貰えた。既にポイントは振ってある。
次はランクである。
チュートリアルによると”この国”ではアルファベット順によってランクが決まると書かれていた。
大きく分けると
E
↓
D
↓
C
↓
B
↓
A
↓
S
に分けられているらしい。もっと詳細に分けると+-が付く。ちなみに自身のランクは【S+】である。だが慢心はできない。前回鬼と戦った時死にかけていたし、これは梨花の加護による拡大解釈によってランクが上昇したものと考えた方がいいだろう。ランクSのやつが鬼に簡単に殺されるだと人類がいくら力を得てもSランク以外亜人に対処できないのなら力を授けた意味が無い。
魔法
不明
ステータス/ステータスポイント
level 3
《力 0》
《体力 0+20》
《防御力 0》
《素早さ 0》
《魔力量 2+50》
《物理防御力 0》
《魔法防御力 0》
《総合力 1+100》
ステータスポイント数 0
フレンド
まだよくわかっていない。フレンドになったらなにか起きるのか?
アイテム/アーティファクト
これは重要だ。UIを開いた時右の方に、アイテム・アーティファクトを装備する場所が表示されている。指に10個。首に1個。これが装備できるアイテムの上限なのだろう。
またポーションなどもあるかもしれない?
勢力
不明
亜人種
亜人種……こいつがいちばん厄介である。
まず亜人種は、日本列島に、2種類確認されているらしい。【魕鬼種属】と【妖怪種属】というものだ。まだよくわかっていないが人類に敵対的なのはわかる。
亜人支配区域
不明。だが0.02%と表示されているが大丈夫だろうか?
―――
―――
―――
梨花が亡くなってから半年が経過した。俺はとうとう、鬼共を駆逐するフェーズに移行する。既に電気、水道は止まりインターネットも使えない。ていうか衛星が流れ星として流れているぐらいだ。既に一部都市では水没が始まっているだろう。
偵察を行った感じ、子供達の殆どが中・高生だった。これはしょうがないコネがなきゃ働くこともできない幼稚園児・小学生は犠牲になってしまうだろう。もちろん助けられないわけではなかったが……いや……このことを考えるのはやめとこう。
この半年の間でLvは10まで上がった。ここら辺にいる奴らなら何とかなるだろう。そして”新兵器”の、実験も兼ね備えて……
「―――行ってくる梨花。」
彼は自身が作った要塞をぬけ、前に進んだ




