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Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜  作者: hanaXIII
第三章 王都クエスト依頼〜新たな出会い――守護者とゴブリンキングの激闘 編

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第七十九話 テンプレ

いつもご愛読ありがとうございます。

王都へ降り立った花が出会ったのは、何やら怪しい集団に追われる謎の美女、アユ。

「魔法が使える」と語る彼女と、トラブル続きの王都散策が始まります。

テンプレ展開に呆れつつも、花は彼女に興味を惹かれていき……?

(お、追われてる?!この女性が?どういうことだ?このテンプレみたいな展開は?)

ひとまず花は路地へ逃げ込む。


数人のプレイヤーが通り過ぎるのをじっと待った。しかし、あたりをまだ捜索している気配がする。


「ここじゃ危ない、移動しよう。」

「い、移動?ここは行き止まりじゃあ……」

花は女性を抱えてジャンプする。

(ん?なんか、楽に飛べるぞ?)

建物の屋根の上を、ジャンプで移動する。


ひとまず、王都が一望できる教会の塔の上まで移動した。


「助けてくれて、ありがとう。あなたはプレイヤー?」

「ええ、まあ、プレイヤーです。」

「敬語はやめましょう?見たところ、歳も同じくらいだし。」

「これは、アバターだぞ?」

「ん〜?多分、あなたのアバターはほぼ本人だね。見ればわかる。」

「なんでだ?……ああそうか、なるほどな。

もしアバターなら、もっとイケメンにするか、高身長にするか、だよな?

ぷっ、あんた、なかなか鋭いな。

この顔、どう見ても後付けでやるアバターじゃないわな」

「気を悪くしないでね?あなたがブサイクだと言ってるんじゃないの。アバターを変えてる人って、なんか、独特というか、あからさまだから。」

「全然大丈夫だ。ガキの頃から自覚してるから、なんも思わねえよ。」

「ガキのころって、数年前のことを昔のことみたいに、あなた、面白い人ね。」

「いんや、数十年前だぞ?」

「……え?………ま、まあ冗談はさておき、あらためて、助けてくれてありがとう。

わたしの名前はアユ。よろしくね。」

「俺は、花、よろしくな。

ところで、なんで追われてたんだ?」


「……なんでだと思う?」

(あ?ちょっとめんどくせぇなあ、まあ付き合ってるやるか。)

「まあ、ナンパだろ?」

「んー……惜しい!正解は、これです。」

アユは、花に対して手を当てる。すると、花は光に包まれた。

(?!なんだこれは、体が、軽い?!)

「今は先頭じゃないから、あまり実感がないかもしれない。わたしは、魔法が使えるの。」

「ま、魔法?!」

(う、うおお!ついに、ゲームっぽいやつが現れたぞ?たしかに、まだ見たことなかったなあ。)

「もしかして、魔法使いは、珍しいのか?」

「ええ、しかも、このビギナ大陸では、新規ユーザーがほとんど。

魔法を覚えられるのは、ダイニー大陸にある、"magical college"に通わないと、会得できない。

だから、その……この時点で魔法を扱える私を、みんな勧誘してくるの。」


「いや、それだけじゃねえと思うけどなあ。」

「へ?……はっ!」

アユはガバッと胸元を隠す。

「あ、あなた、そっちが目的だったの?!」

「はあ??目的って、俺は追いかけてたわけでもねえだろ?

ただ、そんな格好でいたら、魔法使える云々の前に、そりゃあ吸い寄せられるって。

自覚した方がいい。」

「だって……おしゃれは、したいじゃない?」

アユは恥ずかしそうなら下を向く。


「魔法か……そんなこともできるのか……どんな感覚なんだろうな。憧れるぜ。

てかよう。なんで、このビギナ大陸の時点で、魔法が使えたら、貴重なんだ?」


「あ、あなた……花は、チュートリアルとか、いろんな情報って見てないの?」

「めんどくせぇから、ほとんど見てねえ。行き当たりばったりで、知っていく感じだ!」


花はドヤ顔では自信満々な態度をとる。


「そ、それは、自信満々に言うことじゃないと思うけど……どう?助けてくれたお礼がしたいんだけど……どこかで落ち着いて話せる?」


「ほう……どこかで落ち着いて……話す、ねえ。」

「ちょっと?そっちは無しだからね!ぷっ。あなた、面白いわね。久しぶりに面白い人に会ったわ。」

「なーんだ、全然焦らねえじゃねえか〜。ぷっ、俺も、久しぶりだ。こんなノリで対等に話すのは。大抵変態扱いされたり、こっちからいじってるんだけどなあ。」

「あら、それは、私がピュアじゃないって、言いたいのかしら?……は、な、さん?」

アユは、胸元を強調して、花に近づく。


「わ!ちけえよ!わーった、わーった!どこか近くだな?

とりあえず、あの辺なんかどうだ?俺は今日初めてきたから、全然王都のことは知らねえんだ。」

アユはマップを開く。

「この辺りに、王都直営のお店があるわ。そこなら安心だから、ここまで行きましょう。少し歩くけど、ごめんね。」

「おお、ここね。じゃあ。しっかり捕まれよ?」

花は、アユをお姫様抱っこする。

ヒョイ。

「へ?ああ!ちょっと!」

「時間がもったいねえから、急ぐ!いくぞ!」


ドン!


花は飛び上がり、何度か着地しながら屋根の上を高速で移動する。


スタン!


「よし!着いたぞ!ここで間違いないか?おい!大丈夫か?」

アユはぐったりしている。

「ちょ、ちょっと……もっと、優しくしてよね。こ、怖かった〜。」

「あ、すまない。つい本気で……立てるか?」

「もう……ちょっとふらつくから、腕かして!」

そういって、アユは花の腕に絡まる。


(こいつ、なかなか慣れてるな。変な縁だが、まあいい。魔法のこと、ちょっと興味ある。)


「さあ、ここよ。花は魔法に興味があるって言ってたわね。

じゃあ、お礼に、色々おしえて、あ、げ、る!」

「普通に話してくれたんでいいからな、よろしく頼む。」


第七十九話 完

第七十九話をお読みいただき、ありがとうございました!

突如現れた魔法使い・アユ。彼女が語る「魔法の秘密」とは?

そして、花とタクの王都での邂逅は近づいているのか……。次回の王都直営店での対話、お楽しみに!

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