第百九十三話 施設内探索
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前話では、地下闘技場で不正デバフの罠をものともせず、ひょっとこ面の花が「拳骨一発」で相手を粉砕して会場を大歓声で包み込みました。
今回は、新エリアの娯楽施設へと潜入したランス、ユナ、ミント、コリスたちの探索編です!
「見てください!あっちにスイーツのお店があります!あ!あっちにはお菓子屋さんです!」
「コリス?欲しいのかい?」
ランスはコリスにお菓子を買う。
「やったー!!ありがとうございます!ランス兄様!」
「ふふ、よかったですね、コリス。」
四人は施設が立ち並ぶ敷地内を歩いて回る。
飲食のできる場所など、至って普通の商業都市。
奥に行くほど次第に道が狭くなる。
建物の間を突き抜けると開けた道が現れた。
大通りを挟んで左右にはびっしりとネオン街が立ち並ぶ。
「こ、これが娯楽施設?」
「な、なんだか怪しい雰囲気だね、けど、すごくにぎわってる。」
(正直、僕はまだこんな世界を知らない。危険そうなのは雰囲気でわかる。すこし歩いて観察してみよう。)
「少しこの通りを歩いて様子を見てみよう。中に入るかはそれから考えよう。」
大通りを歩きながら、一つずつお店の雰囲気を見る。
(なるほど、男女で入るお店が違う。花からは大量のGを預かった。調査してこいって言われても、どこに行けば良いかわからないなあ……あ、そうか、花なら……)
案内所らしき場所で、ランスはスタッフに聞く。
「ここで、一番良い店はどこだ?」
「そうですね。ここが一番高級な店です。お客様、失礼ですがご予算は?」
「300万Gだ。入れないか?」
「とんでもございません!さあ、案内いたします!」
「ここからは二手に別れよう。ミント、ユナをたのんだ!」
「はい、かしこまりました、ランス様。コリスをよろしくお願いします。」
「そちらのお方は、ご予算は……」
「わたしたちも、300万です。」
「かしこまりました!こちらへどうぞ!」
ランスたちは二手に別れてそれぞれ一番良い店に誘導された。
◆
「すごいですランス兄様!天井がキラキラしています!薄暗いのに、全てが眩しいです!」
コリスは小声でランスと会話していた。
「ああ、雰囲気あるよ。とても値段が高そうだ。」
(よくわかんないけど)
二人は席に案内される。
しばらく他の客を眺めていた。すると、コリスが突然ランスの腕を引っ張り、小声で話す。
「ランス兄様!!あそこ!あの、ウサギの!ラピーです!!」
「なに!?ラピーだって?」
(ここで働いてたのか、いや、なんでここで働いてるんだ?)
そこにスタッフがたずねる。
「お客さま、どなたか指名はございますか?入り口のお写真で、気に入った子はいましたか?」
ランスはすかさず答えた。
「あの子がいい。できるか?今日は混んでそうだから、とりあえず一人でいい。」
「はい、かしこまりました。すぐにお呼びいたします。」
ラピーがランスたちの席につく。お面をしているためコリスには気が付かない。
「い、いらっしゃいませ……お酒は……何にしますか?」
「僕はお酒はいいや。ジュースをお願いします。オススメで。」
コリスの分も含めて、慣れない手つきで用意する。かなり緊張している様子だ。
コリスはかなり小声でラピーに話しかける。
「ラピー!わたし!チビだよ!」
!?
ラピーはびっくりして顔を上げる。
「チビ?え?わたしの知ってるチビは……」
「テイムしてもらったの!探したよラピー!どうしてここにいるの!?途中で仕事が変更になったの?」
「…………実は。」
その後三人は小声で話す。
ラピーはコリスとの待ち合わせの際に、軽い資材の運搬の募集が目に止まり、すぐ済むと思って働いたとのこと。
しかし、行ってみると、知らないスタッフに誘導されて、書類にサインすると、その仕事内容は資材の運搬ではなく、このクラブで仕事をすることだった。
しかも、ただの接客ではなく、客が求めてくることはなんでもしなければならないというもの。
もし途中で辞める場合には、賠償として、100万G必要とのこと。
「なんてことだ。もしかして、ここにいる子たちって……」
ラピーはこくりと頷いた。
(やっぱり……自分から働く子もいるかもしれないけど、お客さんからなにをされても平気な子なんて、普通はいないよなあ。)
「ラピー!出ようよ!」
「で、でも……お金が……」
(救ってあげたい!100万なら今すぐ救える……でもこれは花の……な、なに考えてるんだ!花なら迷わず使うはず!後で怒られよう!)
「お金ならある。とりあえず、これを受け取ってよ!今すぐ一緒にここから出よう!」
「え!?こ、こんな大金……」
「大丈夫だよラピー!わたしたちを信じて!」
「ありがとうチビ!」
ランスはひとまずチェックした。
スタッフは店の裏路地から出てくるらしく、そこで待ち合わせをする運びとなる。
店の外。
「ラピー……大変だったみたいだね……まさかここにいたなんて……」
「でも良かった。まだプレオープンしてまもないから、そこまで被害は受けてないんじゃないかな。早めに見つけられて良かったよ。
さあ、僕たちは裏口で待とう。」
二人は裏口に回る。
すると、大声でスタッフが話している様子が聞こえてきた。
「おい!あのウサギの獣人!いきなり100万円突きつけてきたぞ!そんな金どっから湧いてきたんだ!?」
「知るかよ!だが契約上解放するんだろ!?仕方ねえ!」
「くっそー!上玉だったのに、もったいねえー!」
「人型に進化しているバニーガールだからな、なかなかいねえのは事実だな。」
「なあ、契約更新させるってのはどうだ?新しい契約書作ってよお。」
「お!いいな。それなら何も文句はねえはずだ。よし、早速書かせよう。あいつらは、そこまで賢くねえ。」
(なに!?ラピーを再契約だと!?どうしよう、そんなことになったらまた出られなくなる!くそ、花からは問題を起こすなって言われてる……)
「ら、ランス兄様……ラピーが……」
コリスは心配そうにしている。
(ええい!花ならきっと止めに入るはずだ!勇気を出すんだ!)
シャ!
ランスは大剣を取り出す。
「まて、そこの二人。」
スタッフ二人は振り向く。
「な、なんだお前は!?変なお面をして!」
「お、おい、この方は先ほど来店された、高級枠のお客様だぞ!」
「こ、これは大変失礼しました!な、何か御用でしょうか!?」
「今の話、たまたま聞いてしまった。
彼女はわたしの知人のものでね。ここで待ち合わせしているんだ。」
「そ、それはそれは……今すぐに呼んできます。」
シュパ!
ランスはスタッフの首筋に剣を向ける。
「なにか契約をさせるとか……聞こえてきたが……」
「い、いえ、そんなこと……」
「信用ならんな。俺もついて行く、案内しろ。」
(く!高級枠の客なら仕方がない!しかも、会話を聞かれていた!)
「ど、どうぞこちらへ……」
二人は前を歩き、ランスは大剣を向けたまま後ろからついて行く。
すると、スタッフが待機しているフロアにたどり着く。
割と広めのフロアであり、五人ほどがラピーを足止めしていた。
(くそ!足止めがバレてしまう!)
スタッフたちが振り向き、ランスたちを睨みつける。
「お前、うちのスタッフに何を剣突き立ててるんだ?一人でこの人数を相手にできると思ってるのか?」
「さあ、やってみるか?PvP申請はするか?それともこのままやるか?」
「舐めやがって、お前ら!こいつら捕らえるぞ!」
第百九十三話 完
第百九十三話を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!
今回は、きらびやかな娯楽施設の裏で渦巻く悪質な騙し契約の闇と、それに立ち向かうランスの優しさと格好良さが爆発した最高の回でしたね!
花から大量のギルを預かり、「ここで一番良い店はどこだ?予算は300万ギルだ」と豪快に案内させるランスのセレブな調査方法には、花の教え(?)が活きていてニヤリとしました。そして、悪質な契約で縛られていたコリスの親友・ラピーとの奇跡の再会。花のギルを「花なら迷わず使うはず!」と躊躇なくラピーの解放金(100万ギル)に充てるランスの信頼関係の深さには胸が熱くなります。さらに、ラピーをさらにハメようとする悪徳スタッフたちを前に、「花ならきっと止めに入るはずだ!」と大剣を抜くシーンはシビれました!多数の敵に囲まれながらも、総合優勝者としてのオーラを放ち「さあ、やってみるか?」と不敵にPvPを迫るランスの格好良さ、次回のバトル展開への期待が最高潮に高まります!
「ランスが大剣を抜いて立ち向かう姿が王子様すぎて最高!」「花のギルを信頼して使うランスの決断が熱い!」など、今回の感想や応援をぜひメッセージで届けていただけますと嬉しいです!
皆様からいただく応援の**【コメント】、作品を追いかけるための【ブックマーク登録】、そして【ポイント評価】や【コンテスト】**への応援が、般若面を被ったランスが高級クラブの悪徳スタッフどもを大剣で一網打尽にし、ラピーを完全に救い出すための最大のモチベーションになります。ぜひ、hanaXIII への力強い応援をよろしくお願いいたします!
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