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第一話 ご褒美

※本作は

・アラフォー主人公

・フルダイブVR

・人生やり直し(?)

そんなお話です。


ゆるく始まりますが、少しずつ人間ドラマも増えていきます。

気楽に読んでいただけたら嬉しいです!

俺の名前は花峰佑城。

今年で40歳になる、どこにでもいるサラリーマンだ。


背も高くない。

顔も良くない。

運動神経も並以下。


――つまり、何一つ自慢できるものがない。


人生の折り返しを迎え、ふと、自分の人生ってなんなんだろうと、絶望する日々を送っている。

妻と子供はいる。

ただ、結婚して子供がいる。

それでほんとに幸せと言えるのだろうか。


どんな人と過ごし、どんな風に生きていくのか。


俺は毎日悩んでいる、、、、


そんなところに、あるゲームがきっかけで、俺の人生は再び動き出すのだった。



5年前、クリスマス一週間ほど前


「よし、これは娘の、、これはエリ、、これはお義母さんの分、、っと、できた」


俺は家族の分のクリスマスプレゼントを用意していた。


「みんな、喜ぶかな、、、」


一通り終えて、ふと思う。


(、、、俺は、誰かにクリスマスプレゼント、、、もらえるのか?、、、いや、別に貰えないからどうこうってのは無いが、、、)


俺は経営者をしていたじいちゃんからこう教わっていた。

「佑城、良いかよく聞け。人にして与えることは、ドブに捨てたものと思え」

「?、、じいちゃん、どういうこと?あげるものを捨てるの?」

「そうじゃない、自分が誰かに尽くすというのは、見返りを求めてやるものじゃあ無いということだ。」

「じゃあ、僕は何もしてもらえないの?」

「そうじゃない、誠意というものは、自分がその人を幸せにするためにどうしたいか、一方通行で良いんだ。

自分がしたことに対して、相手がどう自分に尽くしてくれるか、そんな考え方は見返りだ。

そしたら、佑城はワシから、今までこんだけしてあげたんだから、何でも言うことを聞きなさいと言われたら、どんな気持ちになる?」


「うーん、、、嫌だけど、聞かなきゃいけないのかなって思っちゃうかなあ」


「そんなことを後で言うてくるやつと、お前は仲良くしていけるか?」

佑城はクビを横に振る

「嫌だなあ、それなら、初めからその人に、何もしてほしくないや、後でそう言ってくるんでしょう?」


「そうだ。だから、人に何かをするときは、見返りを求めないのが前提でやりなさい。そうすれば、自然と周りも同じような考え方の人が増えて、お前の回りは良い人たちで囲まれるからな」

「うん!わかったよじいちゃん!」


そんな昔のことを思い出していた。


(けどじいちゃん、、、俺、、未熟なのかな、、、そんな風に思えないや、、、自分に嫌なことをしてくる人、嫌だと伝えても理解してくれない人に、、、善意でなんか出来ないよ、、、じいちゃん、、、)


そう。

俺は妻と折り合いが悪かった。

結婚したから価値観が合わないことが増えてきて、その度に衝突。

子供が出来たら変わるかもと思ったが、それは無かった。

俺は絶望していた。


そんなある日


家電量販店で、話題のゲームに出会う。


フルダイブ型のゲームがついに発売するとのことだ。


(ああ、アニメとかであるやつか、、良いなあ。もう現実逃避したい。、、、俺、こんな頑張ってるんだ、、、自分で言っちゃじいちゃんに怒られるかもだけど、ほんとに頑張ってるんだ、、、よし、自分へのご褒美に買おう。)


俺は即買いした。


そしてその日から俺はゲームに没頭することとなったのだった。


人生に絶望し、ストレスの捌け口もない。

価値観の合わない妻。


このゲームを中心に、俺の人生は少しずつ変化していく、、、しかし、この時の俺はまだそのことを知らない。

どこにでもある人生の理不尽さ、みんなはどう向き合ってる?

これから俺は、その理不尽な絶望に立ち向かっていく。

そんな一人のアラフォーの物語。


――そのゲームの名前は、

まだこの時の俺は、深く考えていなかった。


まさか、五年間も“初期の街”から出られなくなるなんて。


第一話 完



ここまで読んでいただきありがとうございます!


「40歳主人公ってどうなの?」と思った方、

たぶんこの先で少し印象変わります(笑)


次話もよろしくお願いします!


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