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悪魔な小悪魔ネネの転生者にアレコレしてもう恋しちゃったじゃん  作者: 十矢


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水の妖精の仲間はどこに

 広い草原で、風もある。

 空も晴れていて、気持ちいい。

 けれど、不思議なことに遠くは崖や山のようなものに囲まれていて、ここの辺りは目隠しされているようだ。

 もしかしたら、空からも観えていない場所なのだろうか。


「ここって妖精のお庭なの?」


 わたしが聴くと、少し離れていた妖精がこちらを向く。


「お庭というか、元は放棄されていた場所よね」

「ねぇ〜」

「長年誰も来なかっわよ」

「ねぇ〜」

「わたしたちが利用して何年だったかな」

「ねぇ〜」

「忘れちゃったわ」

「ねぇ〜」


 どうやらもう一妖精は、うなづくのが好きなようだ。

 放棄されていた場所なら、以前はもっと荒れていたのかもしれない。

 水場がいくつかみえる。

 水の魔力がここには、満ちている。


「水の魔力がここにあるのは、あなたたちが生活しているからなの?」

「いいえ。違います」

「それじゃ」

「わたしたちが水の魔力で栄養をつくっていたら、だんだんとここの土地が豊かになったのです」

「わたしたちが、目隠しもしたし」


 上をみると、やはり霧のような薄い(もや)があり明かりは届くのに、どこかぼんやりしている。

 草原のいくつかの場所には、起伏があり丘みたいになっていたり、岩肌があったりと平らではない。

 少し遠くに、テントのような小屋のようなものが集まるところもあり、そこで暮らしているのだろうか。


「不思議な場所ね。暖かいし明るい。湿気があるから少し蒸してるくらい」

「ここで見つかるのかしら」

「さぁ、わからないわ」


 わたしたちが話していると、ここの場所を紹介してくれるらしい。


「お庭ではないけれど、いまはわたしたちが管理しているの」

「暮らしてるのは、いろんな場所だけどね」

「もう一妖精いるわ」

「どこいってしまったのかしら」


 さっき洞窟のなかで過ごしていたのは、もう一妖精を待っていたかららしい。


「戻ってみたほうがいい?」

「平気よ。迷うのはいつもなの」

「ねぇ」

「何種類かの入口の鍵を渡すのだけれど、いつも失くしてしまうの」

「ねぇ」

「貴女が持っていたのは、正面の入口の結晶ね」

「そうそう」


 他にも入口はあるらしい。

 けれど、ヒイロがそれを拾ったのは海だから、その妖精も近くにいたのだろうか。


「失くしたあと、じゃ他の場所から入ってくるの」

「そういうときもあるし」

「わたしたちが探しにいくこともあるわね」


 結局探したりするらしい。


「大変なのね」

「そうでもないのよ」

「そうなの」

「だいたいキレイなものか、珍しい悪魔とか変わったものに眼がいくみたいだから……」

「そこをバッと捕まえばいいのよ」

「なんだか妖精狩りにでかけてる話しみたいね」

「なにかあなたたちは、狩りにでかけるの?」

「やだぁ野蛮!」

「悪魔だからね」

「そこは、否定しましょうね」


 ミレイが、あきれている。

 ヒイロとアマツキは、妖精と話すことに、慣れてきているみたい。


「ちょっと探しにいきましょうよ」

「え、いいえ。あなたたちに、そこまでさせるわけには、いかないわよ」

「そうそう!」

「なんか妖精ってのんびりしているね」

「メディも割りとのんびりしてない?」

「そうかな」

「普段は、のんびりじゃんね」

「仕事はするからいいよ」

「ま、そこはね」

「仕事してないメディもいいけど、迫力は仕事してるときのほうがいいわ」

「どれだけ殺気だってるんだろ」

「眼で悪魔殺せるわよ」

「レーザーでてる」

「え、メディ眼からレーザー?」

「すごい」

「誤解がひどいな」


 二妖精が、話しを聴いてくすくすと笑っている。

 でも、ときどきキョロキョロ見回しているのは、仲間のもう一妖精が気になるのだろう。


「やっぱり探しましょう」

「そうね。これだけメンバーいればすぐよね」


 ミレイも賛同してくれると、みんながさっそく情報を聴きだしている。


「どんな妖精ですか」

「特徴は」

「なにが好きとか」

「なんて呼べばでてくるかしら」


 わたしたちが一斉にしゃべるから、二妖精が、しばらくびっくりしている。


「悪魔も天使も不思議ね」

「そうみたい」


 妖精くらい不思議な存在もなかなかないとは想うのだけど、その妖精たちに不思議がられてしまう。


「わかりやすいのはなに?」

「そうね……少しおかしなことを探すのが好きらしいから、なにかまた見つけたのかもしれないわ」

「あとは、寄り道……」


 寄り道しているだけならいいけれど、少し心配になる。


「ほかに、妖精たちはどれくらいいるの?」

「ほかにって」

「ほかの妖精」

「わたしたちと、その子だけよ」

「そ、そうなんだ」

「ほかの妖精たちって、いないのかしら」

「どこにいるのかな」

「妖精ってどこにでもいそうで、どこにいるかわからない」

「妖精界よね?」

「妖精……界」

「ここは悪魔界」

「そうだったわね」

「天使は、いってきたわ」


 二妖精が、不思議そうな表情だ。


「ほかのは、どこにいるのかしらね」

「ねぇ」

「そういえば、ここ最近みないね」

「ねぇ」


 妖精は、やはりのんびりしてるらしい。

 妖精たちの仲間は、どこに集まるのだろうか。

 たしかに悪魔のいる場所ではあるけど、天使もみるし、ほかの種族もときどきはみる。


「探しましょう」

「いこう」


 二妖精と連れながら、さっき入ってきた場所とは、違う入口に向かうほうがいいだろう。

 でも、どこの入口からいけばいいのだろうか。


「どこからいくの」


 そう言って周りをみるも、さっきの洞窟以外は、どう行けばいいのかはわからない。


「こっちからにする?」

「もうひとつ向こうかな」

「そうする」


 もうひとつ向こうとは、いったいどこなのだろうか。


「こっちです」


 二妖精が、ふわりと浮かびながら案内してくれる。

 草原のなか進んでいくと、ひとつの水溜まりの前で止まる。

 そこに、しゃがみこむ。


「ねぇ、水よ」


 わたしがメディに話しかけると、メディはジッと妖精の作業をみている。

 わたしもそちらを観る。


 ニ妖精が、足元にある水溜まりに手を触れると、少しずつ水が持ちあがる。

 すると、水の粒が登ったあと弾けるように拡散し、そこには扉が現れた。


「トビラね」

「これって」

「隠してあるの」

「そうそう」

「もしかして、他にもあるの?」

「たくさんあります」


 たくさん入口はあったらしい。

 すっかり入ってきた洞窟の場所からしか、ここに来られないのかもと想ってしまった。


「景色が変わります」

「ここは、どこにいくやつだっけ」

「忘れた」


 なんだか案内が不安だけど、仕方ないか。


「ついてきてください」

「はい」


 ニ妖精が、不安なく把手(とって)もないトビラに手をかけて開けて、なかに入っていく。


「いこ」

「うん」


 アマツキとヒイロが先にいき、それぞれついていくことにする。

 トビラの先に、また坂道があるかと思ったら、今度は洞窟の通路のなかだ。

 これなら、はぐれないだろう。


「ネネたちはぐれないでね」


 アマツキが、振り向きつつ話しかけてくる。


「平気よ」

「集合するときの目印つくろうよ」

「目印?」

「ネネマークでもよかったけど、みんな描けるようにしよう」

「もう迷わないと想うわ」

「えーー! 一応つくっておこう」

「そうだね」


 メディが賛成すると、どんなマークがいいと聴いている。

 メディが絵を描いたところは、ほとんどみたことがないため、興味はあるものの、妖精を探さないと。


「通路は、どれくらいあるの」

「距離は、また歩きますね」

「そう、でも明るいよ」


 たしかに、この通路は魔力灯が整備されていて、規則的に並べられている。

 形もさきほど通ったところとは違い整えられていて、歩きやすい。


「前は、こっちのほうが悪魔たち使ってたみたい」

「そう、でも、何か所か崩れているよ」


 通す途中で崩れてしまったのか、それとも旧くなったからなのか、脇に続いている路のいくつかは、たしかに埋まっていたり、岩が積み重なったりしている。

 途中で利用しなくなった通路なのだろうか。


「水の魔力で灯りは替えたから、キレイでしょ、うふふ」

「それで、淡く青っぽいのね」


 ヒイロが感心している。


「メディの光とは違うの?」

「魔力灯は、なかに魔力を貯蔵するモノが入って、それに繋げて光らせてるけど、スキルの光は、光を生み出してるからね」

「魅了で、なんとかならないかしら」

「魅了でなんでも創れたら、すごい才能だよ」

「なんか落ち込む」


 ヒイロは、自身の手でなにか創りたいらしい。

 アマツキもヒイロも考えが優しい。


「自身のスキルに合う見方や造るものが、そのうち理解(わか)るわよ」

「え、いま知りたい」

「いまは、ちょっと……」


 また、ヒイロを落ち込ませてしまった。

 アマツキが、またメディに別のことを尋ねている。

 アマツキは、以前よりずっと前向きだ。

 ヒイロと話しをした影響もあるみたいだけれど、元よりこういった天使なのかもしれない。

 二妖精も話しこんでいるため、観ているとミレイが声をかけてきた。


「ネネのクラフトって、どこまでできるんだったかしら」

「どの辺りの話し?」

「魔改ナイフとかネックレスとか、ほかにもいろいろ造ってるんでしょ」

「それね」


 少し考える。


「ナイフは、威力調節はできるのよね」

「そうね」

「もし、ナイフを最大魔力にするとどうなるの?」


 最大魔力のナイフを使うことは、あまり考えていなかった。

 段階調節にはなっているから、少しずつ加工や細工には使うけれど最大にすると、おそらくだけど。


「悪魔が粉々になるか、空間が圧縮されて弾けたりとかかしらね」

「えっ!?」


 驚いたのは、二妖精だった。

 怯えるように、見てくる。


「わ、わたしたちにつかうの?」

「ち、違うわよ! 試したことないの!」

「悪魔、怖い」

「怖い」


 そんなに怯えなくてもいいじゃない。

 傷つくわ。


「はぁ、相変わらずすごいわね」

「まだ試してないから、実験ではそうなりかけたのってくらいよ」

「それでも、すごい」


 ミレイが、感心している。

 ミレイくらいだろう。

 わたしの魔道具を観察しつつ、怯えないのは。


「ネネのは、怖いな」

「怖いね」

「ヤバ」

「ネネ……」


 魔力全開放にしてみようかしら。

 クラフト全力すると、なにができるかしら。


 二妖精が、まだ「怖いね」と言いながら、進んでいる。


 前には階段がみえてきて、少しずつ上ることになった。

 二妖精は、浮かんでいるため、ふわりふわりと先に進む。

 わたしたちも飛ぶほうが、いいのかもしれないけれど、このなかは狭いため、結果歩くほうが安全かもしれない。


「階段けっこうあるの」

「そうですね」

「あるんだ」


 少し上ると、平たくなるけれど、曲がりまた上る。

 少しずつ上の階層にいくらしい。


 どこまでいくのだろう。


 スズネとミレイが最後尾にいて、ゆっくりくる。

 スズネがミレイの話し相手になってくれているのは、とてもいいのだけど、話しの内容が聴こえてくると、背筋が寒くなるのが多くて、わたしはメディと別の会話をする。


「メディのスキルは、いろんな形にできるのね」

「硬度を変えたり粘性にしたり、多種類の使えるように、中央図書館や黒鉄に頼んで、教えてもらったよ」

「へぇ」

「ここに来て、光って聴いたときには、灯りの役割しかないのか、と勘違いしてて、資料はだいぶ読みこんだよ」

「ここって、悪魔になってという意味よね」

「そうそう」

「アヤネのスキルは、アヤネスペシャルだって言ってて、複数固有スキルがあるみたいだったな」

「え、そうなの!」

「天使は、仕組みが違うのかも」


 この先に出口があるらしく、外の明かりが見えてきた。

 洞窟から草原にでて、次はどこにでるのだろうか。


「あとで、もう少し聴かせて」

「いいよ」


 そう話していると、出口の明かりにでるところだった。



 でた瞬間には、また別の景色があるはずだ。


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