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悪魔な小悪魔ネネの転生者にアレコレしてもう恋しちゃったじゃん  作者: 十矢


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水の洞窟スズネとミレイ

 暗いのは、割りと楽しい。

 狭いのもなんとか。

 でも、湿っぽいのはニガテ。

 なんかペトついてくるし、髪もしなってなる。

 勢いよくすべり降りて、頼りになるミレイせんぱいもいるため、ひとまずは安心していた。

 でも、分かれ道がいくつもあったらしく、ヒイロたちとは結局はぐれてしまった。


 わたしとミレイせんぱいで、いくつか灯りを飛ばしつつ、まずは作戦会議をした。

 その結果、たぶんネネせんぱいが先にいくだろうと予想して、目印を探しながら、灯りをいくつか飛ばしていき、広い空間で休憩する、ということになった。


「ミレイせんぱい、痛み平気ですか」

「まぁ、薬が効果あるんじゃない」

「あまり、無理なくですよ」


 降りるときに、足を痛めてしまったらしく、回復待ちをしようと言ったのに、薬あるし平気だからと歩くことになった。


「スズネ最近面倒見いいわね。ギャルから超ギャルになったわね」

「超ってなんですか」

「なんかよくわからないけれど、超いい感じとか、超エモいとか言うじゃん」

「それを言うなら、ミレイせんぱいは超エ○いです」

「スズネ、それ意味わかって言ってる?」


 ミレイせんぱいは、するどい。

 刃がもはや針だ。

 突き刺してくる。

 斬られるより、刺さるほうがいたい。

 もう少し斬ってほしい。


「いやだなぁ。わかってますって」

「それは嘘ね。スズネって魅力的くらいな意味だもんね。エ○いっていうのは、ネネみたいな感じよ」

「ネネせんぱいもですけど、ミレイせんぱいもキレイじゃないですか」

「ネネみたく、無意識にエ○を使いたいわね」


 う〜ん、ミレイせんぱいは、どうやら他の話しをしたいらしい。

 かといっても、ワタシのギャルマインドを崩されても困るんだけどな。

 一応口にだしてみる。


「面倒見いいほうがいいじゃないですか? ほら、なんとかとハサミは使いよう? みたいな」

「ギャルと真面目は紙一重」

「えっ」

「真面目にギャルするか、ギャルは面倒見がいいのか、どちらでもいいけどスズネは、優しすぎだわ」

「優しいとか、はじめて言われる」

「それで、メディには何か言われたの?」


 ハッとする。

 やっぱりなにか気づいてるのかも。

 ミレイせんぱいには、あまり詳しく話してないはずだ。

 心あたりはない。


「メディせんぱいは、いつもなにも言わないっすね。わかったとか、そうかみたいな」

「はぁ。スズネ嘘が下手ね。未来視するまでもなく、あなたがメディと最近なにか親しげなのはわかるわ。まぁ秘書やってると、ネネより知っていることもあるけど」

「メディせんぱいって仕事中もあんなですかね。ボーッとしてたり、急にババッと動き出したり、でもはじめるとすごい速さ」

「あぁ、メディはほかにない時には、たぶんずっと仕事のことよね。ネネとスズネがいなかったら、遊びが仕事になってたり、でかけ先で仕事してたり、そうでなくても呼び出しがたくさん」

「……メディせんぱいってプライベートってなんすかね」

「一応、急な割り込み以外はわたしが受けてるから、いまとか休日みたいな?」


 少し考えてみる。

 洞窟の中にきて、水の妖精を探してるときが休日らしい。 


 もしかして、前にヒイロのことを探してたときとかが休みで、天使にいったりそれ以外の時間は、仕事してるのか。


「悪魔ってなんすかね」

「貴女も悪魔よ」


 アマツキに弟子入りでもしようか。

 天使になって、ギャルのほうがよかったかも。

 天使アヤネの話しも聴いたけれど、なんとか救済とかがあって、天使事情はあるらしいけど、メディせんぱいのように、最上級悪魔になると遊びすら仕事になるらしい。


 洞窟のなか、少し歩きづらそうに後ろからくるミレイせんぱいは、少し疲れていそうだ。

 ここではスマホは使えないから、仕事の呼び出しは来ていないっぽいけど、もし、ヒイロとアマツキのことがなければ、ずっとこの悪魔界の端から羽駆けまわっているのだろうか。



 わたしも統括エリアマネージャーになってから、もう少し上にいけるらしいことは聴いているけど、そろそろ悪魔の仕事は、区切りをつけてもいいのかもしれない。

 それに、クイーンのこともあるし。


 あまり、ミレイせんぱいに負担をかけないように、灯りを飛ばしつつ続ける。


「メディせんぱいが仕事ばかりなのって、恋とかあまり興味ないのかな。欲とか男の子だもんありますよね?」

「悪魔の欲と男の子の欲って、けっこう違うわよ」

「そうですか?」

「悪魔の欲なら、教えてあげられるけど、男の子のは、知っていることだけ」

「ごくり。ミレイせんぱいの知ってること、ヤバい感じしかしない」

「あぁ、思い出したくないこと、思い出しちゃった。スズネのせい」

「いちおう聴きますけど、どれだけいままで男の子にひどいことされたんですか?」

「べつに? ひどいことはされてないわ」

「ふえ?」

「ネネにひどいことして、返りうちにしたのと、ネネに触ったから殴ってやったのと、ネネが追いかけられたから、代わりに追いまわして回し蹴りしたのと……」

「え〜と、それネネせんぱいのことですよね」

「ネネのことは、わたしにされたことと一緒よ。メディが来る前は、ほとんどの時間ネネといたから」

「つまりは、悪魔ミレイは、男嫌いではない!?」

「なによそれ!スズネの勘違いね。わたし別に男嫌いではないわ。男の子は好きよ」

「マジ」

「でも、そのほとんどは触って未来視した瞬間に冷めるわね。どんなエ○いこと考えてるとか、未来で悪さして引っ()くことになるとか」

「うわぁ! あ、でもメディせんぱいはいいんですよね」

「そういえば、未来視してなんとかなのは、珍しいわ」

「そっかぁ」

「彼氏も前にいたし」

「はっ! えっ! 彼氏いたんですか?」

「悪魔歴長いもの。男の子とつきあってみることくらいはするわ」

「ほぇ」

「ルルファイスとは違って女の子はネネだけよ」


 話し続けていると、ミレイせんぱいが転びそうになる。

 慌てて腕をつかむ。


「あ! もう危ないです」

「助かる」

「やっぱり足痛みます?」


 洞窟の壁によりかかり、ミレイせんぱいは、汗をふく。

 少し様子が変なのだろうか。


「そんなことはないわ」

「……なんか隠してますね」

「いいえ、特には」

「いいえ、悪魔の端くれとしてなんか違うのはわかります」

「それは、女の端くれでいいんじゃない」

「女には磨きかけてますからね」

「そうね……最近前よりキレイになったわね」


 ドキっとする。

 なんでこの悪魔は、こんなに直感的なのだろう。

 未来視って感覚は、恐ろしい。


「それで、なんですか」

「なに」

「だから、隠していることですよ!」

「ええ〜、ミレイぃわかんないぃぃ~」

「ミレイせんぱいがすると、やけにウソっぽいのってなんすかね」

「え、ギャルってこんな感じじゃ?」

「いや、ギャルマインドにかけて、違うかも」

「マインドかけないでよ」


 また少しミレイせんぱいは、ふらつく。

 足が痛むのだろうか。

 それとも、魔力疲労。

 なんだろう。


「少し向こういくと、休めるところあるかも」

「いいわ。慌てなくて」


 灯りを飛ばしてみると、少し広くなっているらしい。


「あそこで休憩します」

「ふぅ。わかったわ」

「歩けます?」

「平気よ」


 灯りのついている空間で、地面を触ると、この辺りはあまり湿っていない。

 そこにミレイせんぱいは足を伸ばして座る。

 灯りといっても、魔力で飛ばしているため、ある程度すると、また飛ばしなおすことになる。

 ミレイせんぱいが話すのもやめると、洞窟内は静かになる。


 声が聴こえてこないのだから、ヒイロやネネせんぱいたちは、まだ遠くらしい。


 わたしも壁によりかかり座ってみる。

 バックには、飲みもの食べものは入っていない。

 準備不足だ。

 そんなに、大きなバックではないのだから、入らないけれど、もう少し荷物をまとめても良かったのかもしれない。


「さっきから、ふらついてます」

「スズネは平気なの?」

「ケガもなく」

「そう。わたしが変な格好で降りてしまったのね」

「どこか痛みます?」

「……はぁ」


 なかなか言おうとしない。

 根性があるというか、強情なのかもしれない。


「せんぱいって、なんていうか頼るの苦手なんですか」

「べつに。頼りがあればするし、ダメなときにはお願いするし」

「わたしは、みんなにオマカセっていうか、頼りは全員集合っていうか」

「ふ〜ん?」

「アマツキやヒイロもここ最近ハキハキしてますね。もっと成長しますよね」

「それはそうね」

「そのうち、アマツキはヒイロにとっての一番になるといいです」

「スズネ、誘導しようとしてるでしょ」

「え、なんのことですかぁ?」

「頼りとか一番とか、スズネに頼らせようと」

「そんなこと……ある」

「やっぱりね」

「それで、なんで隠してるですか」

「やっぱりそれなの?」

「どれか、話さないから」


 ミレイせんぱいは、少しだけ黙る。

 でも、さっきのとは違い今度は、話す気になっただろうか。


 心配が伝わればいいと、いろんな話しをするけれど、こう素直じゃない悪魔だと、遠回しになってしまう。

 メディせんぱいやネネせんぱいは、表情や態度がはっきりとだけど、ミレイせんぱいは、自身のことは、なかなか強情で意地があるらしい。

 他の悪魔に対しては、ずっばっと解決なのに、自身のことはニガテなのだろうか。


 ニガテそうだ。


「勢いよく飛びだした割りには、先に怪我するとか、なんともいえなくて」

「痛むですか」

「あと、ほかも」

「ほか!?」

「ひねったのと、たぶんぶつけたのと」

「あとは?」

「まだ言うのかしら?」


 髪をサラッとさせて、顔を傾ける。

 仕草だけはキレイだけど、言ってることは、子供っぽい。


「ほかに、なに?」

「まだ言うのか」

「ほかに」

「腰ぶつけたのと、手も少し痛いかもね」

「全身ダメージじゃないですか」

「そんな大怪我じゃないわよ」

「それで、歩くとき変なんですね」

「あぁ、もう! 絶叫したいわ」

「してもいいですけど、あとの文献に悪魔ミレイの絶叫とか描かれたりするかもですね」

「未来悪魔不注意でケガをするとか見出しにするんでしょ?」

「笑っちゃう前に治療しましょ」

「もう治ったわ」

「……ウソつきなんですね」

「悪魔だからね」

悪魔括(くく)りでみんなウソつきにされると困りますね」

「ねぇ、スズネって急に鋭い感じなんだけど、ギャルはやめたの?」

「ギャルなお世話係もいいかもですが、とりあえずどこぶつけたか、みせてくれませんか」

「え、やだかも」

「せんぱい、痛いんでしょ?」

「え、痛くないわ」

「ウソつきですね」

「悪魔だからね」

「可愛らしくいっても、みせてもらいますよ」

「ギャルなお世話係に、みるとこみられたとか、文献に残そうかしら」

「ミレイせんぱいの絶叫洞窟」

「そうそれ。あぁもう!」


 なかなかみせてくれないけれど、一応それほど怒ってるわけではないみたい。

 おそらく恥ずかしいだけらしい。


 日常では、割りとネネせんぱいやメディせんぱいをしっかりサポートみたいな位置だけど、こうしてみると、ただ面倒くさがりで恥ずかしがりな悪魔な気がする。


「ミレイせんぱいってなにかと自分でやっちゃうほうがすっきりするんですかね」

「まぁね」

「ほかの悪魔にしてもらうと気になっちゃうとか」

「それほどではないかしらね」

「じゃ、みてもいいですよね」

「スズネにみられる、なにかする?」

「どう卑猥なイメージにしてもいいので、みせてもらいますよ!」

「わかったわよ。もう抵抗しないわ」


 足に痣と、足首がひねっていて手に傷と、あと腰もうってるらしく、それで壁に手を当てたりして歩いていたらしい。


「厄介だなぁ」

「いたぁい」

「そんなに痛くない」

「いたい」

「さっき治ったとか言いませんでした?」

「いたい」

「わかりました」


 ちゃっちゃと水で洗ったり、回復薬をぬってみたり、マッサージしたりする。


「……ネネも前は優しかったのよ」

「はい」

「でも、なぜか少し最近は、甘やかしてくれないし、くっついても離れるし、メディの邪魔にならない程度にネネにかまうのになぜかしら」

「……面倒くさがられてるとしか」

「わたし、そんなにではないわよ……たぶん」

「ネネせんぱいに対するミレイせんぱいは激重です!」

「重いってそんなに悪いこと? 重くないと、愛じゃなくない?」

「愛ってなんなんすかね……」

「愛……」

「そろそろいいですか」

「まだ、痛いかも」

「ほら〜! 痛いんじゃないですか!」

「さっきから言ってる」

「はいはい」

「スズネありがと」

「キュウニコワイ、キュウニヤメテ」

「ちょっと!」

「ヤバい、急に優しさくるとマジ怖いっすね」

「そう! それね。メディとか一気にきたらどうしよう」

「ほぼ仕事の思考しかなさそうすね」

「悪魔やめて、堕悪魔にならないかしら」

「それでも、ついていきます?」

「それは、そうよね。ネネはどうかしら」

「ネネせんぱいは、いや、わからないですね」

「とりあえず、ネネの冷たい態度好き」

「重い」

「愛って、眼には視えなくても重いのよね……」

「深そうで、あまり深くない」

「そろそろ歩けるかもね」

「ホント、無理はしないでください」

「わかってる」

「それ、ネネせんぱいの口ぐせです!」

「ふふふ、そうなの? 伝染(うつ)る」

「流行らそうかな」

「ネネ流行中」

「げんきっすね」

「そっか、少し弱るほうがいいって、前の悪魔も言ってたわね」

「いまごろ」

「おくれて発見」

「そろそろいきます」

「はぁい」


 ミレイせんぱいのいろんなところに、傷とめを貼りつけてから、立ちあがる。

 さっきよりは、たしかにラクそうかも。

 それでも、壁に手をついて立ち上がると、まだ回復してはいないらしい。


「さぁ、いきましょ」

「笑っちゃうわね」

「えっ」

「つい先日まで、スズネに教えていたはずなのに、いまはたくさん助けられてるわ」

「当然です」

「そうなの?」

「悪魔は、知らないところでも悪魔的に活躍するんです」

「そう、ヒイロもアマツキも心配しているわね」

「あと、ネネせんぱいが怖がってなければいい」

「ま、メディがなんとか」

「なんとか」


 少し洞窟を進んでみて、分かれ道にきたときに、なにかみつける。


「これ、ネネだわ」

「え、どれです?」


 壁になにか壊したようなあとがあり、文字っぽいのが打ってある。


「さっき、破裂音が遠くでしていたから、それよ」

「どれよ」

「ここ! この飾り文字、ネネが小さい頃に絵描いて遊んでいたやつだわ」

「むにゃむにゃ? メニャメニャ」

「ネネの長い名前を描いたのね」

「よくこれわかりますね」

「ネネのことなら、元彼のことよりちゃんと知っているわよ」

「元彼、もう少し大切にしてあげたらよかったのに……」

「いいのよ! 過去の男たちは、どうでも。そこらで声かければ、すぐ捕まるのが男悪魔なのよ」

「少しルルファイスの気持ちがわかりました」

「なぜ?」

「とっかえひっかえしても満たされない欲望は、一極に集中してしまう。そんな悪魔に振り回されるほう」

「あぁ、スズネはそうね」


 なんだかうなづかれてしまったけれど、

 とりあえずネネせんぱいは、分かれ道ごとに目印をしてくれているらしい。


「こっちですね」

「小さい頃の記憶もけっこう役にたつのね」

「記憶スキル」

「え、なに」

「いいえ。あのどこに集まるんですか」

「メディが光飛ばしたでしょ? おそらくそこよ」

「閃光のメディってまたひとつできるところ発見」

「メディの知りたいの? いいわよ。秘書になってからのことだけどね」


 ミレイせんぱいは、ひとまずネネせんぱいの描き残しがみつかってほっとした様子だ。

 あとは、ヒイロとアマツキがなにかみつけるかな。


「これって、水の悪魔の仕業なんですか」

「たぶん水の妖精ね……水の魔結晶に、わたしたちの知らない能力があるのよ」

「洞窟、もう少しだといいなぁ」

「あら、わたしとの洞窟じゃいやなの」

「はいはい。メディせんぱいの話し聴かせてください」

「そうねぇ」


 ミレイせんぱいが、なかなか回復していかないのは不安だけど、いちおうげんきにはなってきたらしい。

 ゆっくり歩きつつ、メディせんぱいの仕事の様子をもっと聴かせてもらおう。


 また遠くでなにか、音がする。


 ネネせんぱいにあげた指輪の魔力がまだあるから、とりあえずでも先に進んでみればいいらしい。



 早めにメディせんぱいとも接触できるといいなぁ。


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