魔列車中継地点
「ヒイロがアマツキとしっかりと向き合おうとしてくれるのわたしは嬉しいな」
シャワー室のあった列車の部屋からでて、ヒイロと隣を歩きながら話す。
列車が一時とまったり、揺れたりを繰り返すため、ふらつきながら歩いて、ときどきほかの悪魔にぶつかりそうになる。
そのたびにわたしは、少しよけるのだけど、ヒイロは何度か肩をぶつけてしまい、
ごめんなさい、とあやまっている。
「ネネは、ミレイとはどうしていたの」
ミレイのことをきかれてわたしは迷ってしまう。
「メディのことじゃないのね?」
「メディとのことは、あまりきかなくてもわかる気がするわ」
それはどういう意味だろうか。
「それ、わたしがメディを追いかけたみたいな風にきこえるのだけど?」
「ちがうの?」
ヒイロがとなりのわたしをちらっとみて話を続ける。
「あ、え〜と、どうだったかな、わ……」
「わすれたとか、言わないでね?」
「ええ、ヒイロ前よりわたしに強気じゃない」
「だって最近ミレイもネネもなにかわたしやアマツキに引いてるっていう感じする」
なかなかにするどい指摘だろう。
引いてるというよりは、繊細といってほしい。
ふと列車の窓の外をみると、景色が広がっていた。
だいぶ海に近いのだろう。
「ね、ヒイロみて! 景色すごいわ」
「ネネごまかさないで」
「ち、ちがうわよ。景色、ほら」
ヒイロがようやく窓の外をみると、気づいたようで、席の空いてる通路から窓に近づいてみる。
しばらく呆然として観たあと、
ハッとして声をだす。
「ネネ海みえない? うみ!」
「ふふ、そうでしょ」
「うみだよ、うみ! わぁ、アマツキみてるかな」
「どうかしら」
ネネは微笑を浮かべる。
アマツキに対して悩んでいることも、わたしがミレイに対してどうおもっているかも、こうして列車からの海のみえる景色をみていれば、なんてことはなく、通りすぎてしまうものなのかもしれない。
「ふう、綺麗ね」
「そうね」
「しばらくそうしてる?」
「ううん。それで、続きなんだけど、ミレイのこと」
窓の風景をながめながら、ヒイロはたずねる。
ちっとも問いかけは通りすぎていなかった。
「ミレイのことかぁ」
仕方なく、わたしは歩き出すと、また隣にヒイロがタタっとよってきて歩きだす。
「そうよ」
「どこから話せばいいのかもわからないのよね」
すると、ヒイロは少し立ちとまるため、わたしは少し後ろを振り返る。
ヒイロはなかなかに魅惑の笑顔だ。
「そうね、わかったわ。落ちついてゆっくりきくわ。まずは、この景色をアマツキにみせなくちゃ」
列車を何両か通りすぎていき、荷物などが並んでいるメディやミレイの場所まで戻ると、起きていて外を眺めている。
「海だね」
「海よ」
「うみだ」
「海ね」
ヒイロとネネが、近くまでいくと、さっそくアマツキが声をかけてくる。
「みた? ヒイロ、海だよ」
「みたみた! 海だね」
「海」
「海ってうみなんだね」
「そうそう」
なにか会話になっているかどうかはともかく、楽しそうだ。
アマツキと会話に夢中になっているため、今度こそヒイロは、ミレイについての話は忘れてしまっただろう。
「あ、おはよメディ」
「おはよ」
ミレイはすぐに小さめなバックを取り出すと、タオルや着替えを準備している。
「ミレイはシャワー?」
「ええ、いってくるわ」
「わたしもいま入ったところよ」
「汗かいちゃった」
「あまりにくっつくからよ」
「くっつく? なんのことかしら」
「え、あ、寝てる間のことだからか」
ミレイは、寝ていて覚えていないようだ。
メディもくっついていたのだけど、これならメディも覚えてはいないだろう。
少し残念な気持ちもするけど。
「じゃ、浴びてくるわ」
「はーい」
アマツキは、眠っている間に、魔力の調整はうまくいったのだろうか。
いまのところ、窓を眺めてみたりヒイロとおしゃべりしたりで平気そう。
「メディは、起きてから平気そう」
「ああ、うん」
「海いいよね、みたことある?」
「何度か」
「いいなぁ、海いきたい」
「ネネはあまりないの?」
「そうね、一回だけミレイと来たことあるけどね」
「そうなんだ」
「メディは、プールでは泳いでたよね」
「うん、でも海は眺めてるのが好きかも」
「そっかぁ」
「ネネせんぱいは、ミレイせんぱいとずいぶんと一緒なんすね」
「あぁ、ええまぁね」
スズネが、なにか考えごとをしているようだ。
「まだつかないのかな」
「もう少し先だと思うわ。けっこう遠い」
「先に海のエリアにいって、それから花の洞窟だね」
でも、海でのんびりもいいなぁ。
車窓で流れていくまだ遠めな海の景色を眺めると、なぜかそんな気もする。
それとも、メディやヒイロたちがいるから、ついそんな気分になるのだろうか。
ミレイと来たときには、もう前のことだ。
たしか、いろんなことが起きた。
あまり考えないようにしようかしら。
ふとみると、ヒイロと眼があう。
ヒイロは、にこりと笑う。
アマツキといると、楽しそうだけど、
なにかわたしにも言いたいことがあるような、そんな感じだ。
もしかしたら、まださきほどのミレイの話をききだそうとしているのだろうか。
「ネネせんぱい」
「うん」
「さっきの写真あとで送りますね」
スズネがニヤリとする。
「あ、うん」
「ところでせんぱいは、クラフトでどこまで加工できるすか」
「そうね、もうずいぶんとレベルあがったからね。魔力の調節に時間かけなければ、サクッとできるわ」
「う〜ん」
「なにか悩んでるの」
「そうですね」
どこかスズネは考え事をしている。
さきほど買っていたアクセサリーのことなのかもしれない。
魔力付加や調節まですると、少し預かることにもなるし、そこはスズネの気分や都合だろう。
「もし、はやめにわたしたいなら、声かけていいわ。複雑じゃなければいいけれど」
「あ、うん。じゃ、あとで」
「いいわよ」
ミレイがシャワーをおえるまではしばらくかかるだろう。
それに魔列車ももう少しある。
しばらくは座りながら風景を楽しもうかしら。
「スズネはそんな軽装で旅するのよね」
「ええ」
「でも、環境とか条件とか、あるかもだし、もう少しなにか揃えたほうがいいわ」
するとスズネはバックをとりだして、手帳をみだす。
「ええでも、まぁ、いろいろ持ってはきたんすよね」
「へぇ」
「カメラでしょ、ボトルに予備のバッグに、ポーチ、回復キット、ノート入ってるし、あとは下着とか」
「ちょ、となんか予想と違うかも」
「そうすかね、あ、回復のは予備もあるし、あとはサバイバル用の緊急セット」
「えと、旅慣れ? わたしより、すごい」
「えへへ」
「ボトルはなににつかうの」
「水のエリアにいくみたいだし、つかうかな」
「回復キットであんましつかってないけど」
「あぁ、悪魔基本は自動治癒ですけど、それでも深く傷ついたり、毒だったりで回復ができない場合もあるから、必要かもって」
「わたし、スズネのことけっこう誤解してるかも」
「誤解ですか、どんなっすかね」
「ええと、ボディタッチおおめのハイレベルギャル」
「ほぼあってないっすか」
ほんとはもうそんなことはおもっていない。
きちっとしてて、意外と繊細な真面目な悪魔だ。
もしかしたら、メンバーのなかで、
一番くらいには、よく気を利かせてくれる悪魔なのかもしれない。
「スズネって、そろそろギャルやめたら?」
「なにをとつぜん!?」
「清楚な悪魔をアピールすれば、もう少し誤解とかなくなるし」
「そんな、せんぱいはわたしにギャル個性をやめるとか言うんですか」
「ええ」
「でも、スズネがギャルやめたら、ただのスズネですよ?」
「えと、それが普通なんじゃ」
「せんぱい、普通って言ったら普通ってなんですか?」
「ううん、なかなかにきわどい質問ね」
「そうですか」
「前に、メディが話してたのよ。悪魔って、もっと残忍で淡白で切り裂いてやる、みたいな」
「いいすよね! 憧れます」
「それって普通かなとか」
「せんぱいのそういう甘めなところ、わたしいいと思います」
「甘いかな」
「悪魔の理想を求めろとか、最強を目指せとか、言わないっすよね」
「あぁ、そういうところ」
「そうです」
「う〜ん、そういうのが悪魔での普通ってこと?」
「いいえ、甘いけど、ネネせんぱいのイメージだなってこと」
「なんか混乱するわ」
「堕落悪魔をのぞいて、悪魔のイメージの普通は契約を交わして、主従にして、エネルギー体を集めてある程度の出世をしたら、たぶん仕事を変えて、ラクにしたい」
「あぁ、それもわかるわ」
「でも、三悪魔ともそれぞれ思惑はあっても、きっとあるべき姿を具現するんですよね」
そんなにいいものだろうか。
メディの姿は、仕事ジャンキーだし、
ミレイは秘書だけど、相変わらず可愛い子を口説いてるし、
わたしは、悪魔子どもたちの話しはあるけど、ヒイロとアマツキにあることを手渡したいだけだ。
「スズネは、わたしのこと高くみてるだけよ。たしかに前を向いてはいるけど、わたしだってそんなに悪魔のこの先を語れないわ」
そんな話しを続けていると、
魔列車がとまったようだ。
窓の外を観ると、駅についたようだ。
わたしたちの降りる駅はもう少し先だから、慌てることはない。
今日は、定刻通りに進むのかもしれない。
「ミレイせんぱいは、もう少しですかね」
「けっこうかかるわよ」
「そしたら、これお願いしてもいいすかね」
スズネが、バックから取り出したのは、さきほどの場所で購入したものだ。
「包装は」
「はがしていいです」
受け取ったものの包装を解いて、みてみると、ふたつあった。
「あれ、二つ購入したのね」
「両方お願いします」
「どんなイメージかしら、二つとも同じ?」
「ひとつは、色にあわせてかっこよく、もうひとつは、かわいくというか、魔力の補助をお願いしたくてですね」
「ふむぅ」
スズネは手帳をだして、なにか書き込みをしてくれる。
デザインで、こんな形と案をだしてくれる。
「どうっすかね」
「うん、なんかわかった。
もし、違う感じになってたら、いってね」
「ネネせんぱいのなら、まずは安心ですけど、イメージ共有だいじですよね」
「そうね」
そんなに、ひとつは時間はかからないとは思うけれど、もうひとつのは、少し工夫しなくては。
バックから悪魔ノートを取り出して、
スズネが見せてくれたデザインを写して、
クラフトの素材を考える。
ネックレスと指輪らしい。
ネックレスには、少し色のある宝石を囲うように。
指輪は、いまのデザインを活かしつつ、
わたしの特色と、魔力付加だろうか。
ヒイロとアマツキが、まだ話しているなか、少し集中したい。
魔列車の魔力吸収にもまけないように、
クラフトをするには、少し移動すべきか考える。
細かい作業が入るかもしれない。
「ネネ移動する?」
メディが、様子を見ていて、声をかけてくる。
「そうね、少し作業したい」
「たしか、ラウンジのような少し狭いコーナーがあったような」
「そうなの」
「前の車両かも」
「わかった」
いくつかにわけた別の作業用バックと、通常持っているバックの二つを持って、車両を移動する。
ヒイロとアマツキはそのままいるようだ。
「わたし邪魔ですか?」
スズネが聴いてくる。
「どちらでも平気だけど、作業してたら、あんまり受け答えしないかもよ」
「わかりました」
そういいながら、ついてくるみたいだ。
メディは、ヒイロとアマツキをみていてくれるらしい。
メディらしい動作だ。
わたしは、軽く手をふって、スズネと移動する。
ひとつ前の車両は、窓が広めにとられている。
カウンターもあり、ビジネス作業のためのスペースらしい。
丁寧に、作業用という説明書きとデビルスマホのチャージができるらしい。
スズネが空いている席に座ると、さっそくコードを取り出して、チャージしている。
あまり深くは考えないようにはするけど、
魔力吸収されているため、もしかしたら、そのされている一部は、ここでチャージされているのだろうか。
少し複雑な気分だ。
そう想いつつもわたしもコードをつけて、チャージしておく。
「飽きたら、違うところいってていいわよ」
「さっきヒイロともうみて回ったから、だいたいは、把握しました」
「うん、わかった」
持ってきたバックから、いくつかのアイテムをだしていく。
スズネから預かったものとあわせて、テーブルに拡げて、悪魔ノートもみていく。
デザインもだけど、付加する補助のスキルやその威力も考えないといけない。
ただの飾り程度でもいいのかもしれないけれど、
買っていたときの様子からもプレゼントだろう。
それなら、過剰にならない程度なら、張り切るのはいいだろう。
これは、どうかな、あれは、どうかなと、
悪魔ノートにデザインや魔力の調整をどうしていくかを練っていく。
宝石は、アメジストとルビーだろうか。
サイズはそれほど大きくないけれど、
純度は高そうで、透明感もある。
ヒトの世界では、誕生日に石や花を贈るらしいけれど、悪魔たちは生まれるということにそれほどのこだわりはなく、
ヒイロのように、いつから暮らしているのか、わからない者も多い。
だから、スズネがこれを選ぶのも魔力の色やキレイさからだろう。
ネックレスのほうは、
二種類のデザインと付加を案にしていく。
指輪は、デザインはそれほどつけられないかもしれないけれど、その分の付加をつけてみようか。
「ネネせんぱいは、作業中はいつもこんな感じすか?」
「ええ、まぁ」
スズネが、暇をしているのかと想いつつ、
ちらっと見てみると、手帳に別のことを書き込みしていた。
指輪のスキルを選らんでいたらしい。
「これと、これとか」
「あぁ、う〜ん」
悪魔ノートに、いまだされたスキルやその特徴を書いていく。
これは、けっこうかかるかも。
スズネの提案がというより、
やる気になってしまった。
これと、これ。
それに、たしてひいて。
ノートのページが、どんどんと書き込みで埋まっていく。
スズネが伝えたいことが、わかってくる。
そういえば、選らんでいるときから、真剣だった。
大切な誰かに気持ちを込めているのだろう。
「ネネせんぱいの魔改ナイフ見させてもらってもいいですか」
「あ、どうぞ」
一度腰についているベルトをはずして、
ベルトごと渡す。
「あれ、前は足につけてなかったです」
「そのときに変えてるわ。座り作業がおおいと、腰のほうが安定するし」
「ふ〜ん、相変わらず格好いいですね」
「ありがとう」
スズネは興味深そうに、装飾やベルトを眺めている。
「せんぱいって、料理は不器用なのに不思議っすね」
「ナイフ使えば、ラクなんだけど、ナイフ持って構えるとミレイに止められちゃうのよね」
「えと、どういう?」
「なんかそのまま悪魔殺しにでかけて、血だらけで帰ってきそうなんだって」
「それは、そのほうが格好いいんですけど?」
「ネネの目つきはエ○格好いいから、ときどき注文するけど、食事はとらなきゃって」
「ミレイせんぱい、いったいどれほど性癖があるんだろ」
作業しながらなため、あまりミレイのことを考えても仕方ないけれど、
スズネがあまり茶化してこないため、
たぶん作業の話し相手になってくれてるんだろう。
「ナイフ気にいったの?」
「わたし、あまり武器とか利用してないんで、いいなぁ、とは思うんですよね」
「ナイフ造ろうか?」
「え、えぇ! いやぁ、なんかワガママ言い放題になっちゃう」
スズネがミョーに謙虚なため、わたしは笑ってしまう。
「いいじゃない? お揃いよ。スズネに、どんなのがあうのか、考えてみよっかな」
「なんか、ノリ気にさせてしまったような」
わたしは、窓の外に目線をかえると、いつの間にか魔列車はまた走りだしていた。
デザインは、いいかもだけど、
スキルでやや迷う。
新魔導書から写すやりかたと、わたしのスキルから付加する方法と、それにもうひとつある。
いまは手近な新魔導書がないため、自身のスキルから選ぶのがいいだろうか。
いくつか拡げてある作業用具から、使えそうなのを手にする。
「これと、これ」
「ほう〜、いろんな用具あるんですね」
「これ、かわいいでしょ?」
「いやぁ、かわいいの、かなぁ」
「え〜」
「ナイフが格好いいとかはわかりますけど」
「ナイフもかわいいのあるよ」
「……かわいいの基準ってなんすかね、せんぱい」
なぜかスズネは、複雑な表情をみせる。
「え、変なのかな……」
「いや、その」
「変なのかな……」
「あ、えと」
しまった。
わたしのクラフト基準のかわいいは、
スズネやほか悪魔とは違うらしい。
そろっとスズネをみると、まごころのこもった視線をおくってくる。
あぁ、ナイフもかわいいのにな。
気を取り直す。
「す、スズネは、なにかないの? モノでも、悪魔とか仕草とか」
「黒鉄鳥って、かわいいですよね」
「そうそう」
「あと、アマツキの素っ気ない感じとか」
「そうね」
「ミレイせんぱいのあの冷たい目つきって、溶けますよね」
「え〜と……」
やっぱりよくわからないかも。
「メディせんぱいのあの隠れているようで隠れていない笑顔とかヤバい」
「わ、わっかるぅ!!」
ようやくスズネと合いそうなところがわかったかも。
「スキルは、どれが」
「キラメキブルーは、固有だからできないんですよね」
「固有スキルのは、よほど特殊なスキルを使わないと」
「そうですよね。あとは、リスクあるのは、怖いし」
「スズネ、あなたのってなにか反動があるわけ?」
「え、えぇ、まぁ」
さきほどみせてもらったものもどれもよさそうなんだけれど、まだ迷っているようだ。
「じゃあ」
「あ、二つだし、使っちゃおうかな」
「なにか、思いついた?」
「癒しアロマスター」
「うん」
「無限ループヘヴン」
「なんか、よくわからないけど、悪魔ノートに描いてみてくれる」
「はい」
スズネは、自身の悪魔ノートに、詳しく描いてくれる。
なかなかに絵心がある。
ネックレスの結晶にアロマで、
指輪の刻む文字と付加で、ループするやつらしい。
「うん、わかったわ。スズネが所有しているやつかしら」
「まぁ、そんなところっすね」
だいぶ時間がかかったけれど、
これで、おおよそクラフトの条件が決まった。
気づくと、ミレイが車両にくるところだった。
「あれ、作業中?」
「ミレイ早いじゃん」
「なに言ってるの? もうだいぶ経つわ。シャワー長くしちゃった」
「そうなの?」
スズネと顔を合わせてしまう。
集中して話しこんでいたようだ。
でも、こんなにゆっくり、多方面にスズネと話せたのは、はじめてかもしれない。
どことなく、スズネがニヤリと合図した。
わたしも合図をかえした。




