アマツキとアヤネ
「アヤネ起きないね」
ヒイロは、教会の中央にある祭壇の部屋で、ベンチに座っていた。
となりには、メディがいる。
「ネネとミレイは」
「まだ、服の片付けだとおもう」
「ヒイロ、その服装似合うね」
メディが、ほめてくれる。
「そ、そうかな。ミレイがほとんどあわせてくれたんだけどね」
ミレイが、あんなにファッションや装飾に詳しいとは、思わなかった。
そういえば、ミレイは、いつもいろんなタイプの服をきている。
自分に似合うものが、よくわかっているのだろう。
「ヒイロは、はじめ髪が長かったから、暗めに見えてたけど、いまは顔もはっきりしてるし、かわいいよ」
わたしは、顔がポッと熱くなるのを感じた。
「そんな、わたし男の子っぽいでしょ?」
「ヒイロが、男の子? ネネたちには、そうみえるのかな」
「ちがうの?」
「ヒイロは、少女にみえてるよ」
「うん。それは、複雑」
「え、なぜだろう」
メディは、嬉しいことも言うが、実はニブいのだろうか。
できれば、女っぽいとか、色っぽいとか。
アヤネが、なにか寝言をしゃべるなか、わたしは、前から気になっていることをつい口にだしてしまう。
「メディは、恋悪魔つくらないの?」
「え、その話しききたい」
アヤネが、ガバっと起きた。
「なんだ、アヤネ起きたの!」
「うん。いま起きた」
「それで、どうなの?」
「あぁ、そうだね。うーん」
「なに?」
メディは、なにか引っかかることがあるようで、それ以上は、何もいわない。
「メディって、なに、モテてるの?」
アヤネが興味ありげにきいてくる。
「そう、いや、どうかな。ネネとミレイは、メディのことラブみたいだよ?」
「ヒイロは」
「わたしは、そのまだ、というか」
ここで、きくの。
えぇ、とわたしは、想う。
アヤネめ。
まだ、気持ちすら、よくわかってないのに。
「あ、アヤネは、どうなの? 天使に好きな天使とか、悪魔でも、女性でも」
「うふふ。わたしは、仕事だわ。恋とか、応援ばかりで、子どもたちの教会のこともしっかりしなきゃ」
「そんなの、恋ってムリとか言わないで、自然とが一番だけど、わたしは、感情が動くのって、大事だと想う」
アヤネは、ヒイロの眼をみたあと、教会の窓の外を眺めている。
少し静かになる。
「アヤネは、そのうち恋できるようになるよ。それに、天使たちにも頼りにされる」
アヤネは、メディのほうをみると、少し微笑むも困った表情だ。
でも、ヒイロには、その横顔がキレイにみえて、どきっとしてしまう。
天使アヤネって、キレイなんだなぁ。
そんなことを想う。
「そういえば、ネネたちは、どうしたの」
「うん。そろそろ、片付けも終わると思うし、アマツキがシャワーからでてくるかな」
「あ、そうだ」
「なに?」
「アマツキのことなんだけどね」
「うん」
「わたし、教会で保護もしてるから、保護してもいいけど、ヒイロは、一緒にいたい?」
「ホントは、しっかり休んでほしい。でも、まだ話したばかりだし、それに」
「それに」
「わたし、ルルファイスに言われたの。もっと世界をみてって。アマツキも、できれば一緒にみてまわってほしい」
「うん。わかった」
教会の廊下の扉がひらくと、ミレイが呼びにきていた。
「シスターと片付けおわったわよ。アマツキもでてきた。ヒイロ探してるよ」
「うん。いまいくね」
教会の廊下を進み、先の部屋につくと、
アマツキが窓をあけて、髪を乾かしていた。
「ねぇ、ヒイロ?」
「あ、うん」
「かってにいなくならないでよ」
「うん。ごめん」
「シャワーからでたら、いないし」
「うん」
よくみると、汚れを落としたアマツキは、キレイな色の髪で、眼も少し澄んでいる。
服は、いまは下着みたいな格好だけど、しゃんとすれば、もしかして、イケてる、のかな。
「ヒイロはシャワーは」
「あ、そろそろお腹すいたかも」
「そうね。簡単に、食事とろっか」
「はーい」
ベットのところは、狭いのだけど、
机に椅子、ベットの上にと、使える場所をたくさん使って、シスターは、食事を準備してくれた。
アマツキと、ヒイロはベットのところで、一緒に食べる。
魅惑の果実ジュースと、果実まるごとだ。




