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虹森町の逆さ虹の森と動物達

 僕は少女の帽子を手に持ったまま家に帰ってきた。


 僕は自分の部屋の机の上にゆかりの帽子を置く。


 僕はゆかりの頭に生えていたものを思い出した。動物のような耳。そしてうっすらと見えていたしましまの尻尾。


 あ。そうだ。ハンカチ。ズボンをめくる。僕は膝にゆかりが巻いてくれたハンカチを見た。


 ハンカチを取る。膝の傷はもう痛くない。血も止まっていて、ハンカチには血がついていた。


「洗って返さないと… でもどうしよう… 公園で待っていたら来てくれるかな…」


 僕はお母さんに、ハンカチを洗ってもらうように頼むことにした。


☆☆☆


 次の日。公園に行ったが、ゆかりは姿を現さなかった。

 また、次の日。学校の登校日。付近には僕が通っている小学校しかない。

 たしか森の逆さ虹の向こうに住んでいるって言ってたっけ。その付近にも町はない。森が広がっているばかり。背格好を見る限りゆかりは年上だけど、小学生だよね。だから同じ小学校に通っているとおもうんだけど…


 別のクラスや、上級生のクラスを覗いて、ゆかりがいないかを探した。けれども見つけることはできなかった。


 1週間後。僕は再び逆さ虹を目指していくことにした。森の動物たちに聞いてみようと思ったからだ。


 再び土曜日が訪れた。


 僕はお母さんとお父さんに森に出かけて遊んでくると言って、家を出た。

 いつも遊んでいる公園に寄って、ゆかりがいないことを確認する。


 公園から普通に大き目の道をたどって、逆さ虹がある森の入り口まで歩いて行く。


 最後にゆかりを見た森の入り口。


 僕はカバンにお菓子と、ゆかりから借りたハンカチ。帽子を入れていた。


「よし」僕は森の入り口の遊歩道を歩くことにした。それとメモ帳をカバンから取り出した。メモ帳に逆さ虹までの道を忘れないうちにメモしておいたのだ。


 しばらく遊歩道を歩く。そして遊歩道の分岐点にさしかかった。


「あれ。ない。右に行ける道があったと思うんだけど…」僕は分岐点でまっすぐ進む道と左に曲がる道を見つけたが、右に行ける道がなかった。


 なんで…


 僕はもうちょっと先に進んでみることにした。


 どうしても右に行ける道は見つけることができなかった。


 森の中の道。逆さ虹のほうに向かって歩く。


 方角とか、あっていると思うんだけど… 


 さらに歩いて、森の切り株が3つあるところの道に出た。


 これ。見覚えがある。僕は道を左に曲がる。

 その後、さらに進み、巨木が倒れているところを過ぎてから、T字の道を左に曲がる。


 T字の道を10分ぐらい進んだ後、さらにT字の道。また左に曲がる。


 もとの道に戻ってしまいそうだと思ったところだ。

 さらに進むと森が開けてきた。


「ここだ」逆さ虹の根元。


 右上のほうを見ても逆さ虹は見えない。さらに奥。逆さ虹を触ったところに続く道が見えた。


 僕はその道に向かって歩いて行く。


「ない」逆さ虹。逆さ虹はどこにも見えなかった。


 きっと、ゆかりが言っていたことを思い出した。

 きちんとした道順で行かないとたどり着けない。


 だめだった。さらにあたりを探したが逆さ虹の根元は見つけることができなかった。虹そのものも見えない。


☆☆☆


 僕はしょんぼりした感じで、来た道を戻ることにした。


 巨木が倒れている場所。


 巨木の後ろに熊がいないかを見た。


 いない。


 こまどりの声も聞こえない。


 別のシジュウカラの鳴き声は聞こえる。


 僕はさらに歩く。狐と会った道にさしかかった。


 そうだ。どんぐり池。あるかな。


 僕はメモを見ながら、どんぐり池へと続く道を探す。


 あった。先の道にまがる所がある。


 道を曲がってから先に進む。


 ちょっと進むと池が見えてきた。水がきれいな池。


 2人で休憩した倒れた木もある。記憶どおり。

 鳥の鳴き声も聞こえる。風が吹くと木の葉がこすれる音もする。静かではない。


 僕は、木に腰かけて休む。そしてお母さんからもらったおにぎりを食べる。

 前に来たときは、ゆかりちゃんと一緒だったんだよね。

 ゆかりちゃんどうしているんだろう。


 そうだ。どんぐり。どんぐりを池に投げ込んだら願いが叶うって…

 ぽけっとや、カバンにどんぐりが入っていないかを調べた。

 どんぐりはなかった。


 そうだ。部屋の机の引き出し。引き出しの箱の中にどんぐりを入れてた。どんぐりは忘れてきたのだった。


 1人でおにぎりを食べてから立ち上がった。


 そして池を後にする。


 池からの帰り道。原っぱに出た。木の根っこが飛び出した広場。


 でも、記憶にある原っぱと違っていた。


 木の根っこが小さすぎたのだ。僕の胴体ぐらいはありそうな木の根っこだと思ったんだけど、僕の腕ぐらいの太さの根っこがちょっと盛り上がってるだけだ。

 リスに根っこが生きていると言われ、怖くなったところ。あのときは山のように木の根っこがもりあがっていて、登れたんだけど…

 僕は3歩ぐらいで、木の根っこを超えて向こう側に出る。


 しばらく歩くと川の音が聞こえてきた。


 森が分かれ、崖も見えている。崖の下には記憶のとおりに川が流れている。


 でも。


 おんぼろ橋はなかった。コンクリートか何かで出来た丈夫そうな橋がかかっていた。

 記憶と違う。新しいものではなく、何十年か前からあったようなコンクリート製の橋。大きさは人が並んで2人通れるかという幅しかないけど、とっても丈夫な橋だった。 


 僕は橋を渡ってみる。橋は普通にわたることができ、反対側にも森の道が続いていた。


 僕は森の道をそのまま進む。しばらく進むと、小さい駐車場に出た。後ろを見ると遊歩道の案内が立っているのが見えた。逆さ虹の森。遊歩道案内。


 駐車場の向こうには車が通れる道。そこそこひっきりなしに、車が通っている。


 僕はそれを見て戻ることにした。


☆☆☆


 結局ゆかりに会うことはできず。森の動物たちに会うこともできず帰宅してしまった。


 その後、学校でも探したり、暇さえされば公園のベンチの所で待ってみたりもした。

 けれどもゆかりと会うことはできなかった。


 そんなある日。逆さ虹の森の川の橋の向こうの森。森の中に不法投棄されたごみを見つけた。


 ごみを見つけることが多くなった。


☆☆☆


 朝のローカルなニュース番組。


ニュースキャスターが言い始める「では、この話題を取り上げましょう。みなさんが良くご存じの逆さ虹。最近は逆さ虹が見えない日が多くなってきているのにお気づきでしょうか。はるか昔からこの町には逆さ虹があったことが記録に残っていますが、虹の見えない日が多いのは最近になってからのようです…」


「そうですね。私も子供のころから逆さ虹は見てますが、虹がかかっていない日のほうが少なかったですね。どういうことなんでしょう?」


「最近。住民の報告からもあるのですが、逆さ虹の森付近に、ゴミの不法投棄があるようです。それも関係しているのではと思うのですよ。森の動物達も減少傾向にあるようです。

では、次のニュース…」


 僕はそれを見て思った。なんとかしよう。


☆☆☆


 学校の課題の作文。僕は逆さ虹の森のごみについて、頑張って調査をして、ゴミのある場所の地図を作り、作文で発表した。森に動物がいること。自然破壊は良くないと…それに逆さ虹が見えない日が多くなっているのも、ごみのせいだと…


 僕が書いた作文が目に留まり、コンクールで賞をとった。そしてローカルのニュースで取り上げられた。


 それをきっかけとして、僕は『森のゴミを減らそう』というチラシを親に頼んで作ってもらい、学校付近で配ることにした。


 1年が過ぎ。2年が過ぎ。数年が過ぎた。僕は小学校を卒業し、中学にあがり、ボランティアのクラブに入ることにした。森のごみを見つけては拾って回収した。大きいごみは、大人の人に強力してもらい、軽トラックを借りてもらい、大人数人の手助けもあり、不法投棄されたごみを回収する方向に動いてもらうことにした。


 そして僕が14歳になった日。珍しく森の逆さ虹がよく見える日。


 僕は再び逆さ虹の森へと足を運んだ。


☆☆☆


 ふと、家の前にポストがある家と、バス停がある家の間を通りかかった。

 家の間に細い道がある。


「あ。そうだ。小さいとき近道で通ったっけ」僕はゆかりと森に行ったときに通った道を思い出した。


 僕は腰をかがめて家の間の道に入っていく。昔はなかった枝の下をくぐり。道を通る。


 ああ。こんな感じだった。家の横を通り、庭をすぎ… 空地にでる。


 あれ? 見たことがない街並みに見える。


 僕ももう14歳だ。このあたりの道はすべて通っているはず… なのに見覚えがない道。


 僕は記憶を頼りに、右にまがりまっすぐ進む。別の公園を過ぎて小川の橋を渡り、森の入り口の遊歩道のところまで歩いて行く。


 そして、僕は森の入り口の遊歩道へと足を踏み出した。


 しばらく歩く。


「あ。あった」僕は遊歩道の分岐点で止まった。何度も通った道。今日は見つけることができた。


 しばらく歩くと遊歩道は曲がり道になり、曲がった後は遊歩道が終わり、森の道になる。

 記憶のとおりかな。


 森の道になってからもしばらく歩く。

 ちょっとした下り坂。僕は木の根っこが道に出ていたところを歩こうとして、つまずく。


「あ。いって」僕は昔と同じように膝をすりむいてしまった。


 ゆかりがハンカチで手当てをしてくれたことを思い出した。


 僕は立ち上がった。


 森の切り株が3つあるところの道を左に曲がる。見覚えがある。

 その後、さらに進み、巨木が倒れているところを過ぎてから、T字の道を左に曲がる。


 T字の道を10分ぐらい進んだ後、さらにT字の道。また左に曲がる。このままだと元来たところに戻ってしまいそうだ。僕は更に進んでいく。


 そして、森が開けてきた。いつの間にか上りの道になっていて、見晴らしがよいところに出てた。


「ねえ。右上のほうを見て。逆さ虹」という昔ゆかりが言った言葉を思い出して、右上を見た。


「あ。あった」僕は虹を見た。逆さ虹。


 僕は虹を近くで見て、ふるえだした「やったー」叫んでしまった。


 僕は横の脇道を見た。見覚えのある道。


 脇道を進む。すると、逆さ虹の根元にたどり着いた。うっすらとしているが7色の虹が上に見える。手で触ることができる位置に7色の雲で出来ているかのような虹がある。


 僕はそっと7色の雲でできているかのような虹に触れてみた。


 ひんやりする。

 僕は再び虹を触ろうと手を伸ばしたときだった。


『やあ。また会ったね』僕の後ろから声がする。振り向くと、道のわきに狐が座っていた。


「あ。君は…」僕は狐を見た。


『君。大きくなったね。そしてありがとう』狐は言った。


「えっ。お礼を言われることなんて…」僕は狐に返した。


『いや。君のおかげだよ… 最近になってこの森や逆さ虹が元気を取り戻してきたんだよ…

ゴミの不法投棄… 最近はだいぶ減った。ありがとう』狐は再び言って頭を下げた。


「ああ。それか。たしかにやっていたよ… ここに案内をしてくれた少女が気になって、森を探していたんだよ。そうしたらごみが気になったから…」


 狐は僕の顔をみた。


『ふーん。君はゆかりが好きなのかい?』狐が突如として聞いてきた…


「えー。す。好きって… えーと…」僕はだまってしまった。そして顔が赤くなった。


『どうやら図星みたいだね… 僕たちもしばらくゆかりを見ていないんだよ。もう5年ぐらいになるかな…』狐は言った。


「どうすれば見つけることができるかな?」僕は狐に聞いた。


『森の仲間たちにも手伝ってもらおう… おーいこまり。みんなを集めてほしい』と狐が木々の上のほうに向かって言った。


『ああ。わかった。ちょっと飛んで探してくる』こまどりさん。枝から飛び立った。

 遠くで、こまどりさんの美しい歌声が聞こえてきた。その後声が聞こえなくなり、また別の場所でこまどりさんが歌いだした。


☆☆☆


 その場に、アライグマが現れた。その後クルミをくわえた蛇。リス。最後におどおどしながら熊が現れた。


『大きくなったね』リスが言う。


「こんにちはみんな」僕はなつかしい面々を見た。


 みんな変わっていない。


 僕たちは、ゆかりを探すために、何かいい方法はないかとみんなに聞いた。


『そううえば。おんぼろ橋の向こうの小屋の近くでゆかりを見たな』とアライグマ。


「それはいつ?」僕はアライグマに聞いた。


『うーんたしか、5、6年前かな… おい。お前は見なかったか?』アライグマは蛇に聞く。


『どうかな。ずっと前は逆さ虹の逆側で見かけたことは良くあるんだが…』と蛇。


『僕も見たよ。木の上でどんぐりを食べてたらね。逆さ虹の向こう側にいて、虹に触れたら消えたんだよ…』


『あ。見た。見たことがあるよ』とこまり。


「じゃあ。おんぼろ橋の向こうの小屋に行ってみたい…」僕はみんなに言った。


『じゃあ出発』狐が言った。


☆☆☆


 僕は、コマドリを先頭に、狐の首にまきついた蛇。狐。アライグマ。リス。そして熊とともに、森の道を歩いて行く。


 しばらく歩き、川が流れている崖の近くまで来た。


 記憶のとおりのおんぼろの吊り橋がかかっていた。吊り橋のロープは両端にかかっているが、渡るための板はところどころが外れて、今にも落ちそうになっていた。


 1人で何回も来たときは、コンクリート製の橋がかかってて簡単に渡れるものだった。


「どうしよう… これじゃ渡れないよ」僕は困った。


『そういえば。つたがいっぱいあったぜ』と蛇が狐に言う。


『じゃあ。つたを使って吊り橋を補強しよう… 熊君手伝って』狐が熊にお願いする。


『うん。僕でよければ…』巨体の熊は蛇と狐の後について歩いて行く。


 しばらくすると、熊がつたを数本かかえて戻ってきた。


 とっても丈夫そうだ。


 熊は、つたを吊り橋のロープと結んで括り付ける。狐君は器用に、つたの逆側をくわえて、今にも落ちそうな吊り橋の上に乗り、つたを5個向こうの板の左側と右側にくくりつける。そしてさらに先の板にもつたをくわえて持っていき、板にくくりつける。器用に狐は吊り橋の板をつたで結び補強していった。

 さらに太いつたを2本熊は用意した。そのつたを、こちら側の吊り橋の板に括り付けたあと、吊り橋の板の真ん中にわたし、つたを反対側の崖まで投げる熊。すごいパワーでつたが空中を通り、反対側の崖まで届いて落ちる。


 きつねは身軽に、吊り橋を渡っていき、反対側にたどり着く。つたをくわえて、吊り橋の反対側の板に結び付ける。


『たぶんわたっても大丈夫だよ。まずは熊君』狐が反対側から言った。


『むり。絶対むり… 落ちちゃうよ…』ぶるぶる震えている熊。

 怖がりの熊にはおんぼろ橋は渡れない。


『そういえば。向こう岸にははちみつがあったぜ』と蛇。


『は。はちみつ…』熊ははちみつが大好物だ。


『はちみつ… よし… 頑張る。頑張ってわたる…』


 熊は四足になり、おんぼろ吊り橋に前足をかける。つたで補強してあるから大丈夫だと思うけど…

 ぎゅ。ぎしっと。吊り橋から音が鳴る。

 ぎゅ。ぎゅ。熊は3分の1ぐらい吊り橋を渡ったとき。風がふいて吊り橋がゆれた。

『やっぱり怖い。戻る…』熊は後ろを向いた。


 ぎしっ。吊り橋から音が鳴る。そして戻るのは無理だとわかった。

 吊り橋の上では方向転換ができないからだ。


『じゃあ。僕が誘導するよ…』蛇は吊り橋を渡って行った。


 熊の両足の間を抜けて、熊の前に出る。


『ほら。早くこないと、はちみつ。全部僕がすっちゃうぞ…』蛇は熊に向かって言う。


『あー。それだめ。大好物のはちみつ…』熊は勇気を出して一歩動く。そして一歩。


 熊は前方を見ず、足元だけを見て一歩ずつ進む。


 そして。


 熊は見た。一歩先の地面。崖の反対側。前足をついて。さらに逆の前足。そして後ろ脚も地面につけた。


『よくがんばったね』狐が熊に言った。


『あー。がんばった。はちみつ…』熊は向こう側の岸からこっちを向いて座った。


『じゃあ。行こうか…』

『あとお願いがあるんだが…』とリスとアライグマ。


 リスは体が小さすぎて、吊り橋の板の間から下に落ちる可能性がある。そしてアライグマ。水を見ていると、何か洗いたくなるので抱っこしてほしいということだった。


 僕はリスとアライグマの体を抱き上げて抱っこする。アライグマの体はふかふかの毛並みだ。

 リスも初めて抱っこした。暴れん坊のアライグマも抱っこされている間はおとなしい。


 僕は足元をみながら、ゆっくりおんぼろの橋を渡る。ゆっくりわたり。やっと反対側にたどり着く。


 みんなそろった。


 僕は、アライグマとリスを地面に下し、狐に案内されておんぼろ橋の向こうの小屋にたどり着く。


 熊と蛇はいなかった。途中でわかれてはちみつを取りに行ったのだ。


 僕は小屋の入り口を開けた。僕は何度も、1人で川を渡ったところの森の道を歩いたことがあるが、こんな小屋は見たことがなかった。


 僕は小屋のドアから中を見る。何かの保管用の棚。そして奥の壁に何か光るものがあった。


 床にプレートが落ちていた。何かの金属とガラスのようなもので出来たもの。これも見たことがなかった。そして壁。壁にプレートがちょうどはめ込めるような穴が空いていた。


 僕はプレートを拾い、壁の穴に入れた。


 壁にグリーンの表示が付く。


☆☆☆


『おい。大変だ。逆さ虹。逆さ虹が消えた』と蛇が入り口から入ってきて言った。


「へっ」僕は僕は小屋から出て、吊り橋のところまで戻った。


 逆さ虹が消えて。代わりに、虹があった場所に7色の道がかかっていた。


 僕は反対側の岸を歩き、逆さ虹のあった場所へと走っていく。

 虹の道の元へたどり着くのに10分ぐらいかかった。たどり着くまえに、7色の道が消えて再び、逆さ虹が現れた。


 そして、そこには少女がいた。


 帽子をかぶった少女。僕よりちょっと年上の子。


「しんご君?」少女は言った。


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