表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/39

ドーマの実力

「がははっ、さあ、やろうか」


「前と同じように、返り討ちだ!」


冒険者ギルドの表で、暴れん坊ドーマと勇者サトルが対峙していた。折角の絡まれイベントだし、見届けてあげるのも俺の役目だ。おっ、どうやら勇者の方から動き出すようだ。


「サモン!ウォータードラゴン+5!」


魔法陣と共に出てきたのは、半年前と同じウォータードラゴン。いや、限界突破を4回ほどして+5になっているな。半年もすればそれぐらいは強化されるか。対するドーマは…


「がは、さあ行くぜ!サモン!ダークドラゴン!」


「…なに?ダークドラゴンだって?」


ん?何やらサトルが驚いてるな。まぁ、ダークドラゴンって言えば、サトルのウォータードラゴンと同格のモンスターだからな。でも、サトルのドラゴンの方が限界突破をしている分、分があるはずだ。そこまで驚くことなのか?


「どうして、君がそれほどのモンスターを持っているんだい?」


「実力だ!実力!この俺にかかればこれぐらいのモンスターの捕獲くらいわけねぇ!」


「本当に?確かに初めて対峙した時もそれなりの実力はあったけど、いきなりAランクモンスターなんて…」


「もともと魔力はあったんだ。捕獲さえできればこっちのもんよ!」


「その捕獲が…いや、今はいい。とにかく今は君を倒そう!」


「言ってくれるじゃねえか!行くぜ!」


「来い!」


どうやら、始まるようだ。それにしてもAランクモンスターかぁ…ダークドラゴンのレア度はSR。つまり、SRモンスターはAランクのモンスターに位置づけられてるということだな。しかし、これだとサトルがプレイヤーなのかはっきりしないな。せめて、SRモンスターと言ってくれれば100パーセントプレイヤーと言いきれたんだが…っと、それより戦闘だ。


「やれ!ダークドラゴン!」


「ガードだ!ウォータードラゴン!」


ドーマの指示によって、攻撃を開始するダークドラゴン。しかし、ウォータードラゴンによってすべて防がれてしまう。


「ちっ!ならこれでどうだ!」


「無駄だよ!」


あの構えは、ウォータードラゴンと同系統のスキル、『闇龍の息吹き』だろう。でも…


「いけ!ウォータードラゴン!『水龍の息吹き』だ!」


「グオオォォ!!」


「うぉっ!?」


ダークドラゴンが放つと同時に、ウォータードラゴンもスキルを発動。二匹の攻撃は、一瞬拮抗したが、すぐにウォータードラゴンのスキルが押しはじめ、ダークドラゴンのスキルをのみこみ始めた。


「くそっ!さすがクソ勇者だな!いったん離脱だ、ダークドラゴン!」


「グォ!」


ダークドラゴンはスキルを解除し、素早く避け、なんとか回避した。やっぱりサトルの方が有利だな。


「こんなもんかい?ドーマ」


「へっ!まだまだぁ!!」


こうして二人はまたも衝突するのだった。




ーーーーーーーーーー




「はあ、はあ…」


「行くよ!これでとどめだ!」


「しまっ!」


あれからなんとか追いすがっていたドーマだったが、やはり限界突破の差があだとなり、今まさにとどめを刺されるまでに至っていた。


「『水龍の息吹き』!」


「グオオオォォォ!!」



ドガアァァン!!



体力が尽き、動けなくなっているダークドラゴンへスキルが直撃。そしてそのまま消滅。勝負ありだな。


「さあ、今回も君の負けだ。ドーマ!」


「…」


「潔く、アキに謝ってこの町から出ていくんだ!」


「…がははっ、あめぇな。これは作戦だ。お前の龍の体力を減らすために今までわざと攻撃を受けていた」


「なんだって?」


「今から見せてやる。…サモン!メタルダークドラゴン!」


「まさか!!」


ドーマの不穏な言葉と共に召喚されたのは、メタルダークドラゴン。黒銀色の鱗を持つドラゴンで、レア度は URの中位。コストは普通のURと変わらないけど、ある意味俺のメタスラと同系統のモンスターだ。

なんであんなのが、あのモンスターを持ってるんだ?


「さすがにそれは、捕獲したとは言えないね…」


「さぁな、どうだろうな?」


「くそっ!行け!ウォータードラ―――――」



ボンッッ!!



「えっ?」


「あめぇって言っただろう。このクソ勇者!」


サトルがウォータードラゴンに指示を出そうとしたがその前に、メタルダークドラゴンの一撃が、直撃。まだ、やられてはいないようだけど、今ので大分ダメージを負ったように感じる。さすがにURモンスターだな…


「ウォータードラゴン!」


「へっ、形勢逆転だな!」


「まだだ!『水龍の息吹き』だ!」


「グオォ」


「跳ね返せ!メタルダークドラゴン!」


決死の力でウォータードラゴンはスキルを放つ。しかし、体力にも限界が来ているためか、威力に欠ける。それ以前に…


「グガァァァァァ!!」


「なっ!」


メタルダークドラゴンはウォータードラゴンの放ったスキルを、片腕を振り下ろすだけでかき消してしまった。元々体力の限界が来ているうえに相手はURモンスター。まずいな、このままじゃあ…


「そのまま、ぶっ潰せ!」


「ああっ!!」


「グオオォォォォ!!」


スキルをかき消したメタルダークドラゴンは、そのままウォータードラゴンへ突撃。なすすべもなく、ウォータードラゴンはやられてしまった。


「ガアァ…」


「負けた…」


「がっはっは!勝負ありだ!さあ、俺にたてついたこと後悔させてやる!」


まさか…サトルの負け?予想外だこれは。ただの噛ませ冒険者だと思ってたのに、まさかここまで強いとは…これじゃあ、色々まず…あれ?


「負けた…ウォータードラゴンが負けるなんて…」


「がはは、よほどドラゴンが負けたことがショックだったらしいな!まあ、俺の方が実力が上だったんだよ!」


「確かに、ウォータードラゴンが負けたのは予想外だったよ」


「なら、潔く俺に―――――」


「でも、まだ負けてはないよ」


「ッ!?」


おおっと?なんか、サトルの雰囲気が…


「本当予想外だったよ。まさか、こいつを召喚することになるなんて」


「こいつだとぉ?」


「そう。今現在の俺の切り札だ。」


どうやらサトルはまだ、本気ではなかったらしい。焦らせんなよ…まぁ、SRモンスターしかいないのはさすがにおかしいとは思ってたけどね。


「は、はったりだぁ!」


「俺だってあの時の戦い・・・・・・から成長はしてるんだ。じゃあ行くよ。サモン!炎天の騎士ランスロット!」


勇者の本気の戦いが始まる。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ