太古の大森林
ゲルガ村を飛び出した俺はまたも、道の真ん中で考え事をしていた。
「しまった…『太古の大森林』がどこか聞いてなかった」
興奮していた俺は、『太古の大森林』がどこにあるのかも聞かずに飛び出してきたのだ。興奮ってのは駄目だな、冷静さを欠いてしまう。平常じゃない時ほど冷静でないと…今度から気を付けよう。
「あっそういえば、地図には乗ってなかったけ?」
すっかり忘れていたが、モンサモには、地図機能があったのだった。
「どれどれ…おっ、あったあった。うん、割と近いな」
村人たちが、この辺ではと言っていたくらいだからか、割と近くに『太古の大森林』があった。ただ、興奮していて考えてなかったが、『太古の大森林』のモンスターがどれほどの実力なのかってことだ。いくら俺のモンスターが強くても召喚するにも限界がある。まずは、村人が言っていた入り口付近のモンスターを見て判断することだな。
「よし、そうと決まれば行くか!」
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「でけぇ…」
『太古の大森林』についてまず思ったことが『でかい』の一言だった。入り口付近に生えている木々だけでも、ゴブリンの森や、ウルフの森の倍以上はある。それなのに、奥の方に一本の木がでかでかとそびえ立っているのがわかる。あの辺に龍がいるのかもしれない。
「あの木を目指すのは確かだけど、今はモンスターだな」
先ほどから気づいてはいたのだが、すでに、他の冒険者と思われる人達が、モンスターと戦っていたのだ。あれは…オークだな。それもただのオークだけじゃなくてオークリーダーやオークジェネラルまでいる。
「くっ、強すぎる!撤退だあ!」
「「「おお!」」」
あっという間に自分たちのモンスターがやられると撤退してしまった。だが、なぜかオーク達は追おうとしない。
「さしずめ、この森の門番ってとこか?」
この森には、スピリチュアルドラゴンがいる。それが本当なら、あのオーク達もドラゴンの配下なのかもしれない。それとも、ただ単に、森を出たくないのか…
「しかし、オークぐらいなら何とかなるんだけど…あのオークリーダーと、特に奥にいるオークジェネラル。あいつらがなぁ」
オークのレア度はNの上位、オークリーダーはRの中位、そしてオークジェネラルはSRの下位に位置するモンスター達だ。オークだけなら、俺のブルスラ達とメタスラで何とかなるが、あの、オークリーダーとオークジェネラルがいるとさすがのメタスラでも、手に余るだろう。
「というか、数多すぎ!もはや一つの軍隊だよ」
そう、オークリーダーとオークジェネラルがいるのもそうだが、数が異常だった。この前のゴブリン戦では、最終的には20近くを狩ることになってしまったが、今回はその倍の40はいる。
「ただでさえ、ゴブリンより強いオークが30近く…オークリーダーが数体にオークジェネラルもいる…これはさすがにきついだろ」
先ほどの冒険者らしき人達も20人くらいはいたのだが、ノーマルモンスターの上位に位置するオークにレアモンスターのオークリーダーが数体いては、すぐに撤退するのはうなずける。正直予想以上の難易度だ。
「これは一回、ウルフの森でレべ上げか?いや、あそこは、エルバ達が通る可能性があるから駄目だ。」
他の場所で一端レベルを上げるのもいいのだが、せっかくここまで来たのだから『太古の大森林』には入っておきたい。
「うーん…あっ、そういえば」
俺はモンサモを開くと、自分のステータスを見た。ウルフの森ではエルバがモンスターを倒していたが、もしかしたら俺のレベルも上がっているかもしれない。それに他にも確認したい事がある。
ステータス
アキト(12)
LV12
体力30
魔力25
攻力25
防力25
モンスター863/1500
アイテム/装備品365/1000
ガチャポイント165342
ジェル26269834
イベント
ショップ
地図
レベルは変わっていなかった。もしかしたら、俺はパーティー扱いになるかもと思ったが、自分で倒さなければ経験値などは手に入らないようだ。しかしこちらは予想していた。俺が確かめたいのはモンスターの方だ。
「えーと、おっ、いた」
モンスター閲覧の中から俺は一体のモンスターに注目した。
アースドラゴン(SR)
Lv60(Max)
コスト16
体力1000
魔力650
功力940
防力800
スキル 緑龍の息吹き
この龍は、コロモ村に出たファイアドラゴンやあの英雄の一人、確か『ドラゴンキラー』のサトルが持っていたウォータードラゴンと同じ種類のモンスター。というより、これらのモンスターはモンサモを始めるときに配られる、◯◯コドラの進化モンスターだ。あのサトルってのがプレイヤーだとするなら、最初に手に入れたのがウォーターコドラだったのだろう。
「とりあえず、こいつでいいか…サモン、アースドラゴン!」
俺が、最初に手にしたのはこのアースドラゴンの進化前のアースコドラだった。もちろん、進化も済ませてレベルもマックスだ。なぜ今こいつを召喚したのかというと、こいつの背に乗って森の中に入るためだ。
「サトルとかってやつも、あのドラゴンに乗ってコロモ村に来たはずだ。なら、俺が同じことをやっても良いはずだ」
空からいけばオーク達にも襲われずに済む。見た所、空にはモンスターがいるようには見えない。なら空を飛ばない手はない!
「よし、行こうかアースドラゴン」
「グル」
突然近くに現れた俺達が空を飛んで逃げるのをオーク達は茫然と眺めていた。




