1章 1話 人として
記憶がなく、生まれもわからない少年が幻想入りする、この少年の正体は一体何なのか、そしてこの少年は幻想郷で上手くやっていけるのか、未来は誰もわからない
暗い夜の森の中で一人の少年が倒れていた
「ここは…どこ」
立ち上がり、周りを見渡す、暗い夜の森、至って普通の森
「僕は、何をしてたんだっけ…何も思い出せない」
記憶喪失、この森で目覚める以前の記憶が何もない、でも名前だけは覚えてる、不思議な感覚、莫大な空き容量の中にある一つのデータ、そんなイメージ
「あんた、誰」
赤い巫女服のようなものを着た少女が木の上に立っていた
「え、人?、僕は、気づいたらここにいて、その、記憶がないんです、ここに来る前のこと、何も覚えてなくて、だから…その、名前は─」
「そんな異質な魔力を垂れ流しておいて、記憶がないなんて、信じると思ってるの?」
少女が木からゆっくりと降りてきた、地面スレスレで浮遊している
「え?なんで飛んで」
「あんたの魔力、近くで見ると本当に異質ね、まあいいわ、記憶がないなんて言って、何を企んでるのか知らないけど、異変を起こされる前に退治してやるわ」
そう言ったその少女は、持っていたお祓い棒を少年へ向けた
「ちょ、話聞いて──」
その言葉を言い終わるより先に、その少女が白く光る弾を数発放った
「死になさい」
弾が少年に直撃する、数発は少年の足元へ直撃し、土煙が舞った
「急に…何…するんですか」
少年は頭から血を流し、片腕を抑えながら立っていた
「頑丈なのね、なら、もう一撃」
少女がもう一度弾を放とうとした時、声が響いた
「止めなさい、霊夢」
空間に切れ目が入っていた、そこから、少年と霊夢の間に紫色の服を着た金髪の女性が出てきた
「ちょっと紫、なんで止めるのよ!こんな変な魔力したやつがただの人間とでも言うの!」
「落ち着きなさい、この子は人間、外来人よ」
「外来人…でも、外から来た他のやつはこんなにも異質な魔力、持ってなかったわよ」
「そうね、でも現に今、目の前にいるのよ」
紫と呼ばれた女性が目を細め、少年を見た
「確かに、こんな魔力は見たことがないわ、幻想郷ができてから一度もね、でもそれは何もしてない人間を対峙していい理由にはならないの、幻想郷は全てを受け入れるのよ」
霊夢と呼ばれた少女がお祓い棒を降ろした
「何よ…まあ、ひとまずはいいわ」
「えと…あなた…達は」
「私は博麗霊夢、ここ幻想郷の巫女よ、何か面倒事を起こしたりなんてしたら、退治してやるから」
「私は八雲紫、とりあえず、傷の手当をしましょう」
先程空間に空いた切れ目に紫が入っていった
「来て」
「…はい」
そう言って少年は紫の作った切れ目に入っていった
記憶喪失と幻想郷 一章 1話 人として
読んでくれてありがとうございます、小説を書くのは初めてで、わからないことも多い初心者ですが、良い評価を残してくれると、とても励みになります。




