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第0話 『最初の一人』
その日、平穏だった日常が地獄へと変貌した。
「父さん…?母さん…?嘘だ…嘘だぁ!うわぁぁぁぁぁぁ!!」
そこは街から遠く離れた山の古びた一軒家。一人の少年の絶叫が鳴り響く。
床一面に広がるのは、どろりと溶け出したチョコの海。
そして、地面に横たわる二つのキノコの残骸。
片方は胴を貫かれ、クラッカーが地面に散らばっている。
もう片方は"笠"が無惨に剥ぎ取られ、荒い切断面が剥き出しになっている。
吐き気を催すような、甘ったるい死の匂い。それが、少年の中で憎悪へと形を変えていく。
「アイツらだ…あの尖った頭をした影…アイツらがやったんだ…!」
少年の声は次第に掠れ、やがて熱量を失っていく。
「絶対に許さない…アイツら…絶対…に……」
少年の意識は、そこで途絶えた。




