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非常停止ボタン

朝のラッシュ時の電車の中。


快調に走っていた電車がいきなり減速して止まります。

「急停車します。ご注意ください。

 アテンションなんとか」

と、アナウンスが流れます。

どうしたんだろうと、ついスピーカーの方に目をやります。

するとすぐに車掌さんのすまなそうな声のアナウンスが。

「只今、xx駅でホーム上の非常停止ボタンが押されました。

 そのための、非常停止信号を受信したので停車しました。

 安全の確認が取れるまで、しばらくお待ちください。」

皆、「あ~あ、またかぁ」とうんざりした顔が見えたりして。


でも、一度、その場面に遭遇したことがあります。

それは帰りで、もう周りは真っ暗。

電車を降りホームを歩き始めると、かなり先の方で、ふらふらしながらホームの端を歩いている男性が見えました。

「危ないな~」と見ていて思っていると、その男性の姿がいきなり見えなくなりました。

そう、その男性、ホームの下の線路に落下したのでした。

「大変、助けなきゃ!!」

その付近にいた人も、皆、その人が落下した辺りに集まります。

その内、誰かが助けるためにホームから線路に降りて行きます。

その時、一人の男性が、周りをキョロキョロし、柱に向かってダッシュ、そしてジャンプして何かを押したようで、すぐにベルの音が鳴り響きます。

そう、非常停止ボタンを押したのでした。

冷静に考えれば、いつ電車が入って来るかわかりませんし、そうなったら落ちた人だけでなく助けに降りた人も危険にさらされます。

とっさの判断でしょうが、感動しました。

そのあと、無事に落ちた人が助け上げられめでたしめでたし。

「でも、なぜ、ジャンプを?」

「いつもの癖で、とっさに」

と言われた気がします。

でも、いつもの癖って、いつも何をしているのでしょうか。


明日も同じ電車に乗ろう。

挿絵(By みてみん)

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