その他の組織
■ ザックリー・モートン(Zachery Morton)
32歳。野盗組織「EDMクルセイダーズ」を率いる首領であり、「四つ腕モートン」の異名で恐れられている。愛機は自ら廃品を寄せ集めて組み上げた狂気のマシン「ギットマングラー」。
物心つく前から、とあるモグリ技師のモルモットとして扱われてきたモートンは、15歳のある日研究所を脱走し、生まれて初めての自由な人生を手に入れた。そしてこの半機械の怪人が地上に解き放たれたその日から、彼の血まみれ成り上がりライフが始まったのである。
脳に直接書き込まれた戦闘と兵器整備の知識を活かし、地上最強の男になることを目指した彼は大荒原の片隅で朽ちていたウォーカーを独学でレストアすると、手始めに近場の野盗のキャンプを単身襲撃。ボスの頭をカチ割り、生き残った手下を従えて自分のギャングを結成した。モートンの団、EDMクルセイダーズは他の野盗や傭兵組織に手当たり次第喧嘩を売っては叩き潰し、生き残りを吸収して雪ダルマ式に勢力を拡大。今や中規模の傭兵組織に匹敵する巨大な暴力組織に発展した。
この成功は、単にモートンの腕っ節だけで成し得たものではない。「機械の声が聞ける」とまで噂されるモートンは、メカニックとしても超優秀なのだ。彼が自らの全身全霊を込めて作り上げた改造ウォーカー「ギットマングラー」に乗り戦場に現れたとき、不運な敵は彼の本当の恐ろしさ、そして「四つ腕」の二つ名の理由を身をもって知るだろう。
極度の肥満体型で、2メートル超えの異常巨体の持ち主。チタン合金製の頭蓋骨、片目に直結した光学ファインダーなどの機械部品が全身に埋め込まれており、合う服が無いのでほぼ常に半裸で生活している。最近のマイブームは喉のバルブを愛機の冷却剤回路に直結し、機体に流れる冷却用アルコールをガブ飲みしながら戦うことだそうだ。
■ グロリア・ダ・シルバ(Gloria Da Silva)
年齢不詳(自称28歳)。エスタンジア派の傭兵組織「征戦アレマニア機士団」の団長を務める歴戦の女パイロット。愛機は白銀の接近戦用ウォーカー「インヴィクタス」。
ウォーカーの操縦桿を握る以前の彼女の生い立ちは知られていない。しかし、高い戦闘センスを持ちながら野盗の身分に甘んじていた彼女にとって、征戦アレマニア機士団と名乗る傭兵組織との出会いが人生の転機だったことは間違いないだろう。野盗討伐の任に当たっていた機士団は、捕らえたグロリアが凄腕のパイロットであることを見抜き、仲間に迎え入れたのだ。新しい居場所を見出した彼女はベテラン揃いの機士団の中でもその頭角を現し、次期団長候補とまで目されるようになる。
彼女を悲劇が襲ったのはそんな時であった。各地に展開していた機士団拠点はローラシア軍による一斉攻撃を受け、突如として壊滅的打撃を受けたのだ。運良く生き延びたグロリアの隊も残党狩りに追われて疲弊し、徐々にその戦力を失っていった。
極限状態の中、グロリアが正気を失わずにいられたのは、機士団の一員としての矜持があったからだ。例えその身が独り荒野に朽ちようと、弱者から奪うことでしか生きられない野盗に再び身を落とすことは許されない。気高き精神に導かれ、彼女は例えかつての仲間全てを失っても、自分が何者であるかを忘れることはなかった。そして彼女は今、旅の途中で出会ったウォーカー運転手トニ・サンチェスを相棒に、かつての栄光ある機士団の姿を取り戻すべく、荒野を歩み続けている。
小麦色の肌、鋭い眼光、ベリーショートの黒髪。かつて機士団の制服だった乗馬服を着込み、腰にサーベルを差した姿は見る者にある種の緊張感を呼び起こす。男勝りの荒っぽい性格だが面倒見の良い側面もあり、一度仲間と認めた相手には親身に接する。海外産の珍しい煙草や酒を集めるのが趣味。